サントリーペプシも発がんトクホコーラに 米ペプシコは製法改善も、利害関係者名すら伏字で密室許可
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11月13日発売予定のサントリーのペプシスペシャル。サントリーホームページのニュースリリースより。 |
- Digest
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- トクホのペプシ発表 発がん物質対策はどうなったか?
- トクホ許可を審査した議事録は伏字だらけ
- 発がん物質の含有量は不問に?
- 脂肪の多い食事を助長する表示もそのまま承認
- 申請メーカーと利害関係のある委員名も伏字
トクホのペプシ発表 発がん物質対策はどうなったか?
サントリーが、ペプシコーラのトクホ「ペプシスペシャル」を11月13日から発売すると発表した。(→広告はこちら)
記者発表資料によれば、有効成分も効能もキリンのメッツコーラとまったく同じ。「難消化性デキストリン(食物繊維)の働きにより、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させ、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにするコーラ飲料」とある。
これでトクホとして認められたコーラは2件目。ただ、コーラについては添加物のカラメル色素に含まれる発がん物質「4-メチルイミダゾール」の問題がある。
この件については本サイトで2回にわたり報道している。
■キリンメッツコーラは発がん物質入り 「発ガンコーラ」はトクホにふさわしくない■メッツ“発ガン”コーラ、日本では甘い基準で野放し 発がん物質許容量は評価機関により200倍もの差
ネットでは「1日16リットル飲み続けなければ安全」というキリンの報道発表をうのみにして、この警告記事を煽り記事だと批判する意見も見受けられるが、2番目の記事に詳しく書いたように、これは発がん物質の評価法をめぐる専門機関でも意見が分かれている。
カリフォルニア州の基準は、アメリカ環境保護庁(EPA)の発がん物質評価ガイドラインに基づいて科学的に不確実な部分を安全側に立って評価した値。カリフォルニア州だけでしか規制していないからといって非科学的なもの、というわけではない。
キリンが安全性の根拠とするEUの欧州食品安全機関の評価書の中でも、予防的には技術的に可能な限りできるだけ減らすことが賢明だ、と勧告されている。
現にアメリカではペプシコーラのメーカーであるペプシコ社は、「4―メチルイミダゾール」の含有量を減らすため製法を改善した、と発表している。
日本のペプシも、せめてトクホの商品だけでも、発がん物質削減のための製法改善を行ってもいいのではないか。サントリーお客様センターに問い合わせたところ、13日の発売前に成分の詳細な情報はお教えできない、と回答拒否。
それでは、ということで、このペプシスペシャルを審議した議事録をチェックした。現在、トクホの許可は消費者庁の管轄だ。このペプシスペシャルについては、11月5日にトクホの許可を発表している。
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図1ペプシスペシャルのトクホの許可を認めた消費者委員会・新開発食品調査部会の2012年8月28日の答申![]() |
実際の審議は、内閣府内に作られた消費者行政全体を監視する役割の消費者委員会の下の、「新開発食品調査部会」で行われており、その部会は8月28日の段階で許可して差し支えない、という答申を出している。(図1)
この答申をみると7月9日の部会で審議をして結論を出したと書いてあるので、その議事録をあたった。
トクホ許可を審査した議事録は伏字だらけ
しかし、その議事録をみて、驚いた
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図2伏字だらけにになったペプシスペシャルの議事録。過去のメッツコーラの議事録との比較。
図3利益相反のある委員の名前も伏字。2012年7月9日の第9回消費者委員会新開発食品調査部会(9回)より
図4厚生労働省の医薬品審査に関する薬事分科会の審議参加規程。利益相反のある委員の情報公開が決められている。(赤枠筆者)
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