東急電鉄 元社員が語るイジメ&暴力体質――先輩らが新人に殴る蹴るの暴行、頭に雑巾、顔面に箸投げつけ…半年で4割が休職、離職
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東急電鉄の正社員採用(いわゆる現業職)に応募し、既卒枠で入社したA氏(20代後半、男性)。研修中、年下の先輩たちから殴る蹴るの暴行を受け、東急田園都市線の急行が停まる某駅に配属後は、さらにひどい暴力を受け続け、本社に相談しても埒があかなかった、と訴える。 |
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- 会社説明会と言っておきながら、いきなり試験…
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会社説明会と言っておきながら、いきなり試験…
都内在住のA氏(20代後半、男性)は、転職活動中の13年7月、東急電鉄(東京急行電鉄)が既卒者を対象とした正社員の駅員採用試験を実施していることを知り、応募した。
「入ってからわかったのですが、ちょうど東急電鉄は、このとき実に7年ぶりに既卒採用をしていました。
応募方法は、まず、ウェブで履歴書を送ります。これはウェブ上の入力欄に記載していくもので、卒業証明書だけはスキャナーで添付して送りました。
のちに知ったのですが、このとき募集した人数は、2万6千人にも上っていたとのことです」(A氏)
履歴書を送ったあとは、書類選考を経て、東急からメールがきた。13年7月15日の日中に「会社説明会」があるので来て下さい、場所は東急東横線・目黒線の「元住吉駅」の車両基地の横にある「東急教習所」です、という内容だった。
当日、現地へむかったA氏は、東急電鉄の体質を垣間見るのだった。会社説明会の様子を、A氏は次のように語る。
「会場に行くと、約6千人の書類選考合格者がいて、一つの部屋に400人位、計15室に分けられました。
そこから、おかしなことが始まったんです。会社説明会といいながら、突然、東急の社員がテスト用紙を配付して、『これから試験をします。鉛筆、消しゴムを持っていない人には渡すので、言って下さい。試験科目は、内田クレペリン検査(ランダムに数字が並び、対になっている数字を足し合わせていくテスト)と、数学と、国語の3科目です。試験時間は1科目1時間で、計3時間。説明や休み時間を入れると4、5時間かかります』という意味のことを言い出したのです。
来た人はみんな『えー!?』となっていました。
ただ、周りの人たちは、入りたい一心で来ているので文句は言いませんでしたが、事前の連絡では、拘束時間も書いていませんでしたから、やむを得ず一名の参加者が『今日は説明会としか聞いておらず、5時間も拘束されるとは思っていなかったので、別の日にしていただけませんか?』と聞いていました。
すると試験官は『今日しかないので、今日居られない人は、ご縁がなかったということで、お引き取り下さい』と冷たい態度で言い放ちました。
それと、この日は、入口で履歴書を集めていたのですが、試験を受けずに帰る人が、『履歴書は返してほしい』と言っているのに、東急電鉄側が『返せない』といって揉めていました。
この時点で私は、この会社どうなのかな?と不信感を抱いたのですが、試験官だから、ことさら厳しくしているのだ、と思い直しました。
試験のなかでは、特に数学が難しく感じました。駅員とは全然関係のない図形問題や、『一両当たり何トンの重さの10両編成の電車が、乗客何人を乗せて走っているとき、急ブレーキをかけて止まるのに150mかかった。では、乗客が200人減ったときに、何メートルかかるか』といった問題が出ました。国語は現代文の長文読解でした。
終わったあと試験官は『今日はお疲れさまでした、合格者のみに1週間後に連絡します。合格者は1週間後にまた来てもらうことになります』と説明していました」(A氏)
1週間後、A氏のもとに東急電鉄からメールで連絡が来た。そのメールには、二次試験の面接の日程が10日間、それぞれ時間帯が3つほど提示されていて、そのなかから選ぶように書いてあった。各面接の定員は12人、1日3回程度、10日間やっていたので、計360人位が一次面接を通過したことになる。
「面接の日程調整はウェブページからの登録だったのですが、私に連絡がきたときには、すでに半分ほど日にちが埋まっていました。私はほかの用事との兼ね合いで3個くらいしか選べず、結局、メールが来てからわずか2、3日後の朝9時に行くことが決まりました。
二次試験の場所は、東急運輸指令所のあるビルでした。ここは東急全線の心臓部ともいえる中央コントロール室があるところです。ここのビル内には会議室もあり、そこで面接がありました。
面接官は人事部長と、どこかの駅の駅長、東急教習所の所長の3人でした。3人はそれぞれ、志望理由や、なんで東急電鉄に入りたいのか、あなたの持っている力量でどういったことで東急電鉄に貢献できるか、体力に自信はあるか、といったことを聞いてきました。
