関西テレビ 「ほとんどが左遷部署」で「40歳から余生」な実態
Ba 普通の企業 【対価偏重型】 (仕事1.5、生活3.0、対価4.8) |
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- 視聴者は「情弱」ばかり
- 通販とグリー・モバゲーに支えられる脆さ
- 91%が中間搾取されるいびつな構造
- 30歳前後で1200万円、30代後半に1500万円
- 営業配属が多い
- 40歳から余生、若年寄になっちゃう
- 広告主の報道への介入
- 地方局は技術的には不要
- 「名ばかりP」仕事は伝票整理
- 私生活主義に徹すれば天国
視聴者は「情弱」ばかり
なにしろ売上の中核である放送収入が、701億円(2008年3月期)→616億円(2009年3月期)→522億円(2010年3月期)と、わずか2年間でつるべ落としのように25%(179億円)激減。
赤字転落した2009年3月期決算を受けて飲食やタクシーなどジャブジャブだった経費の削減を進めた結果、2010年3月期は黒字回復したものの、2011年3月期決算は、減収減益の見通し。もはや、コストカットをし続けるしか黒字確保の道はなく、高い人件費をカットし、下請けを叩いて制作費を削って、縮小均衡で生き残りを図るしかなくなっている。
この主力の放送収入減が、リーマンショックという一時的な要因に過ぎないと思っている人は、業界でもほとんどいない。
「フジが強いバラエティー番組の視聴者は、かつては購買力が高いF1・F2層(20-49歳女性)でしたが、最近では、実は、購買力がない『情弱』(情報弱者)の人たちばかりが視ていることがバレてきてしまった。だから、情弱をターゲットにしているグリー、モバゲー、バイトルドットコム等が主要なスポンサーになっている。資生堂の化粧品を買うような本来のターゲット層は、あまり見ていないわけです」(社員)
通販とグリー・モバゲーに支えられる脆さ
ここ数年で顕著なのは、青汁やプロアクティブの単品通販など、CS放送にしか出していなかったスポンサーを地上波に出さざるを得なくなってきたこと。さらに、既にBS放送で創価学会をスポンサーにつけ始めるなど、これまで自主規制してきた宗教法人が入り始め、地上波にも入る可能性がある。既に、地方局のラジオ放送では、聖教新聞が重要なスポンサーとなり、事実上の生命線にすらなってきている。
F1・F2層にリーチするには、ネットのほうが費用対効果が高いことが分かってきたことから、パナソニック、京セラ、任天堂などナショナルクライアントは、軒並みCM量を減らしている。「ソニーは、特定の番組を提供する『タイム』は、昔からやっている『世界遺産』以外は止めてしまった。番組の合間に流れる『スポット』CMで十分、ということです」(社員)
実際、タイムの落ち込みは激しく、2010年3月期の売上は、タイム収入が186億円で8.8%減。スポット収入(335億円)の0.9%減に比べて、落ち込みが目立っている。
「レーベル系と呼んでいますが、音楽CDのプロモCMも一気に減りましたね。いまや、完全にグリー・モバゲーに支えられています。まだ結構CMを打っているトヨタやフジフィルムといったナショナルブランドは、むしろ、不利な報道をされないための口止め料的に出してる感がある。実際に売上げにつながっているか、という効果測定は、ほぼやっていませんから」(社員)
91%が中間搾取されるいびつな構造
テレビ業界の主力商品は、テレビのCM枠である。関テレが制作し、データ捏造問題で2007年に打ち切りとなった『発掘!あるある大事典』では、社員の証言と『文藝春秋』2007年4月号によれば、以下のようなカネの流れになっていた。
まず、スポンサーである花王が電通に広告予算を支払うと、電通のMCプランニング局の通称ギョウスイ(業務推進室)が、電通内の各局(テレビ、新聞、ネット、雑誌)に予算を割り振る。電通は15%のマージンを抜く。
『あるある』は、割り振られた予算が、番組1本あたり1億円。電通の取り分1500万円を抜くと、残りは8500万円だ。『あるある』は全国放送だから、「電波料」として4800万円が抜かれ、各地のFNN系地方局に割り振られる。自分で制作している関テレも500万円を抜く。国から電波をタダ同然で貰いつつ、電波料まで抜き取ってしまう点が、「世界一楽な商売」(『電波利権』著者の池田信夫氏)と言われる所以で、確かに通常のビジネスでは考えられない。
