アドビ ナンバー2がロックアウト解雇され提訴、浮き彫りになった殿様商売「ぬるま湯」体質
![]() |
アドビシステムズ代表取締役社長クレイグ・ティーゲル氏。アドビの日本法人社長という自分の地位を脅かす『デキるNo.2』を強引にロックアウトして放逐した、として裁判に。 |
- Digest
-
- IBM在籍中にスカウトメール
- アドビでの年収、退職条件
- 全世界で歴代400人のアドビ・プラチナムクラブに入会
- いきなりロックアウト解雇→地位確認求め提訴
- 会社側の主張
- 被告主張の腑に落ちない点、アドビは無回答
IBM在籍中にスカウトメール
まず、原告の主張からみてみよう。訴状や準備書面によれば、原告の訴えは以下の通り。原告のダニエル・ルイス氏(現44歳、仮名)は、日本国内で統計を中心としたIT会社「SPSS Japan」の社長をしていたが、09年にIBMに買収されたため、IBM SPSS事業部門の最高責任者として勤務するようになった。
それから約2年後の11年5月19日、転機が訪れた。この日、ダニエル氏のメールボックスに、アドビシステムズ米国本社アジア地区人材獲得担当ディレクターなる者から、勧誘メールが来たのだ。
メールの内容は以下のものだった。
「直接ご連絡をとる失礼をお許し下さい。あなたのプロフィールをLinkedin(米国のSNS)で拝見し、あなたも興味を持たれるのではないかと思われる事項について、内密にお話できればと思っています。お電話で、これ以上の内容をお話できるようでしたら、ぜひご連絡下さい」
その後、ダニエル氏は連絡をとり、面談した。このとき繰り返しアドビシステムズから言われたのは、日本オフィスのアドビシステムズ(本社東京都品川区)の社長クレイグ・ティーゲル氏を、本社はそろそろ引退させる予定なので、後継者を探しており、メールを送った、あなたの他にも多数に同様のメール送っており、結果は選考次第、ということだった。ティーゲル社長をなぜ引退させようとしているかは言及していなかったという。
その後、ダニエル氏は、アドビシステムズ本社の幹部たちとの面接を求められ、最終的に、ダニエル氏が選抜された。理由は、経営者としての遜色ない経歴と、日本語、日本的心情に通じているからではないか、とダニエル氏は考えている。なにしろダニエル氏は、英語を母国語としながらも、大阪弁による日本語を理解する能力があり、日本人の人情の機微にも通じているという、異色の存在なのだった。
アドビでの年収、退職条件
こうして11年12月1日、ダニエル氏はアドビシステムズに入社した。
待遇は、住宅手当だけで年間850万円、年俸は
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り4,658字/全文5,610字
アドビシステムズ米国本社社長兼CEOのシャンタヌ・ナラヤン氏(同社HPより)。原告によると米国本社は日本オフィス社長の生殺与奪権を握っているため、米国本社に顔を向けて経営している
アドビシステムズ本社の入るゲートシティ大崎イーストタワー(東京都品川区大崎1-11-2、同HPより)
11年発売のアドビソフトが一式揃った「AdobeCS5.5MasterCollection」は397,950円もした。12年からは廉価なソフトを出す競合他社の影響などにより、CreativeCloudと称し、アドビ製品が月額で使用できるようになったが、長年の殿様商売による「ぬるま湯体質」は続いている
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
名ばかりNo.2やな。実質トップ以外は奴隷だ。その奴隷のランクがあるだけ。
記者からの追加情報
会員登録をご希望の方はここでご登録下さい
新着のお知らせをメールで受けたい方はここでご登録下さい(無料)
企画「ココで働け! “企業ミシュラン”」トップページへ
本企画趣旨に賛同いただき、取材協力いただけるかたは、info@mynewsjapan.comまでご連絡下さい。会員ID(1年分)進呈します。