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恐ろしすぎる日本の裁判――交通違反偽装&公務執行妨害ねつ造で19日間拘束、被害者が築地署長ら6名を刑事告訴

情報提供
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事件当日の写真撮影報告書。二本松氏を逮捕した直前に高槗巡査は、左手首を掲げて周囲の見物人たちに暴行されているとアピールしていたが、なんと右手首を負傷したことになっていた。
 07年10月、築地市場で仕入れ後に帰宅しようとした寿司店経営の二本松進氏の車の右前に立っていた築地警察署の高槗真知子巡査(当時)は、二本松氏が「発車しますのでちょっと退いてくれませんか」との依頼に対し、「法定禁止エリアだ」と述べ、「まず謝れ」と言わんばかりに発車を阻止した。取り締りかと誤解して、「出ようとしている車を即取り締るのはおかしくない?」と抗議した二本松氏に対し、高槗巡査と同僚の渡邊すみ子巡査部長は、切符ケースを突き付け、免許証提示を求め、二本松氏をガードレールに押し付けるような形になった。口論の末、「暴行を受けている」と築地署に虚偽通報し、駆け付けた警察官に二本松氏を問答無用で逮捕させてしまった。勾留中、「公務執行妨害・傷害の現行犯」という全く身に覚えのない罪名を知り、19日間も拘束された(不起訴処分)。不当逮捕に対し、国賠訴訟を起こしたが、裁判所は目撃者の証人尋問すら行わない。被害者は8月25日、ついに築地署の櫻榮茂樹署長ら6名を東京地検に刑事告訴した。(告訴状と裁判官忌避申立書は記事末尾でダウンロード可)
Digest
  • 虚偽告訴罪・特別公務員職権濫用罪・虚偽公文書作成罪・偽造公文書行使罪
  • 事件はこうしてつくられた
  • 運転者でない二本松氏に「免許証出せ!」
  • 「乗車して逃走しようとした」とでっち上げ
  • 100%警察・検察サイドにたつ裁判長
  • 捜査記録など重要証拠類は隠蔽されたまま
  • 原告と180度違う警察官の法廷証言
  • 法廷証言も聞かず裁判記録の検討も実際にはせず

虚偽告訴罪・特別公務員職権濫用罪・虚偽公文書作成罪・偽造公文書行使罪

二本松氏は都(警視庁)と国(法務省)を相手取り国賠訴訟を09 年10月に提起した。13年末にようやく二人の警官と二本松夫妻の証人尋問が行なわれ、両者の主張が真っ向から対立した。原告側は目撃者4人を含む10名の証人尋問申請を行なったが、証人尋問も直接行なっていない新任の松村徹裁判長は今年7月4日、申請を却下した。不当判決必至と判断した原告は7月7日、裁判長を含む3名の裁判官の忌避申立てるも、却下。8月25日、ついに築地署の櫻榮茂樹署長ら6名を東京地検に告訴した。

実際に起きた“事件”は極めてシンプルである。放置車両あふれる朝の築地市場前で路上停車(約20秒)をめぐって、交通パトロールの巡査と仕入れを終え市場を離れるため助手席に乗ろうとした二本松氏が言い争いになった。それだけだ。

ところが、興奮した巡査が「暴行を受けている」と虚偽通報して二本松氏を「公務執行妨害・傷害」で逮捕させてしまった。

今年8月末に二本松氏が刑事告訴に踏み切ったのは、築地署長ら6名の警察官としての虚偽公文書作成・行使等は明らかに不正であり、以前からその準備はしていたが、後述する国家賠償請求の裁判で、証拠に基づく公正な審理と判決は望めない状況になってきたからである。

ここではまず、告訴の内容に簡単に触れ、その後で「絶望の裁判所」の実態を報告する。

告訴状のポイントは次のとおり。

まず、二本松氏が公務執行妨害罪を犯した事実がないのに「暴行を受けています」と高槗巡査が虚偽告訴をしたことは、虚偽告訴罪(刑法第172条)に当たる。

さらに虚偽通報を受けて駆け付けた警察官に問答無用に後ろ手に手錠をはめてパトカーに押し込めさせたことは特別公務員職権濫用罪(刑法第194条)に当たる。

二本松氏を逮捕した築地署の警察官らは、暴行行為がなかったことを現行犯逮捕後の初期捜査や実況見分で認識をしていたにもかかわらず、内容虚偽の実況見分調書、被害状況写真報告書、現行犯逮捕手続書、巡回パトロールの高槗巡査と渡邊巡査部長の供述調書等を作成して検察庁に送致したことは、虚偽公文書作成罪(刑法第156条)・偽造公文書行使罪(刑法第158条)に当たる。

