My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

謎の「キーン音」「ピー音」が鳴る大東建託の欠陥マンション 再三の苦情にものらりくらり対応で住民ら大憤慨

情報提供
ReportsIMG_J20190705222841.JPG
「ピー」という甲高い音が鳴る部屋にたたずむ入居者のAさん。貸主(転貸者)の大東建託パートナーズに再三にわたって苦情を伝えたが、対策らしい対策はとられていない。
 部屋の中で突然「ピー」という甲高い音が鳴り出し、何時間もやまない。大東建託の新築マンションでそんな奇妙な現象が頻発して住民らを悩ませている。サブリース元の大東建託パートナーズに訴えても、のらりくらりと話をはぐらかして原因究明すらやろうとしないという。「気が変になりそうだ」と耐えかねた新住民のひとりは転居を考え、敷金や家賃の返還と引っ越し費用の支払い、転居先の斡旋を求めた。しかし、この当然の訴えに、大東建託は「それはできない」と一蹴。音問題以外にも、▽化学物質の臭いがひどい、▽防音性能が悪い、▽ベランダのコンクリートがひびだらけ、▽換気扇を回すと気圧の差が生じてドアの鍵が開かなくなる――などのトラブルがあり、もはや欠陥マンションといっても過言ではない。入居者に対する配慮のなさも加わり「大東建託ってこんなにひどい会社だったのか」と住民らは怒り心頭に発している。(キーン音、ピー音の録音を末尾に収録)
Digest
  • 火山灰対策
  • 風呂場の異音
  • 謎のピー音
  • あちらもこちらも「ピー音」
  • 「敷金・家賃返せません」「転居費用だせません」
  • ベランダのコンクリートにひび

火山灰対策

噴火を続ける活火山を望む、西日本地方のK市。Aさん(50歳代、女性)が引っ越してきたのは、今年3月のことだ。賃貸アパートを選ぶにあたって考慮したのが「機密性」だった。火山灰が大変だ、と地元の人から聞いていたからだ。

曰く、風向きを常に気にしている、晴れでも窓を開ける習慣はない、締め切っていても灰が部屋に入ってきて家具や床がザラザラになる、洗濯物は部屋の中に干す――。

不動産屋に相談したところ、「いい物件がある」と勧められたのが大東建託のマンションだった。築1年半と新築同然。1DKで7万5000円の家賃は相場より高めだが、その理由は「高気密マンション」という最新の構造にある、と説明された。

従来のものは部屋を閉めていても隙間から火山灰やホコリが入ってくる。一方、高気密構造というのは、さらに気密性を高めているため、ほとんど入ってこない。空気の循環は基本的に換気扇で行い、通気口のフィルターを通じて空気を取り入れる。火山灰やホコリはそこで濾過できる。アレルギー対策にももってこいだ――。

そういうことなら火山灰対策も万全だと、Aさんは迷わずこの大東建託の「高気密マンション」にきめ、契約した。マンションのオーナーは別にいるが、サブリース(一括借り上げによる転貸)なので、直接の契約先も、マンションを建てたのも、管理会社も、すべて大東建託グループである。

引っ越して部屋に入ったAさんの第一印象は「やけに汚れている」だった。前の入居者が1年余り住んでいた。その後、清掃をしたはずだが、やり残しが目立った。そして、マンションという割には、安っぽさが気になった。台所の流し台は水垢がついたまま、いくら掃除してもとれない。どうもステンレス自体が安物のようだ。壁を叩くと「コンコン」とよく響く。薄いのか、それとも内部が中空なのか。防音性能は低く、表の廊下の話し声が部屋のなかにまで届いた。

加えて気になったのが、臭いである。壁紙の接着剤なのか、溶剤のような臭いが部屋に立ち込めていた。換気扇を回しても臭いはなかなか消えない。むしろ強まったような気すらした。ベランダのガラス戸を開けて空気を入れ替えたかったが、火山灰が入ってくるので、それはできない。Aさんは我慢して引っ越し、荷物をほどきにかかった。

ReportsIMG_I20190705222843.JPG
風呂場の天井裏からもしばしば「キーン」という金属音がした。換気扇を止めていても鳴り、入浴中に気分が悪くなったという。

風呂場の異音

アパートがあるのは幹線道路から少し入った場所で、車の通行もめったになく、静かな環境だった。テレビなどの家電がまだなにもないガランとした部屋にいたAさんは、ふと異音がするのに気がついた。「キーン」というモータの回るような高い音だ。

「どこかでガスの警報音が鳴っているのかな」と外に出た。音はしていない。警報ではなかった。

部屋に戻るとまた、「キーン」という音が耳に入った。原因は部屋の中らしい。いったん気になると耳について離れない音だった。音の発生源を探して家を歩き回った。どうも風呂場の天井あたりが鳴っているようだ。風呂場の天井にはファンが取り付けられている。ファンは回っていた。

これが原因か、とAさんはファンの電源を切った。しかし、予想に反して「キーン」という音は消えなかった

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り3,556字/全文4,974字

なぞの音が鳴る問題の大東建託の「高気密構造」のマンション。築2年足らずだ。

部屋に取り付けられた開閉式の吸気口。大東建託パートナーズの社員は、吸気口を開けるよう指示したが、全開にしていても「ピー」という音は止まらなかった。

大東建託パートナーズの社員がAさんに渡した名刺。異音の問題が解決できないのなら転居したいというAさんの要求に対して、引越し代はもちろん、敷金や家賃の返還もできないと説明したという。

ベランダのコンクリートに入った無数のひび。

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

書籍読者2019/08/22 18:21会員
これが大東建託の品質2019/07/08 08:43会員
2019/07/06 20:19
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

類似のトラブルに関する情報があれば筆者までお寄せいただきたい。
本文:全約5100字のうち約3700字が
会員登録をご希望の方はここでご登録下さい

新着のお知らせをメールで受けたい方はここでご登録下さい(無料)