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JTB巨額詐欺事件③ 1千万円持ち逃げされた被害者とJTB関東社員とのメール全容「専務、逃げているのではなく○○にいます」
JTB社員のT氏を信用し1000万円を渡したところ持ち逃げされる被害に遭った、小林孝正(仮名)氏。「Tは、長方形で茶色っぽい伝票を見せ、『これで現金の持ち出しと持ち込みができる、JTB社員だからできるのです』と言っていました」

 JTBの社用車に乗り、JTBの名刺と社員証、公式パンフを持つJTB関東の社員T(40代男性)は、顧客に「元本に手数料4~5%を乗せて返す」という奇妙なドル両替取引を持ち掛け、約4年間は約束通り手数料を支払っていた。だが昨年5月、自殺予告メールを送り、預かった金を返さぬまま失踪の後、6月に栃木県警足利署に出頭。7月8日に懲戒解雇となった。逮捕はされず、現在も捜査中だ。被害者は50名超、被害総額10億円近くと見られる。そのうち6名が今年3月、Tに支払った元金の返還を求め、JTB関東、JTB、Tの三者を相手どって東京地裁に提訴した。JTB側は「Tの行動は、原告らとの間で行われた個人取引にすぎず、被告らの業務とは無関係」との一点張りだ。1千万円を持ち逃げされた原告のひとり小林正孝氏(仮名、50代会社役員)に、どのように騙されたのか聞き、Tが失踪する直前1か月半にわたるメール送受信内容を公開してもらった。(A4で8ページ分、記事末尾でダウンロード可)

【Digest】
◇ドルに両替をし、逆に手数料をもらうシステム
◇「JTBがやっているのなら安心だと思った」
◇「誰も強く勧めないからかえって安心した」2か月金利5%
◇約束過ぎても支払われず Tとの緊迫したメールのやりとり
◇JTBに使用者責任はないのか?

◇ドルに両替をし、逆に手数料をもらうシステム
 ドル両替の話は、JTB関東の社員Tが2011年7月から顧客に持ちかけた。日本円からドルに換えれば手数料を支払わなければならないのが普通だが、Tが言うドル両替とは、顧客から現金を預かってドルに両替をし、3か月後に日本円に再両替し平均4パーセントの手数料分を上乗せして現金を顧客に渡すことだった。

 本来は支払うはずの手数料を逆にもらえるという、なんとも不思議な話だ。

 この契約は1回で終了し、継続して行うことはない。たとえば500万円出して3か月後に4パーセント上乗せした520万円を受け取ると、ここでいったん終わる。続けて520万円をあずけて3か月後に540万8000円受け取る、というシステムではない。

 もし同じことをしたければ、まとまった現金を新たにTに渡し、同じように3か月後に元本と手数料を日本円現金で受け取ることもできた。

 JTB関東の社員であるTの言葉を信じ、次から次へ現金を渡す人が現れ、手数料を上乗せされた現金を受け取っていた。この奇妙な取引は成功し、Tは営業成績が上がったと喜び、顧客も利益を得て満足していたのである。

 ところが、15年末ころから手数料と元本の支払いが遅れ始め、16年5月23日にはTがある顧客に自殺予告メールを送って雲隠れしてしまったのだ。6月中にTは警察署に出頭し、警察の監視下にあるものの逮捕はされず、現在も捜査中だという。なお、被害者数人が苦情のためにJTB関東を訪れた16年7月8日付で、Tは懲戒解雇されている。

 ドル両替のために現金を渡していた被害者らは、今年3月14日にJTB、JTB関東、Tの三者を相手取り原状回復(預けた元金の返還)を求める訴訟を東京地裁に提起し、現在は審理中である。

 原告は6人だが、1人が多数の顧客の窓口になってまとめて取り扱っていたため、訴訟に関係する実際の被害者は、30人である。この訴訟にかかわっていない人も含めると、全体では被害者が50人を超え、被害総額は10億円近いと見られる。

 そもそも顧客が両替手数料を支払うのが当り前なのに、おかしいではないかと思うのが普通だ。しかし、JTBには「TRS商品取扱委託契約書」というものがある。これは、JTBと提携代理店が交わすもの。提携業者がJTBからドルを預かって自己の顧客たちにドルを売り、その代金(日本円)をJTBに支払うときに、自分がもらうべき所定の手数料を差し引いた額を支払えばよいことになっている。

 外貨の販売手数料を示した『別表』には、1・0%又は4・0%と記載されている。

 結果としてみると、Tに持ち逃げされた顧客が、あたかもJTBの提携旅行代理店のようにされていた。

 訴訟の原告代理人のひとり塚越敏夫弁護士は「被害者は、もちろんこの契約書(TRS商品取扱委託契約書)を結んでいませんが、実質的に提携業者と同じ位置づけになってしまっているのです。大口の個人が提携業者に置き換えられるようなシステムが存在する可能性が、あるのではないでしょうか」と指摘している。

 今回、登場してもらう小林孝正氏(仮名=会社役員50代)は、1000万円をTに渡し、手数料を受け取るどころか全て持ち去られた被害者であり、前述の訴訟原告の一人でもある。

 小林氏は、支払期限が切れてからの、Tとのメールでのやり取り(記事末尾でダウンロード可)を保存している。それを見ると、金を返せなくなったTが、どのような言い訳をしているかもよくわかる。最初のいきさつから小林氏に語ってもらった。

◇「JTBがやっているのなら安心だと思った」
Tが小林氏に渡した名刺。JTBのやることだからと、疑いは持たなかったという。

「2016年3月20日、JTB関東の法人営業担当のTにドル両替用の1000万円を渡しました。元本と手数料受け取り期限を同じ年の5月31日にした「外貨両替申込書兼お客様控」を書きました。しかし、期限が過ぎても支払われず、T本人は行方をくらましたままになっています。

 私が紹介した人も同じような被害にあっており、本当に困っています」

 1千万円の被害にあった小林孝正氏は、現金を渡した時点より1年以上前に、北関東に住む地元の有力者、古川卓司理事長(仮名)と知り合った。古川氏は原告団の中心的人物である。

 気さくな人柄からか、周囲に人が絶えない古川氏は、ときおり音楽会などのイベントを催している。

「古川理事長のところで音楽会があるというので、そこに参加したのが知り合った最初です。理事長は地元の名士で、訪れる人が絶えないような人で、そういう催し物をしたり、普段でもいろいろな人が訪ねて語り合ったりする雰囲気でした。

 古川さんのところに出入りする人たちが、JTBでドルに両替しても手数料を自分が払うのではなく、逆に手数料を上乗せして日本円の現金で受け取っていることを知りました。

 でも、私より先にこの取引で利益を得ていた人に、積極的に勧められたことはないです。いま振り返れば、へんに取引を進められたりしたら、かえって警戒感をもったかもしれません。

 それに、株などに投資するわけでもなく、リスクもないし、なにしろJTBがやっている取引だと、社員であるTから説明されたので、全く疑いをもちませんでした。すぐにもドル両替をしてみたかったのですが、託せるほどのまとまった金額がなかったのです。

 しかし、あるとき高齢の母親から銀行通帳の管理を任されました.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



両替用に1000万円渡したことを示す「外貨両替お申込み兼お客様控」。
約束の期限を2週間過ぎた2016年6月14日に小林氏とTが交わしたショートメール。
JTBと提携旅行業者との契約書。外貨両替で手数料を実質的に提携旅行業者に払うシステムが記載されている。

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