8500万-4800万-500万円=3200万円。これが番組制作費である。このうち、関テレが「プロデューサー費」として55万円とり、3100万円余が下請けの日本テレワークの取り分となる。3100万円はどう配分されるかというと、孫請けの「アジト」という番組制作会社に860万円だけが行く。残り2240万円は、スタジオ経費として、堺正章などのタレント出演料となる。
もとは1億円だった予算のうち、あらゆる中間搾取をへて、現場のアジト社のVTR制作費となるのは、9%弱にあたる、1本あたり860万円だけ。しかも、必ず結果(面白い情報)を出さないといけないプレッシャーがある。これが、テレビ番組で慢性的にデータの捏造が行われている構造だ。『あるある』は、たまたま発覚してしまった例で、背景にある構造は、今も何も変わっていない。
「あるあるは、花王の担当者も企画会議に顔を出していた珍しいケース。電通も顔を出していた。関テレはP(プロデューサー)とD(ディレクター)が1人ずつ出てただけで、実際に作っていたのは下請けと孫請けでしたが、社内でも、アジトってなに?という感じ
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関テレのキャリアパスと報酬水準
関テレの給与明細(30歳前後)
関テレのボーナス推移(1999年~2009年度、夏・冬)。30歳で年462万円にもなった年が。
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テレビ 収益構造
テレビの終わりの始まりを予感させるな。
“実際に売上げにつながっているか、という効果測定は、ほぼやっていませんから” これはウソ。適当だなあ。
MyNewsJapanって、昔あったOhmynewsとはひと味違うのかな。
キー局の高コスト体質はよく批判されるところけど、我々はキー局とは違うんだと妙な対抗意識を燃やしがちな準キー局も、実は似たりよったりという話。テレ東より在阪局の方がよっぽど高コストだったり
ああ、なるほど>バラエティー番組の視聴者は、かつては購買力が高いF1・F2層でしたが最近では『情弱』ばかり。だから情弱をターゲットにしているグリー、モバゲー、バイトルドットコム等が主要なスポンサー
【通販とグリー・モバゲーに支えられる脆さ】
『あるある』で明らかとなったように、下請け会社から利益を吸い上げる構造によって、労せずして高収益・高賃金を維持してきた。だが、地殻変動は確実に進んでいる。「この待遇、あと5年は続かないな、と」...
うひゃ。すご。
「予算が//1億円。電通の取り分1500万円を抜くと、残りは8500万円だ。『あるある』は全国放送だから、「電波料」として4800万円が抜かれ」 妥当かどうかはともあれ、書籍なら印刷費、ネットなら回線費用が必要な気が。
早く。
ときどき「もう電通がTV局を経営すればいいのに」と思う。実現されたら怖いけれど。
"「…最近では、実は、購買力がない『情弱』(情報弱者)の人たちばかりが視ていることがバレてきてしまった。だから、情弱をターゲットにしているグリー、モバゲー、バイトルドットコム等が主要なスポンサーに…」"
アニメの業界も構造が云々言われているけれど、ドラマもバラエティも似たような物、と。これが本当ならあの安いっぽい番組の数々も納得いくし、人気あって口が上手いさんまみたいなタレントが重宝されるのも分かる。
テレビ局っていやだな。
テレビの衰退で次第にグループ会社やアナウンサーとか芸能人にも影響していくんだろうな。芸能事務所はテレビ以外の媒体を創りだす必要が出てくる。
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読者コメント
番組に興味無い残業目的の人間が居すぎ。番組に興味無いシステム構築の人間が番組の人間の残業より2倍多いって、そらおかしいでしょ。評価見直した方がいいんじゃないの
無駄に残業する人が多い?何をやっているかお互いがよく分からないから、暇な日でも無駄に残業してるんじゃないの。メールを残業時間にわざと送ってくる人とかいそう。
旧体質の内向きな会社でしょう。
なんでも内向きの競争だけしようとして、発展的なことが出来ないからこんなことが起きるんじゃないでしょうか?
