検察批判&脱原発の市民活動家を痴漢容疑で逮捕、3日間勾留 被害者が語る事件全容と防御法
あやうく痴漢冤罪に陥れられそうになった矢野健一郎氏。写真と同じ場所で4人に取り囲まれた。 |
- Digest
-
- 「あんた、触ってたでしょ」突然5人に取り囲まれる
- コンピュータ監視法反対の座談会終了後に…
- ホームにいた謎の4人
- 「入れ!」小突かれて取調室へ
- 明け方4時30分にようやく家に電話
- A4判4枚の調書、テニオハまで修正させる
- 検察批判・マスコミ批判デモを呼びかけた中心人物
- かつての活動家とまったく違うタイプ
- 東電前アクションをはじめ脱原発運動にも参加
- 検察庁の待合所に見慣れた公安刑事が
- 痴漢えん罪を防ぐ最低限の心得
「あんた、触ってたでしょ」突然5人に取り囲まれる
「電車が減速し、(東京の京王線)千歳烏山駅に入りかけたときのことでした。右腕の肘あたり二の腕に近いあたりを強くつかまれて『あんた触ってたでしょう』と。そして私は『何を言ってるんだ、馬鹿なこというな』と言い返しました。
振り解こうかとも思ったのですが、けっこう強く捕まれていて、他の乗客とともにホームにだらだらっと降りたとたん、発した正確な表現は忘れましたけど、その被害者だという女性が『痴漢です』と叫ぶと、女1人男3人がすぐに寄ってきて、パッと私は囲まれました。
ホームに降りて1歩、2歩、3歩も歩かないうちに、その女の人が声を上げて、4人に囲まれたのです。なぜ、一瞬のうちに4人(「被害女性」を含めれば5人)に囲まれるのか。そんなこと、普通ありえないでしょう」
2011年6月15日夜11時30分~12時の京王線千歳烏山駅。郊外の自宅に帰ろうとしていた矢野健一郎氏(43歳)が、痴漢冤罪におとしいれられかかった瞬間である。このあと矢野氏は任意同行を求められて、成城警察署(東京都世田谷区)に赴き、そこで逮捕された。
身に覚えのない事件に巻き込まれたのだから、彼は否認した。通常は否認すると長期勾留されるものだが、矢野氏は毅然とした態度で弁護士との接見などを要求。3日後の6月18日に釈放され、7月末までに不起訴が決定された。(ただし検察に不起訴決定を知らせる義務がなく、当事者の要求によって結果を報告する。このような事情から、矢野氏本人が知ったのは9月に入ってからだった)。
痴漢の疑いで身柄拘束された場合、世間体などを恐れ虚偽の自白をして早期に釈放され、被害者との間で示談を成立せざるを得ない痴漢冤罪被害者が多い。だから今回の事件は、身柄拘束されながら数日で釈放され容疑を完全に晴らした例として貴重だ。
しかし、被害に遭うまでの矢野氏の言動やその背景を知れば、ただの痴漢冤罪で済ませてよいのか、との疑念が湧いてくる。これは罠ではないのか。以下、詳細に検証しよう。
コンピュータ監視法反対の座談会終了後に…
“謀略”は万能ではない。事件そのものが、火のないところに煙を立てて作られたものならば、証拠を集め、調書を作成し、起訴し公判を維持するのは、権力にとっても難しい。“事件”が起きた時点で、逮捕された人の評判を貶めて活動を封じ込める目的・役割を終えてしまうため、“後始末”がおろそかになりがちだ、という言い方もできる。
東京渋谷にあるこのビルの会議室で、現代の治安維持法とも呼ばれる「コンピュータ監視法」の危険性を訴えるネット座談会が開催され、矢野氏はそこに視聴者として参加した。この日の夜、帰宅途中に事件は起きた。 |
被害にあった矢野健一郎氏の日頃の言動を考慮すると、「この事件は、あまりにも出来すぎていないか」と疑問が生じる。まずは“事件”に至るまでの当日(6月15日)の彼の動きを追ってみた。
PM5:00 東京渋谷の会議室で「【APF Live】 緊急生放送!6/15(水)午後5時~ 『緊急座談会/コンピュータ監視法の実態と危険性を暴く』 出演 小沢遼子氏(評論家),足立昌勝氏(関東学院大学教授)ほか」が行われ、ネット中継され、矢野健一郎氏も参加していた。
座談会終了後、主催者と参加者が立ち寄った『天狗』道玄坂店(上)。多くの人が歓談し、10時~10時30分までには解散した。その後矢野氏は知人と2人で焼き鳥屋(下)に30分ほど立ち寄り、この後渋谷駅に向かった。 |
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り8,509字/全文10,213字
澁谷駅から井の頭線に乗り、明大前駅で下車。ここから京王線に乗り換えた。
柱に5と書かれているあたりのホームに下車し、この写真の撮影位置あたりで4人に囲まれたという。
千歳烏山駅まで警察官がやってきて、任意同行を求められた矢野氏は正常警察署にパトカーで同行した。ところが4階の生活安全課に行くと、取調室に「入れ」と小突かれて犯人扱いにされた。
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
最近では痴漢冤罪以外にも、子供を利用した挑発からの声掛け事案発生、のような手口を使うようです。皆さん気をつけてください。
男性の方は、いつ陥れられるかわからない事件です。警察の痴漢捜査の在り方について、国民は真摯に考えるべき時と思います。
警察や公安が、民主主義国にあるまじき捜査や取り調べを続けていては、国家機関が国民のモラル堕落の見本を示すようなものだ。政治家をチェックする仕組みはあるのに、捜査機関をチェックする制度がないのはおかしい。
デモに参加した人達が、痴漢冤罪で逮捕されているのは、
テレビでは、上杉隆さんがわずかに述べていただけだったんですよ。
本当にこういった事があるのか疑ってはいましたが、
他のニュースサイト等も重ねて調べる限り、事実のようですね。
上杉さんも検察官の方から注意されたそうです。
「検察や警察を批難する記事ばかり書いているから、電車は使うな。痴漢冤罪で引っ掛けられるぞ。」
記者からの追加情報
日時 10月15日(土)午後2時(1時40分開場)から4時45分
場所 新宿区落合第1地域センター 3F 第1集会室B
新宿区下落合4丁目6番7号 (西武新宿線下落合駅から徒歩約5分)
資料代 500円(会員無料)
主催 草の実アカデミー
参考になるホームページ: 救援連絡センター
TEL: 03-3591-1301 / FAX: 03-3591-3583
E-Mail: kyuen@livedoor.com
本文:全約10200字のうち約8700字が
会員登録をご希望の方はここでご登録下さい
新着のお知らせをメールで受けたい方はここでご登録下さい(無料)
企画「その税金、無駄遣い、するな。」トップページへ
本企画趣旨に賛同いただき、取材協力いただけるかたは、info@mynewsjapan.comまでご連絡下さい。会員ID(1年分)進呈します。