面接は30分くらいで終わり、『合格者には最終面接の日程を2、3日後に必ず返事します』と言われました。
3日後、東急電鉄からメールで返事が来ました。最終面接を元住吉で行います、とあり、日程の候補が3日間ほど提示されていました。定員は各5人、3日間、時間帯は各3つ程度なので、最終面接を受けたのは、計約45人ということになります。
私は7月31日の9時に現地に行きました。
最終面接は、鉄道事業本部長、人事部長、副社長、運輸営業部の総合職の4人でした。副社長は見ているだけで、一番質問をしていたのは、鉄道事業本部長でした。質問の内容は、『人生で一番困ったことは何か』『年下の社員に怒鳴られても忍耐的に大丈夫か?どう頑張れるか?』『年下の先輩とどういう風に仲良くするか?』など。
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上は研修で使ったロールプレイングの台本。下は宿泊研修のスケジュール表。最終日の「ロープレ発表会」には東急電鉄の野本弘文社長や阪急電鉄の人事部が出席した。下は東急電鉄駅員の役職の表と社長![]() |
あとあと考えると、東急に入ってから困ったことばかり聞いてきたわけですが、このときの私は入りたい一心だったので、『ものを教わる人に、年齢は関係ないと思っているので、教わる人には感謝したいと思います』と答えました。
面接後に、『合格者には8月6日の午前中に電話で連絡します』と説明がありました。
面接の感触は半々でした。なぜなら、同じ時間帯に私を入れて3人が最終面接を受けていたのですが、そのうちの一人が、茶髪で、ピアスの穴が耳に大きく開いている男だったので、一体どういう選考基準なのかわからなくなり、面接の感触には自信もあった半面、ここの会社では普通のこと言ったら落とされるのではないか、私は普通のことしか言わなかったのでダメなのではないか、という気持ちになったのです」(A氏)
そして、13年8月6日の午前、電話に張り付いていたA氏のもとに、合格の一報が入った。
「このときは、うれしかったですね」とA氏は述懐する。しかし、そこから悲劇が始まるのであった。
研修で23歳の教官が殴る蹴る、罵倒…それを見た社長は笑顔
8月25日、A氏ら新入社員は元住吉の教習所に召集された。そこで初めて同期が顔を合わせた。このとき、教官と呼ばれる45歳の東急電鉄社員の男性が教壇に立った。A氏が本格的に「東急はおかしいな」と思ったのはこの時からだった。
「その教官は、いきなり、『てめぇら、受かったからには面倒見てやるけど、ちゃんとやらない奴はただじゃおかねえからな』と言い出したんです。
そして、
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シフト表。一番下っ端のA氏はC1~C4/5を担当した。そこには「旅客トイレ(清掃)」「雑務(夕食)」「寝室(清掃)シーツ敷き」といった項目もある
就業規則抜粋。赤丸箇所にあるように夜勤の駅員の睡眠時間は「5時間30分」と明記しているが、実際は雑務や先輩の説教、いじめで睡眠時間ゼロの日が続いた
東急電鉄では、タイムカードの類はなく、出勤退勤時刻を乗務員手帳で手書きして点呼をとる。上は点呼時の姿勢。下は手帳(原寸大)。シフト上は9時半退勤だが、12時40分、10時45分と記載されている
給与明細。ほかに、ボーナスが6月と12月に1回40万円ずつ出る。
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ふうむ
利用者として社員の改善を求む!! こういう労務管理で利用者に快適に利用して貰えるわけがない。接客には体質が現れるからだ。
日本で凶悪犯罪が少ない、というのは実は大嘘で、巧妙に隠蔽されてるだけなんじゃないかとすら思う。
汗かけ、恥かけ、涙を流せってどこのブラック企業だよ・・・接客が接遇に変わったら、最終形態だと私は思う。
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読者コメント
東京のタクシー会社日本交通ももと東急系のせいか内勤の連中の態度がおかしい。さらに金に汚い。
他の主要電鉄会社は東急に比べてどうなのでしょうか?社員のかた、情報提供お願いします。
https://www.mynewsjapan.com/news_providers/add/
東急セキュリティは やりたい放題 私と同じパターンですね。本社に連絡してもダメ 組合に連絡してもダメ
本当に 渋谷都市開発 オリンピック大丈夫。
東急電鉄の社員関係者のかた、関連情報を募集しています→情報提供はこちら
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