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ユニクロ 「これは軍隊以上だ」“ソルジャー研修”に呆れる外国人内定者たち(採用~入社編)

情報提供
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2011年3月に新卒入社、2012年7月に退職。3年前の就職活動を振り返り、「内定した頃は、けっこうユニクロのイメージはよかった」と話す。「新しいことをやっていける、世界進出して活躍できる、と。世のなか元気がない会社ばかりの中で、夢を見させてくれたのはユニクロだけでした。」
 就活が佳境に入る2~3月。今回は、2011年に入社して半年後に店長に昇格というトップキャリアを歩みながらも、激務からうつ病を患い翌8月には辞めざるをえなくなるという、ユニクロで最も一般的なパターンで会社を去った元社員(24歳)に、2010年の新卒採用から内定、入社前後の研修について聞いた。合宿2回を含む5回の内定者研修は「半年で店長になるために必要なことを理解する」等が目的に掲げられ、入社前研修の域を超えたものだが、賃金の支払いがないため会社にとって都合がよい。挙手の角度まで決められる研修の厳しさについて、徴兵制の国からやってきた外国人エリートは、「自分は軍隊に行ったが、それ以上だ」と呆れるのだという。
Digest
  • 「あなたはユニクロのコンサルになりました」で議論
  • 半数は無名大からも採る
  • 超エリートの外国人「グローバルURC」
  • 合宿で経営理念23か条を一言一句暗記
  • 入社後の話にドン引き、入社辞退する内定者が10人以上
  • 「これは軍隊以上だ」と外国人社員
  • 内定者AL(アルバイト)はやるべきか

僕は3月に試験を受けて、内定したのが2010年5月4日。これで中盤くらいでした。早い人は4月内定、遅い人は6月以降。300人の大量採用なので、「書類審査→面接→内定」の流れを、並行していくつも進めていました。

もともとCM制作に興味があり、広告代理店を回っていましたが、大手の選考で縁がなく、「新しいことができそう」という軸で探し、2010年3月にユニクロの説明会に参加したのがきっかけです。アパレルという切り口で活動していたわけではないので、アパレル業界はユニクロしか受けていません。

「あなたはユニクロのコンサルになりました」で議論

第一次の書類審査は、「テストセンター」(リクルートが運営するアウトソーシングされた適性検査の一種)の結果に、大学名を加味して、切る人を決めているようでした。第二次の書類審査は、ウェブ上で志望理由書を書いてエントリーし、SPIテストを受け、これに通ると、一次面接に進めます。【一次面接】1回目は、1:1。当日もっていく「A3」くらいの紙に、自己PRを書きます。面接官はSV以上か、スター店長。つまり「S4」以上、または「S3のS4候補者」です。

そして、グループディスカッション。人事1人:候補者6人でした。使い古しのコピー用紙があり、「これを使って、高く積み上げて下さい。破ったり、切ったりしてはいけないけれど、折るのはOKで、優秀なグループは高く積み上げられます、時間は15分くらいで」という内容。

人事によると、これは、リーダーシップ、協調性、アイデア力などを見ているのですが、特に評価されるのは、分業して進めることと、最後のほうでより良いアイデアが出たときに、どんでん返しをしてでも、やり直した場合だそうです。

「空気を読まずに、新しい発案ができる人がよい」と。途中で崩してしまうことになったとしても、より良い方法を提案できる力、が評価されます。採用基準は明確で、人事+柳井社長で、7つくらいを決めたらしい。【二次面接】2回目は、再び、グループディスカッション。人事が見ているなかで進められ、4~5人の円卓でやります。テーマは、「ユニクロが世界一になるために何が必要か」でした。【三次面接】3回目は、インターンシップ。店舗で2日+本部で1日。バックヤードで店長が、ものすごい速さで商品の袋剥きをするワザを披露したり、「今日発売なんだよ」などと新商品を見せて、ワクワクさせます。

そして店裏で、「あなたはユニクロのコンサルになりました。これからコンサルとして店をまわって貰って、気づきや改善点を見つけて、店長と議論しましょう」と。その議論はSVも見ています。昼飯も一緒に食べます。

本部では、ミッドタウンの34Fで、今後の戦略の説明を聞いて、「あなたが達成したいことは何かを書いてください」と言われ、グループ内で発表します。【最終面接】最終面接は、部長以上との、1:1。30分ほど、志望理由、やりたいことなど、オーソドックスな内容でした。

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「世界一のカジュアル企業となる日まで共に成長し…」と建前は立派だが、健康を害して、大半の新人が辞めざるをえなくなってしまうのが実情。

半数は無名大からも採る

僕の最終面接担当は、一部の社員らから冗談で“ユニクロのテポドン”と恐れられていた若林さん(営業リーダー)というかたでしたが、この最終面接では、たまにサプライズで柳井社長が出てくることがあり、柳井社長が欲しいと思った人は「キミ内定だから」と、その場で握手だそうです。

自分の場合は、1週間後に、慶應OBの担当者から、電話で伝えられました。大学別に担当を分けているんです。多い順に、30人慶応、20人早稲田、15人東大。全体で300人が内定、とのことでした。

偏差値で言うと、上の150人くらいまでが、いわゆる有名大出身者。下の150人は、どこか分からない、聞いたこともない大学もたくさん混じっていて、大学名を無視して、人物だけを見て採用している感じでした。

超エリートの外国人「グローバルURC」

この300人が「URC」(Uniqlo Rookies Campaign)と呼ばれる国内組です。それとは別枠で、「グローバルURC」がいます。これは、中国や韓国のトップ大卒などを集めた精鋭の超エリートたちで、だいたい3か国語を話せて

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入社前研修の全体像とスケジュール

配属辞令。大げさながら全員に紙が渡される。

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jaikel2013/02/25 13:28

人は成功するとどうして他人を完全なコントロール下に置きたくなるのかね。

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jt_noSke2013/02/25 12:22

ふーむ

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読者コメント

編集部2013/03/04 15:39会員
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