10年後に食える仕事-4 「無国籍ジャングル」で戦うということ
給料の実力と虚飾の分解図 |
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- どんどん敵が強くなるエリア
- アーティストに国籍は関係ない
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- 人格破綻していても関係なし
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②「無国籍ジャングル」――世界中の人がライバル
どんどん敵が強くなるエリア
困ったことに、皆がここ(=無国籍ジャングル)を目指さなければいけないといった空気に流され、「自分もMBAを取得したほうがいいでしょうか」といった相談を受けることも少なくないが、ここはグローバル化が進めば進むほど、母数が増え、どんどん敵は強くなるので、実力も運も必要だ。生来の才能豊かで、かつ勉学を怠らず、多国籍の環境のなかで成長し続けられるタイプでないと生き抜くのが苦しくなっていく。その自信が、あなたにあるかを問うてほしい。
これから、ITの世界を中心に、若い天才的なインド人や中国人がどんどん参入してくる。人類70億人との仁義なき戦いだ。そして、生き残れるのは、それぞれの分野で一握りだけ。検索の世界ではグーグルが、書籍販売の分野ではアマゾンが、「ウィナー・テイクス・オール」で利益を1人占めする。つまり、勝ち残れれば青天井の富と名声が得られる「超成果主義」、純粋な「市場原理主義」であり、人種や言葉によるハンデもない。最もやりがいのある世界とも言える。
この無国籍ジャングルでの仕事に向いている人のイメージとしては、サイボーグである。女性なら、勝間和代氏のごとく、外資系を渡り歩き、速読術を身につけ、英語の文献を高速で読み込み、ハイテク製品を次々に使いこなしつつ、自転車・バイクで体を鍛え、大学院に通いつつ子供3人を1人で育てる、といったハイパーウーマン。男性なら、「400戦無敗」「人類最強」などとメディアで称されたヒクソン・グレイシーみたいな男を目指す心構えで、頑張って欲しい。
特に、ここで働くことを企んでいる若手ビジネスパーソンは、右上に示した概念図「給料の実力と虚飾の分解図」について、よく考えて貰いたい。
今後、時代とともにグローバル化=規制緩和が進み、④規制プレミアム分の給料は削減されていく。国際的な金融自由化にともない、過去10年で旧都銀の給与水準が激減したのが好例だ。
私は旧都銀の各行員10人強を取材したが(全記事を企業ミシュランに収録済み)、30歳で年収1千万円だった時代は10年前に終わり、メガバンクへの集約・統合のたびに水準は切り下がって、いまやトップの三菱東京UFJ銀でも、過半数の30歳行員は基幹職コースでも600万円台であり、メーカーと大差なくなっている。
無国籍ジャングルの分野で戦うということは、規制分に加え、⑤の「日本人スキル分」も放棄することを意味する。自ら放棄した自覚はなくとも、誰もそれに対して対価を払わないどころか、ハンディにすらなり得る。
たとえば
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「無国籍ジャングル」の職業群
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"私は新日本監査とトーマツの会計士を取材し、業務内容を詳細に聞いたことがあるが、会計士は、単に資格試験が難しいだけの世界で、その難易度が仕事に必要という訳では全くない、と感じた"
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