言ったもの勝ちのパワハラだらけの会社の元凶はなんなのでしょうか
あれれ、もしかして、関西テレビさんは、次に同じような、水俣バージョン、スモンバージョンを企画されているんでしょうか。それなら、いっそのこと、日本全国の公害被害者を一堂に集めて、「受けて一番よかったのは、僕らの障害だ!」っていう「公害被害自慢コンテスト」でも開いたらどうでしょう?
でも補償水準はスモン病や水俣のほうが高水準ですね。「50年目のレポート」や救済事業監視塔「公害・薬害被害者と森永ヒ素ミルク被害者の補償額比較 第2表」で簡単にわかります。テレビ的に映せば感動的な、被害者同士の助け合いだって当然あるでしょうし…。だったら、スモンや水俣病の患者が「(もった障害が)スモンでよかった、水俣病でよかった」って言うでしょうか? 言わないでしょ。
ひかり協会の救済事業監視塔 掲示板 No.388で「関西テレビさん、公害被害自慢コンテストを企画するおつもり?」というコメントが掲載された。
「(もった障害が)ミルク中毒でよかった」ホウっ! これは、非常に玉虫色に比喩表現されていますが、かみくだけば、「(もった障害がスモン病や水俣病など他の公害より)ヒ素ミルク中毒でよかった」という意味でしょう。
番組は、森永乳業が被害者団体弾圧時に利用した世論対策の常套句「晴天の霹靂」を番組で再度復活させ、「森永憎しの親の思いは封印」「森永に恨みはない」「(持った障害が)ミルク中毒でよかった」と被害者の心情を一義的に定義。その後、「森永の補償に上限があり行政サービスを活用し」とか「行政だけでは足りない部分を、ひかり協会が支援します」と政治合意の内容をひっくり返す主張を展開している。
関西テレビは、森永ヒ素ミルク中毒事件に関して2007年「恩讐のかなた」という「ドキュメンタリー」を放映した。その番組が、ひかり協会救済事業監視塔 というサイトの掲示板で、平成24年7月10日(書込み№358)以降、告発が続いている
その内容を見る限り「あるある」よりもはるかに問題性を含んでいると思われる。
この番組、なんと、賞までもらってる。(№360)
「放送批評懇談会」の「ギャラクシー賞」第45回奨励賞を受賞している。「放送批評懇談会」は大丈夫だろうか?
不法行為で訴えられている、「森永ひ素ミルク中毒の被害者を守る会」が、自らの正当化のために、昨秋、岡山地方裁判所に同番組のDVDを「証拠」として提出したことにより、政治性が明るみとなり、5年たって、公に物議をかもし出している。
やらせの関テレは、ニユースでも民主党の悪ぐちを云うゲストのみを招き、悪口のやらせをしている。
花王に群がる蟻の群れ
さもしい広告業界 ”賤ましい業”たる所以か?
09年の東洋経済に関西キー局統合の記事があったが、まだそうなっていない。CMの放送料で番組を作
る「ビジネスモデル」の崩壊!「Zaiten」にも電通の崩壊が特集されていたな。10年の秋に。
最近テレビ見るより、ギャオやニコ動のほうが面白いと思う時があるしな。
90年代、2000年代前半は銀行を抜いて、わが世の春を謳歌していのに。。。
今は坂道を転がり落ちるように凋落の一途をたどってるね。
まあ、自業自得だから同情はしないけど。
時代はだんだんBSとCSとNHKですな。金を払わないといいものが見れない時代になったってことでしょう。
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