”タレント牛”もたいへんだ!
明治おいしい牛乳<チゥチゥ篇>のひとコマ |
温泉を白くしたり、牛肉に粉をふって新鮮に見せるなど、今夏はフェイクものが世の中を騒がせた。東京・お台場にある大江戸温泉には「参勤交代の湯」というのがあって、以前、遊びに行ったときにちょうど草津からお湯がきていた。白骨温泉もそう言っておけば嘘ではなかったのである。
同じように、以前からずっと不思議だと思っていることに、牛乳の商品パッケージやCMに起用している放牧された母牛や子牛のことがある。明治乳業の和やかなCMを見ているとますます気になってしょうがない。
■明治おいしい牛乳「チゥチゥ篇」CM
(牧場で、子牛が母牛のおっぱいを吸っている)
子牛「ママのおっぱいチゥチゥチゥ」「ママのおっぱいチゥチゥチゥ」「ママのおっぱいチゥチゥチゥ」
母牛「いたい!」
子牛「ごめんなさい」
明治おいしい牛乳
■企業CM 明治乳業「牛乳工場篇」
(子どもたちが工場見学をしている)
男の子「牛乳なんてどれも同じ。はじめはそう思ってた」
--私たちは牛乳のおいしさにこだわりたいんです。
男の子「牛乳の味に違いなんてあるんですか?」
--それは、牧場で飲む牛乳の味、知っていますか? あの味に近づけたいんだ。もっともっと近づけたいんだよ。
男の子「もっともっと」
自然の力を、未来の力に。明治乳業。
→明治乳業 CM一覧
1961年に制定された農業基本法で「選択的拡大作物」となった牛乳は政府介在の下、農協に全量無条件委託販売されてしまった。放牧酪農では四季の変化で牛乳成分が変わるのに、一定の基準を要求され、低乳価に苦しめられた酪農家たちは舎飼いの工業的酪農へ移行するか、経営放棄かを迫られた。
そして、配合飼料を与え、牛舎での密飼いが日本酪農の主流となっていった。だから、牛乳も乳脂肪分3・5%以上といったように一律の味となってしまったのである。
企業CM「工場篇」で男の子が「牛乳なんてどれも同じ」と言っているのを聞いて、一瞬、「子どもって正直」と思ってしまった。牛舎で過ごした運動不足の牛は、ミルクタンク状態だ。そして、親子で一緒に過ごすということはない。
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読者コメント
「牛舎でも密飼いが主流」ちゃんと調べてあるんですか?今は放牧でパーラー搾乳がとても多いですよ?
某調味料がほんだしと名乗って実はカツオの廃液(?)を名乗っているのと同じですかね。まぁ世の中イメージって大事ですしね。良くも悪くも世の中みんなそういうふうにできているきがする。
「放牧牛から乳をとった」と誰がいつどこで言ったのか。状況から考えて、明治乳業は「牧場で飲む牛乳に近づけた製品」を目指した製品を開発し、その意図を放牧牛で表現しようとしたと見るのが限界ではないのか。農水政策に基づく酪農問題があるとしても、こうした手法をとることがメーカーの「非」とは言い切れないし、そうでない手法をとれば「イメージダウンだ」と記者本人も自覚している。そもそも、こうした手法を「フェイク」であるかのように言い立てても酪農問題解決には何ら寄与しない。できないと解っていることを敢えて求め、それが実行されないのを責める「いじめ」のようで不愉快だ。
牛乳の成分調整と牛の密飼いを混同してますな。
牛さんも大変ですね。スーパーやコンビニで売られる大手メーカーの牛乳であろうが、自然派を売り文句にする生協系の牛乳だろうがその裏には本来なら子牛に与えられるはずの乳をサーバーなり手しぼりなどで人間様に搾取されてる可哀想なお母さん牛がいるんですね。
タレント牛のどこが大変なのか、いまいち理解できなかったんでそこも教えてください私には、大変なのはCMに出演した”タレント牛”とやらではなくてそんなさわやかイメージの裏で、ひどい環境で牛乳出させられてる乳牛達の事を言ってる様にしか読めないんですが・・・それとも「才能」の意味なんでしょうか
なんだか、ほのぼのしてるような雰囲気でしたが、こんな現実はもうないですね。仔牛って、親と一緒に居て、それでいて母牛の血で出来た乳を吸う・・・・・。現実では、母親から引き離されてあげくの果てに食肉になってしまう・・・。こんなのありえない!!!
えげつない比較広告みたいなものですね。一般の人は、あまりにもバイアスのかかった他社製品への攻撃を見れば、ちょっとひきますよね。
よくそこまで気がつくというか何というか・・・で、肝心の味は?
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