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東京地検に提出した告訴状。二本松氏が暴行していないと認識していながら検察庁に送る書類を偽造し、特別公務員職権乱用罪も犯している、などを追及している。

以上が告訴状の概要である。とくに取り調べ官たちが「暴行行為がなかったことを認識」していたと示す根拠としているのは、虚偽文書の矛盾、変遷、非合理性によると主張している。

それに加えて逮捕当日に二本松氏が聞いた捜査員の言葉だという。二本松氏と警察官が病院にいって持病の薬を処方してもらい築地署に戻り、留置場に入れられる際の中島警部補の言葉である。

「『警察官といっても50過ぎの独身女なのだから。ごめんなさいと、よいしょしていればヒステリーなど起こさなかったのに。あなた60にもなってその辺をもう少しね』『俺たちだって彼女みたいな婦警に遭ったらかなわないよ』などと述べた」(告訴状より)

この言葉を聞いた瞬間、二本松氏は国家賠償請求を起こさねばだめだと決意したという。そして今回の刑事告訴は、検察なら強制的に警察の隠蔽している証拠文書捜査や目撃証人からの証言を聴取できるからだ。

さらに、5年前に提起した国家賠償請求訴訟で、日本の裁判の信頼性が根底から破壊されようとしている実態を世に訴えたいという意向もある。

ここで、再度「築地市場事件」の概要を整理し、その後に「日本の裁判の信頼性が破壊されようとしている実態」に迫ってみたい。

事件はこうしてつくられた

2007 年10月11日早朝6時40分頃、二本松氏は事件の1年半前から2度行なった両目の手術で運転できず、妻が運転する乗用車で仕入れにいつもより遅れて築地市場へ急いだ。

市場前は放置車両であふれ停車する場所がなく、妻はまず二本松氏を降ろし、その間3回移動し、事件現場近くの公衆便所入口の真正面辺りに停車、運転席でラジオを聞きながら夫の帰車を待っていた。

指定放置駐車禁止場所ではあったが、周囲の放置車両とは異なり、運転者である妻がいつでも運転出来る運転席で待機していた。

市場場内から戻った二本松氏が枝豆を買い忘れたのに気付き、徒歩約3分の八百屋に走った。

ここからいよいよ“事件”が始まるのだが、二本松夫妻や、一部始終を目にしていた目撃者によれば、以下のとおりだった。

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事件現場の見取り図。

8時頃、高槗巡査と渡邊巡査部長が、前方の市場正門辺りからガソリンスタンドにかけて、法定駐停車禁止場所の放置車両を、一応覗いて、取締りはせず、

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二本松氏の妻が事件の翌日以降に作成したチラシ(A3判)。事件現場で目撃者をさがすと、立て続けに目撃証人が現れた。墨塗り部分は、目撃した状況を話した人たちが語った内容のメモや連絡先。

松村徹裁判長の履歴。1月にこの裁判を担当するようになったが、原告2人と被告2人の警察官法廷証言を聞いていない。また、築地警察署作成の文書を提出させていないのに、今ある証拠類だけで判断できるとし、4人の目撃者証人尋問の申請を却下した。この決定は、警察と検察サイドに明らかに有利になる。(新日本法規出版株式会社サイト)

原告・二本松氏らと被告・高槗巡査と渡邊巡査部長の主張は食い違い、矛盾点は多い。だからこそ第三者である複数の目撃者証言は必須だ。

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講演:「築地市場事件のすべてを語る」講師・二本松進氏

9月20日(土)13:30開場 14:00開演
場所 穏田区民会館1階集会室
   渋谷区神宮前 6-31-5  電話:03-3407-1807
交通: JR 原宿6分 東京メトロ千代田線 明治神宮前駅 徒歩2分
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