三菱UFJモルガン証券 1300人殺到「3日で打ち切り」の希望退職
B 不良企業予備軍 (仕事2.0、生活3.7、対価2.2) |
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- 「頑張り過ぎたとも言える」衝撃の社長発言
- “リストラ部署”を設置
- 3日で打ち切られた希望退職
- 45歳で48ヶ月割増、50歳で5千万
- 夏も冬も1ヶ月
- 『とにかくポジションをなくせ』
- 「5年目で課長代理」は1割未満
- エリア総合職=女性
- 「いい人探し」が仕事
- 証券アナリストの資格は重要
- 離職率は5年で1~2割
- 「客のためになっていない」ストレス
- 国際証券出身者はノムライズムも
「頑張り過ぎたとも言える」衝撃の社長発言
当該の取引を扱っていたのは10人程度の小さな部署だったが、そもそも中堅の証券会社(国際証券、ユニバーサル証券など)を寄せ集め、継ぎはぎ、吸収して強引に三菱の冠を被せたという設立の経緯もあり、かつ畑違いの銀行からの天下り役員が支配していることから、リスク管理体制の脆弱さが、半ば当然のごとく露呈した形だ。
「副社長が外部から連れてきた人が損失を出したのですが、責任をとって辞めたはずの秋草史幸社長はまだ会社にいて、すれ違ってビックリしました。穴を開けた当人は『フェラーリ』に乗って去っていったそうです」(社員)
どれだけ大きなリスクをとって損失を出しても、辞めて転職すればいいだけ。運良く勝てれば巨額のボーナスが入る。リーマン・ショックの際に批判を浴びた「ノーリスク・超ハイリターン」のカジノが再現された。そして、それをチェックし、途中で損が小さいうちに損切りさせるはずの社内のリスク管理部門は、まるで存在していないかのように、機能しなかった。
「部店長会議での社長の発言内容が社内のウェブに載るのですが、『赤字が出て、それを埋めるために彼が頑張りすぎた、ということもできます』などと、かばっているんです。あれは衝撃の発言でした。正気とは思えない」(社員)。結局、秋草社長は4月に辞任したが、顧問に就任したため、会社にいるわけである。
部門別の業績や責任を明確にせず、数字よりも出身や上下関係、精神論を重視する三菱銀行の体質が、そのまま投影されている。代わった新社長の豊泉俊郎氏も、やはり三菱銀行出身である。
“リストラ部署”を設置
小さな部署が空けた大き過ぎる穴は、多くの社員の人生を狂わせた。年齢が45歳以上になって然るべきポストについていない社員に対しては、以前より定期的に呼び出して“第二の人生”を勧めるプレッシャーはかけられていたが、損失が社内で明らかになった2011年春、「資料保管室」という部署が作られ、そこに中高年社員が大量に異動となり、退職勧奨を受けたという。
さらに9月には“営業に出るためのトレーニングをする部署”が設置され、総務系などから、50人ほどが異動になった。この異動は、何度かに分けて実施されたという。
「手を挙げて辞めた分を補充する形で、どんどん送り込んでいたのだと思います。親切なのは、それらが10月の希望退職募集の前に行われたこと。リストラ後に残った人がそういう異動になると、キツいですから」(社員)
退職プログラム利用決定通知。30歳以上のため24ヶ月分が割増となっている。 |
3日で打ち切られた希望退職
そして迎えた10月3日。20日間の応募期間を設けて、希望退職が募集された。同年2月にも49~57歳(3月末時点)の総合職を対象に募集されていたが、応募が270人ほどにとどまったことなどから、対象範囲を一気に拡大。実に全社員の9割(約6千人)にまで広げられた。具体的には、入社1年目でも、希望者は応募できるのだった。
「募集開始した当日の夕方に、全店メールで、3日後に打ち切ります、というアナウンスがなされたんです
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読者コメント
三菱UFJ証券が採用数を倍増させたと話題になっていた2006年のNHKニュース7で放送していた内容を思い出した。時の流れは残酷。
ネット証券の台等により、そもそもリテールの存在意義が無い。
ETF225の上場により、ボッタクリ投信も正気の社員で有れば売る事にも罪悪感を感じる筈。
大体、客にアドバイス出来るくらいだったら、トレーダーに転身して自分で稼いでみろって話です。
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