My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

アクセンチュア戦略 「オレたちは選ばれてるから」と平気で言っちゃう人たち

情報提供
ReportsIMG_J20121004183321.gif
A 優良企業
(仕事4.5、生活3.3、対価5.0)
 アクセンチュアは、上流(戦略)から下流(IT・アウトソーシング)まで一貫したコンサルティングサービスを提供する業界最大手(国内4800人)の外資コンサル会社。なかでも最上流を担う戦略グループは社内でも“別階級”のはずだったが、昨年9月以降、他グループとの垣根が崩れつつあり、生存競争が激化。仕事がない人たちは容赦なくSCMやCRM、場合によってはITの仕事にまで放り込まれるようになった。「戦略コンサルはエラい、賢い」との意識が強く、他社も知らないのに「この仕事よりエキサイティングなものはない」等と信じて疑わなかった自意識過剰ぎみな生え抜き社員たちも、思い描いていたキャリアを積みにくくなっているのだという。
Digest
  • 戦略キャリアを積みにくくなった
  • 半額で請け負える強み
  • 30歳以上の新卒社員も
  • 「最初に成果を出せないと死亡」
  • 転職先は結局、グリーやDeNA
  • 本物のグローバル企業
  • 専業他社より3~4割安い給料
  • 「コンサルはエラい、賢い、スゴい」意識
  • 上の人たちは軍隊的

戦略キャリアを積みにくくなった

アクセンチュアは職種別の採用をしており、経営コンサル部門では戦略系と非戦略系(財務、人材、SCM、CRM…)を入社時点から分け、給与体系も報酬水準も差をつけていた。

一方、SI(システム・インテグレーション)の導入を担う部門は、SE職を「アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ」等の別会社で採用してきたが、2012年5月1日付でアクセンチュア本体に統合。

給与水準は業界相場に準じて、高い順に①戦略コンサル②非戦略コンサル③IT、となっていた。つまり、1つの社内に、BCGアビーム、そしてSAPを抱え込んでいるようなものだ。

ところが昨年より、①と②の統合に向けた動きが始まった。頂点に君臨していた戦略グループであるが、昨年(2011年)9月の組織変更によって、戦略G(グループ)に所属していた戦略コンサルタントが、非戦略系の「CRM」や「SCM」などその他のMC(マネジメント・コンサルタント)組織に所属するグループ(以下図参照)がメインで実施するプロジェクトにも、次々とアサインされるようになったというのだ。

「戦略」という組織の独立性を崩し、余剰人員は積極的に非戦略のプロジェクトにも投入していくことによって、戦略コンサル全体の稼働率を上げるのが目的だった。

「戦略Gの仕事は、今年の春から夏にかけて、アベイラブル10人に対して2~3人しか仕事がないという状態が続きましたが、仕事がない人たちは、営業活動等にとどまることも許されず、容赦なくSCMやCRM、場合によってはITの仕事にまで放り込まれるという点が、組織変更後の大きな変化でした」(社員)

以前は、仕事が干上がると戦略G内の営業活動に回されるだけだったため、仕事が増えてきたタイミング等で戦略Gのプロジェクトに復帰することが容易だったが、今では、いったん非戦略の仕事に回されるとどっぷり浸かってしまうことも多く、その後、戦略の仕事へ復帰できるかは運次第、という状況になってしまったというのだ。

こうした組織変更の前段階として、新卒採用も統合。2010年までは、新卒は「戦略Gの募集」と「非戦略Gの募集」がそれぞれ存在したが、2011年4月以降に入社の新卒社員から、全員が「戦略G」として採用されるようになった。(→採用ページ「※2012年卒新卒採用は「戦略」グループのみの募集です。」参照)

ReportsIMG_I20121008033432.gif
MC(経営コンサルタント)組織と戦略グループの位置づけ

「今年は30~40人ほどが入社しましたが、3分の1くらいが非戦略系のプロジェクトに流れてアサインされているはず。プロジェクトが減って、戦略コンサルとしてのキャリアは積みにくくなっています。アベイラブルが増えているので、使えない戦略コンサルは戦略Gで居場所が無くなり、結果、SCMやCRM、果てはITにまで流れていく。一旦そうなると、戦略G内に自分を支持してくれるマネージャー以上が居ない場合は、かなり戻りづらい」(社員)

ようは、戦略系だけの売上げが上がっていないため、既存の社員はもちろんのこと、新卒入社組でも、アサインのタイミングで戦略のプロジェクトが少なかったりすると、非戦略系へとアサインされてしまう。いったん外れると戦略への復帰も難しくなりつつある、というのだ。

さらに、「戦略G内でも、新規事業関連などの戦略的なプロジェクトはそれほど多くはなく、業務改革系のプロジェクトが主流。純粋な戦略系キャリアは積みにくくなっている」(社員)というから、もはや戦略・非戦略の垣根を作って組織と人を分けることに意味がなくなってきているともいえる。

現状では戦略と非戦略の給与体系が異なるため、実力と運と人脈で戦略Gの仕事に残った人だけが戦略系のキャリアを積み、戦略の報酬体系で昇格していくことになる。他のグループの仕事に流された人たちは当然、戦略のキャリアを積めない以上、昇格しずらいため、辞めていくか、他Gに移籍して水準も他Gに合わせて下げることになりそうだが、このあたりの運用はまだ見えない。戦略Gとしては、デキる一部の人間だけが残ればよい、と考えているようだ。

半額で請け負える強み

そもそも、アクセン戦略系の強みは、上流から下流(業務プロセス、IT、アウトソーシング)までを一貫して請け負えるため、戦略プロジェクト単体だけで利益を考える必要がないところにある。

そのため、マッキンゼーやBCGよりも断然、安い価格でプロジェクトを請け負えるのだ。「たとえばプロジェクトのパフォーマンスはBCGの8割でも、アクセンチュアは半額で請け負うことが可能です。戦略コンサルの給料が(専業のBCG等より)安いのと

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り5,111字/全文7,149字

アクセンチュア戦略Gのキャリアパスと報酬水準

「アナリスト」ランクの給与明細。ボーナスがゼロなので、12倍が年収。

「アナリスト」ランクの源泉徴収票

評価詳細&根拠

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

通りすがり2013/07/27 03:59
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本文:全約7400字のうち約5300字が
会員登録をご希望の方はここでご登録下さい

新着のお知らせをメールで受けたい方はここでご登録下さい(無料)

企画「ココで働け! “企業ミシュラン”」トップページへ
本企画趣旨に賛同いただき、取材協力いただけるかたは、info@mynewsjapan.comまでご連絡下さい。会員ID(1年分)進呈します。