三菱UFJモルガン・スタンレー証券 営業職が退職拒否で佐川の倉庫に“島流し”、段ボール仕分けで絶望の日々
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三菱UFJモルガン・スタンレー証券社長の豊泉俊郎氏(在任期間は2011年4月28日以降) |
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「四の五の言っていると倉庫に異動させる」人事部長
訴状や証拠類によると、原告の岸辺翔平氏(現50代前半、仮名)は、80年代後半に都内の私大を卒業後、山一証券に入社。その後、個人相手の営業を担当し、リテール部門の優績営業部員として社長表彰を受け、法人課へ異動後は、全国で新規開拓件数一位を獲得するなどで、再度、社長表彰を受けた。
98年の山一破たん後は、中国地方の地銀、証券取引所の社員を経て、01年から三菱UFJキャピタルに入社し、大阪事業投資部次長として西日本エリアの企業の投資、経営指導などを担当。
04年には三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社。翌05年から三菱東京UFJ銀行の法人業務部等に出向し、07年に出向から戻り、大阪支店の投資顧問部営業課の部長代理、大阪投資アドバイザリー課などを経て、10年からコンタクトセンター大阪営業課に配属された。
岸辺氏は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の部署異動時に、送迎会で贈る色紙に、同僚たちが温かい言葉をつづったことなどから、この職場の雰囲気が大好きになったという。
このようにいつになく愛着を感じた職場にもかかわず、11年1月7日、悲劇が起きた。この日の朝、岸辺氏は人事部に呼び出され、8時40分から大阪支店2階の面談室で人事部副参事の富久尾浩之氏(実名)と40~50分面談した。
この時、富久尾氏は、「ニューキャリア特別支援プログラム」に応募しなければ、10月に職級を降格し、賃金を減額し、強制的に軽微な事務の職種に変更します、大事なお子さんを大学に行かせるお金の余裕がなくなる、子どもに会社を辞めると説得するのは、あなたの親としての責任です、あなたの上司の課長、部長がいくら良い評価をつけても、中島副社長(※当時の中島秀之副社長、実名)、業務本部、営業本部が決める主観的な相対評価で低く評価されます、という趣旨のことを言って不安をあおり、ニューキャリア特別支援プログラムに応募するよう迫ったという。
しかし、岸辺氏は、退職はしません、と回答した。
11年2月15日、富久尾氏から電話があり、「今回の人事異動で、東京で倉庫整理を行う保管統括部への異動があるが、その仕事が嫌で会社を辞める人が出てきている。欠員が出たので、岸辺さんが保管統括部へ異動する可能性が非常に高くなりました。行きたくないなら、辞めると決断して下さい」と迫った。
岸辺氏は「何度言われても、この会社が好きなので辞めません」と言った。
そして翌日2月16日、大阪支店7階面談室で、二度目の面談が行われた。出席したのは岸辺氏と、人事部の堀江副参事、尾高部長(ともに実名)だった。このときの音源が、証拠として残っている。それによると尾高部長は、こう述べていた。
「『辞めません』と言った人たちが、もう、どんどん異動になってきているのは、『総務の保管統括室(に異動させる人員)が今、50名
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三菱UFJモルガン・スタンレー証券本社(東京都文京区目白台3-29-20)
勤務地の品川倉庫は、佐川急便グループの佐川グローバルロジスティクスという物流倉庫会社の一室を借りているデータ保管会社ワンビシアーカイブス関東第4センターにある
有楽町線護国寺駅
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読者コメント
>>通行人さま
そもそも金融業なんて実態はヤクザと似てますから。お察しを。
どうしても当該社員を解雇するのであれば、解雇の事由が会社業績の著しい悪化に伴うものなのか、それとも当該社員の著しい業務遂行能力の欠如によるものなのか、客観的かつ合理的の事由がなければならない。
そのあたりの部分を会社側は当該社員に対し、キチンと提示した上で退職を勧奨したのかどうか。
仕事があるだけマシのようにも思える。何もかも取り上げ椅子に座っているだけとかよりマシのように思える。何より転職できるように普段から準備しておくしかないだろう。
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