日本コカ・コーラ「トクホウ」ジンジャーエール問題からわかった「トクホもどき作り放題」の実態
CMでの「トクホウ」連呼が問題とされた日本コカ・コーラ社の『カナダドライ ジンジャーエール FIBER8000』。CMは中止されたが販売は継続中。 |
- Digest
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- 「トクホウ」連呼でトクホと誤認させるジンジャーエール
- 行政指導報道前にCMが終了していたのはなぜか?
- 消費者庁は改善をお願いしかできないのか
- 広告を規制から外している食品衛生法規則
- 健康増進法違反は一度も実施されていない
- トクホもどき商品作り放題
「トクホウ」連呼でトクホと誤認させるジンジャーエール
ゴールデンウイーク直前のころ、テレビのCMを見て驚いた。『メッツコーラ』や『ペプシスペシャル』といったトクホ(特定保健用食品)系コーラをからかうようなCMを日本コカ・コーラ社が始めたからだ。
「カナダドライ ジンジャーエール FIBER8000」という商品で、CMでは「トクホウ、トクホウ」と連呼して、明らかにトクホを意識したCMである。
脂肪の吸収を抑える効果があるとされるトクホ系コーラの有効成分である難消化性デキストリンを、1.6倍(トクホでは1本5gのところを8g)入れている。しかし「特定保健用食品(トクホ)ではありません」という但し書きがついているので、消費者にトクホと誤認させようという意図はない、という言い訳はできる。
トクホと誤認させるというよりも、トクホをからかっているようなCMだな、という印象を受ける。
消費者庁がどう対応するのかと思っていたら、結局5月15日に「トクホウ」というCMでの表現が「トクホ」と誤認させる、ということを理由に、CMの改善を行政指導したというNHKニュースが流れた。
報道によれば日本コカ・コーラ社はすでに5月7日にはCMを終了していたというが、商品はそのまま今でも販売され続けている。消費者庁と日本コカ・コーラ社の間では、どのようなやり取りがあったのか?
行政指導報道前にCMが終了していたのはなぜか?
時系列をさかのぼるが、実はこの件については週刊ダイヤモンドが5月7日の記事の中で、日本コカ・コーラ社が「宣伝方法については事前に消費者庁に相談して確認を取っている」とコメントしていた。本当に事前に消費者庁がCMを許可していたのならば、責任を問われるのは消費者庁ということになる。
そこで著者は、5月9日に消費者庁に事実確認を行なった。結論から言えば、NHKも週刊ダイヤモンドも誤報であることが分かった。
対応してくれたのは食品表示課のマツバラさんという方だ。
--週刊ダイヤモンドの記事に書いてあるように事前に日本コカ・コーラ社から相談があったんですか?マツバラさん「今その記事を初めて見て驚いているんですが、日本コカ・コーラ社からは、そういった問い合わせは受けておりません」
--日本コカ・コーラ社がウソをついているということですね。
「それは日本コカ・コーラ社の方へ問い合わせてください」
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食費衛生法でも表示に関する規則では効能表示を禁止しているが、広告は対象外。
健康増進法では虚偽・誇大表示・広告の禁止があるが、消費者庁は一度も使ったことがない
2013年1月に消費者委員会が出した健康食品の表示についての建議。消費者庁は7月までに対応を報告しなければならない。
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そもそもトクホがry
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読者コメント
消費者庁は福田康夫元総理が創設にこぎつけた組織。福田康夫内閣の実績作りでしょう。
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