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シンガポール航空現役CAに聞く「5年契約」「8千人を順位付け」「無料チケット」…仕事・生活・給料事情

情報提供
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シンガポール航空の制服を着たWさん(左、Wさん提供)。シンガポールには2年以上住んでいる。
 マラッカ海峡に位置し、昔から交易上、重要な場所だったシンガポール。現在も金融や医薬・バイオなど外資系企業が集まり、アジアの中心として、グローバル企業のアジア拠点が置かれ、優秀な人材が赴任してくると言われる。アジアの中では物価も給与水準も高めだ。共通言語は、なまりや独特の言い回しがある通称「シングリッシュ」。シンガポールといえば、世界のエアラインランキングで軒並み1位の常連となっている、シンガポール航空が本社を構える。利用者からの評価も高いが、同社は給与水準も高めで就職先としての人気も高い。そんな難関を突破した20代半ばの日本人女性CAに、現地での生活環境や仕事事情、人事評価や給与事情などについて、話を聞いた。シンガポール航空は、クルー8千人のうち日本人のCAは約150人。契約期間は5年で、国籍を問わずその8千人が年に1回、社内でランキングされ、本人にもその順位が伝えられるという厳しい世界だった。
Digest
  • アジアの中で物価は高いが、タクシーや食事は抑えられる
  • エリートが集って働く重要な国
  • 夜も安全で活気がある
  • 家賃が高いシンガポールの住宅事情とシェアハウス生活
  • シンガポール特有の英語「シングリッシュ」
  • 日本のマナーとサービスは世界で通じる武器
  • 日本語のフリーペーパー掲載の求人を紹介
  • 1人当たりの国民所得はアジア1位で、給与も高水準

アジアの中で物価は高いが、タクシーや食事は抑えられる

マレー半島の最南端から、橋を渡って、シンガポールに入国した。

マレーシアのジョホールバルからバスで1時間弱、5マレーシア・リンギット(約160円)でシンガポールの街中まで辿り着く。ショッピングモールの中にある両替所で、US100$を123シンガポール$に両替して(1シンガポール$=約80円)、MRTという電車のチケットを買った。目的地の「シティーセンター」まで、2.6$(約210円)。

日本よりも治安がよいことで有名なシンガポールは、アジアの中でも日本と並び、インフラが整い、便利で、物価も他のアジア諸国と比べて高い。そして東南アジアビジネスの中心となる金融国家でもある。法人税率が低いなどといった理由で、外資系企業が進出しやすく、多くの日本企業も進出している。その為、在留日本人移住者も多く、約2万7千人と言われる。

東南アジア諸国の中では物価が高いシンガポールだが、そうは言っても日本よりは安いものも多い。特にタクシーは日本より安い為、タクシーを使用する日本人が多いと言う。食事は「ホーカー」と呼ばれている屋台で食べると、かなり安い。しかし日本食レストランや観光客向けのレストランだと、日本並みか、それ以上かかるくらいだ。

つまり安いものから高いものまで選択できる、値段の幅がある。贅沢品に税金が加算される国なので、嗜好品が高いのが特徴。ビールは日本とほぼ同じか、若干高めとなっている。僕が夜に行った居酒屋で頼んだメニューを見れば、それが分かる。

・ヨナヨナビール缶 14$(1120円)
・サッポロ・プレミアム缶 9$(720円)
・サントリープレミアモルツ 13$(1000円)
・酎ハイロック 4$(320円)
・胡麻和え 6$(480円)
・とり南蛮漬け 7$(560円) 
・おにぎり1個 4$(320円)
・カキフライ 8$(640円)

以上、合計で税金も含め、5000円以上となった。このように、日本食を食べれば日本並みの値段がするのが、シンガポールである。

エリートが集って働く重要な国

上のメニューを頼んだのはシンガポールの中心街にある「どすこい」という居酒屋。地下にある店内は、まだ6時過ぎだったが、既にカウンターには2人別々のお客さんが座っていた。金曜日という事もあるのだろうが、カウンター10席と6人掛けテーブル2つは、20時で満席になった。全て日本人客である。

店の従業員は、3人とも日本人。ご夫婦で働いているという後藤さんに聞くと、ワーキングビザを取得していると言う。後藤さんは以前、2年間ほど駐在でシンガポールで働いていたが、駐在期間が切れ、日本に帰った。しかし「やはりシンガポールがいい。活気がある」との理由で戻って、この居酒屋で働いているそうだ。

隣に座っていたサラリーマンらしき2人組も、話に加わって来た。彼らが言うには、

「シンガポールはマラッカ海峡の玄関口となる為、昔から交易上、重要な場所だったんです。もちろん今も金融サービスを中心に、バイオメディカルや医療などの研究開発など、外資系企業が集う国際都市シンガポールは経済的にも重要な位置づけであり、仕事のできる人を派遣する企業が多いんですよ。つまり、タイやカンボジアなどアジア諸国と比べると、エリートが集まって働く国なんです」

まるで自分達がエリートだと言っているようだ。シンガポールという名の由来についても語りだした。「サンスクリット語で『ライオンの町』を意味するシンガプーラという名称が定着して、百獣の王の街としてイギリスの植民地になった後に、現在の『Singpore』になったんです。だから水を吐いているライオンがシンガポールのシンボルなんですよ」。妙に納得してしまった。

夜も安全で活気がある

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BUGIS駅近くのメイン通りから1本裏道に入ると、原宿のようにオシャレな店が並び観光客が写真を撮っていた。夜には飲食店が外にテーブルを出して、多くの人々で賑わっていた。

夜10時過ぎに居酒屋を出たが、多くの人で、街がにぎわっている。女性も夏服で歩いているし、オープエアのカウンター式バーで飲んでいる人は陽気に声を上げている。確かに居酒屋従業員の吉田さんが言っていた通り、夜の街にも活気がある。地下鉄を乗り換えて、宿のあるBUGIS駅まで帰ったが、女性も含めて多くの人が電車を利用しており、安心・安全そうである。

駅からの途中の細い裏道にも、道沿いにテーブルを出した店で酒を飲む多くの若者で賑わっている。そんな店の1つで、ワールドカップを放映していたので、コーラを飲みながら観戦した。こういった店では世界的に流行っている「シーシャ」という水タバコを店が提供していて、仲間でふかしてる若者が多い。シンガポールでは昼間もそうだが、規律が厳しいとされつつも、タバコについては、路上で吸っている人も多いことが、意外だった。

 日本はアベノミクスで景気が上向きつつあるとは言われているものの、依然として賃金はアップしていない。それに比べて、東南アジア諸国は今も経済成長が著しく、街中が活気にあふれている。現地で働く日本人に話を聞いていると、そのエネルギーに魅せられた、という人も多い。

 

シンガポールで働く人に理由を聞くと、英語が公用語で、法制度が明快、そして税金が低い、という。外国人労働者が増え、さまざまなルールが国際化されたことで外国人にとって住みやすく、働きやすい環境になっている面もあるという。経済水準が高く治安が良いというのは、海外生活に不安を抱えている人にとっては安心で、確かに働きやすい国のようだ。

実際にシンガポールに住む20代半ばの日本人女性に、現地での仕事や生活について、詳しく話を聞いたので、以下にお伝えしよう

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シンガポールは家賃が高く、コンドミニアムやアパートをシェアするルームシェアが多い。

現地の日本語フリーペーパーには見開きで求人と求職の情報が掲載されていた。

シンガポールの日本語フリーペーパーAsiaX

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