東京電力現役社員が語る 「今は全然ホワイトじゃない」実情
取材に答える東電アラフォー社員 ※取材源秘匿のため、色調を変換しています |
- Digest
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- 貰えるだけ有難い…
- 子供には勧められない
- 会社が家賃の7割を出してくれる
- 眠りそうになるほどのノンビリさ
- 宿直勤務は24時間拘束
- 受け身の営業、ノルマもなく
- どんどん辞める若手、辞められないアラフォー以上
- フクシマの町道草刈りがメイン業務の社員も
- 今は全然ホワイトじゃない
貰えるだけ有難い…
待遇面での変化というと、報道されている通りで、「年収ベースで事故前と比べて2割カット」の状態が続いています。(※管理職以上は3割カット)
2011年3月の事故の後、前年まで4~5か月分出ていたボーナスが、2011年は半分だけでて、2012年からはゼロとなり、ずっと出ていません。会社に残っている人は、私を含め、給料を貰えるだけ有難い、と思っている人が多いはずです。
ボーナスがゼロになった2012年は、会社が50~100万円の特別融資を行いました。ボーナス払いでローンを組んでいる人が多いからです。返済期間を延ばしたり、借り換えをした社員も多いそうです。
でも、給料が減ったとはいえ、自分の場合は、自宅を買おうと思っていたスケジュールが先延ばしになって、買うマンションのグレードを4千万円から3千万円に下げようか、といった程度です。
東電のキャリアパスと報酬水準 |
2013年度に人事処遇制度を刷新、と報道されましたが、これは要するに、「1級→チームリーダー」などと、呼び名が変わっただけ。
具体的には、呼び名を変えたうえで、「年俸制」という名のもと、ボーナス制度をなくし、年収を事故前より2割カットしたうえで12で割った金額が、月々支払われるようになりました。
年俸制だからといって残業代がないわけではなく、ちゃんと支払われます。簡単にいうと、ボーナス分が丸々なくなって、月々の給料は、事故前とあまり変わっていない、という感覚です。
40歳前後総合職の給与明細。2013年に年俸制に変更。わざわざ赤字で「年俸」分とそれ以外を分けて明記し、年俸制を強調。 |
サラリーだけを見たら、世間的に言えば低くはないのでしょうが、高いとは思っていません。ボーナスがなくなったため、単純にサラリーを12倍したものが年収、ということです。私はまだ管理職クラスではなく、旧2級というランクになります。
子供には勧められない
事故当時の清水正孝社長も、父親が東電マンで、親子や縁戚同士で東電社員、という人はけっこういるのですが、自分の子供には、入社を勧めませんね。
もう自分はいいのですが、今の社内外の状況を見ると、
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「転勤が関東地方内」というのに惹かれて入社
名刺力はガタ落ちに
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読者コメント
転職先の企業も東電を辞めた人間を雇おうとすること自体も恥ずかしいこととして認識されなければいけないのでは。
事故があったのですぐ転職します、また転職先でのうのうと暮らします、という(もともと東電に就職するぐらいのうのうとしている)人間を雇おうとしている企業を公表するぐらいした方が良い。
平均年齢が2.2歳上がっているのに、平均年収が2割
下がっているのであれば、同年齢では2割以上の減収
ということになる。
「事故前に年100人程度だった自主退職者数は、平成23年度465人、24年度712人、25年度は4月から12月末までに315人。深刻なのは、その7割が20~30代の若手で、4割が経営幹部候補や原子力技術者などの中核社員であること」(2014.3.11産経ニュースより)
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