クライアント企業が博報堂社員を刑事告訴 アスカコーポレーション所有の電飾機器窃盗容疑
博報堂の社員を博多警察署、福岡県警、福岡地方検察庁の3者に刑事告訴したアスカコーポレーションの南部昭行社長。 |
- Digest
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- 福岡から福島へ光のリレー
- 博報堂もアスカを称賛
- 長崎のハウステンボスで発見された紛失物
- 「博報堂様からのご提案で電飾を譲り受けた」
- 博報堂の下請けへ振り込まれた28万500円
- 電飾機器が無断でレンタルに出されていた疑惑
- 広告主に無断で広告出稿
- 予算オーバー2500万円も請求
博報堂のひとりの営業マンが刑事告訴された。
双方の請求額が総額で約69億円にもなる、博報堂と化粧品などの通販会社・アスカコーポレーション(以下、アスカ)との係争は、民事訴訟の応戦で進んできたが、アスカ側が新たに刑事事件としての責任を追及する動きを見せはじめた。
アスカが南部昭行社長の名前で、博多警察署に提出した告訴状の表紙。同じ内容の告訴状が、福岡県警と福岡地方検察庁にも提出された。 |
筆者がアスカを取材したところ、博報堂がアスカのPR業務を請け負っていた時代に、自社の業務を仕切っていた清水亮氏に対する告訴状を、アスカが2016年10月28日に、博多警察署、福岡県警、それに福岡地方検察庁の3者へ提出したことが分かった。その根拠と証拠を入手した。
なお、博報堂とアスカの係争の全体像については、次の記事を参考にしていただきたい。
■博報堂がアスカから訴えられた64億円過払い訴訟で分かった、大手広告代理店「騙しの手口」――手抜き制作、視聴率改ざん、CM間引き、架空請求…
窃盗とは、他人の所有物を盗むことである。刑法235条は、「他人の 財物を窃取した者は、窃盗の罪として10年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定めている。
アスカが問題にしているのは、清水氏がアスカの所有物であるイルミネーションのための電飾機材(LED、電飾機器、ケーブルなどで、時価で約1600万円)を、持主に無断で第3者に譲り渡したというものだ。その電飾機器は、なぜかアスカの本部がある福岡市から遥か遠くの長崎県佐世保市のハウステンボスの倉庫で発見されたのである。
福岡から福島へ光のリレー
問題になっている電飾機器をアスカが購入したのは、2010年の12月。
発端は、福岡市にある各校区の自治協議会や福岡市美術館、それに大濠観光会館など、11団体が実行委員会を結成して、大濠公園で開いた「Shinning Park OHORI 2010」と題するクリスマスのイルミネーションイベントの計画である。このイベントを、福岡県や福岡市、それに地元の放送局や新聞社など19団体が後援することになった。
2010年の年末に福岡市の大濠公園で行われたクリスマスのイルミネーションイベント。30万個のLEDが使われた。 |
一方、アスカは特別協賛者として協力したが、3000万円の資金提供を承諾したこともあり、実質的には主催者的な立場だった。
この種の大規模イベントには、ほとんどの場合、企画会社が立案から実行までを担当する。
そして、その役割を担うことになったのが、博報堂の清水氏だった。
イルミネーションイベントであるから、まず、LEDの電飾機器を購入しなければならない。そこで清水氏が、アスカの南部社長と交渉して、3000万円を限度とした予算を取り付け、計画を前に進めたのである。
計画は順調に進み、クリスマスを前にした12月17日、日没と共に輝かしい30万個のLEDがクリスマスツリーやハート形のモニュメントを闇の中に浮かびあがらせた。冬の夜空を背に、色とりどりのおびただしい光が輝いた。池の水面にも、光が映え、幻想的な光景を浮かびあがらせた。
イベントは26日に終わり、この年は静かに幕を閉じた。
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福島のイベントは、新聞各紙が紹介した。
ハウステンボスがアスカの代理人弁護士に宛てて送付した書面。その中に博報堂の営業マンの名前があった。
長崎県にあるテーマパーク、ハウステンボス。出典=ウィキペディア
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読者コメント
うちのも博報堂くるよ。電通も着ているけど、電通が来ると罰が悪そうに隠れるよ。ADKの人もくるけど、
そのときは横柄な感じ。
そういえば、ルパン3世に藤子という女性がいたが、
ルパン3世が活動して得た宝物をさらに横取りする。
今、命名しよう。Lupin the Third藤子de博報堂。
うちにも博報堂が出入りしているが、ほんと横柄な感じ。末端社員には冷たいね。ただし、管理職・役員には
がらりと態度を変える。こういうところからして、企業体質、個人の資質が伺える。ウルトラマンのカネゴン以上。イルミネーション転売も個人の懐にいれてないだろうな!
博報堂は巨額訴訟の件も告訴の件も会社のホームページ
で何故、ニュースリリースをしないのか。見に行くとどうでも良いニュースリリースばかりだった。
博報堂を通して広告を出しているが、心配になってきた。
うちにも!!博報堂来てる
福島でのイルミネーションは素晴らしいものでした…
博報堂にとっては金でしかないのか
最低ですね。そんなことばかりしているから、おかしな動画を作ったりして、非難されるのでしょうね
うちにも博報堂来てるよ。うちは大丈夫なんだろうか・・・
記事から推測すると、無断でレンタルをし続けてボロになったからハウステンボスに売ったようだ。骨の髄まで
しゃぶる悪どい手口。
ハウステンボスにいい顔して広告いっぱいとったらしいよ。やり手営業マンだねぇ。ハウステンボスもまきこまれたの?可哀想(^-^)
アスカ、可哀想(T_T)
イルミネーションを盗むとは博報堂には良心というものがないね。酷い社員がいるもんですね。
人の褌で相撲をとるとは、まさにこのこと。
清水亮さんですか。第十一営業局第五アカウントチームACM、清水 亮 確かにいるね。
博報堂は確か東証に持株会社が上場していたはず。
上場企業の社員が顧客の機材を窃盗とはたまげた。
三菱自動車や東芝とは比較にならない犯罪だ。
アスカに水増しした2500万円でイベント費用は全て賄えるはずで他の協賛企業の協賛金はいったい何処に行ったの?億単位の不明瞭な資金の流れがあるっぽい。
またか。というイメージ。
今度は復興のイベントで使用したイルミネーションを無断でファミリーや恋人が集う
施設に売り飛ばす。
なにかきな臭い。会社なのか営業担当の仕業なのか、黙ってクライアントのモノを売り飛ばして、しかもお金が発生している。
氷山の一角な匂いがする。
うな子動画で問題を起こした次はこれですか
博報堂ってクリーンな会社のイメージだったけど、裏は
全く違う。ネットで検索したら不祥事だらけ。
博報堂はアスカに69億も不正に請求した上に窃盗とは。
人の物は自分の物。人のお金も自分のものと勘違いをしていたのだろう。清水ってどんな人物なの?
昔、身体障害者のDMで博報堂は詐欺をやっていたが、
今度は泥棒か。電通の不正問題や労基署問題よりも悪質
なのではないか。最近、テレビ局から博報堂の噂はいろいろ耳にする。
本当に驚きました。これはあり得ない話。
あり得ない犯罪だ。銀行でいうと顧客の預金を横領するのと似ている。博報堂のその社員は刑事告訴されて当然だろう。
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