成田医師の医療過誤を隠蔽した滋賀医大病院泌尿器科、独自治療開始も手術予定は10月までで1件だけ――小線源治療1100件実施の岡本医師追放に固執
6月1日にJR草津駅東口の広場で、岡本圭生医師の小線源治療の継続を求めて開催された集会と、それに続くデモ行進。150名が参加した。(写真撮影・提供=田所敏夫) |
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- 仮処分後の岡本外来
- 仮処分の内容を履行ぜず
- 待機患者に突きつけられた書面
- 低リスクの患者がかかえる不安
- 事件をなかったことに
- 国立がん研究センターのプレスリリースを偽造
- 比較方法の誤り
- 民間企業の視点から事件を見ると
- 待機患者の苦しみは続く
岡本医師に割り当てられてきた小線源治療の手術枠は、週3枠。毎週火曜日に3人の患者が「執刀」を受けてきた。6月以降に手術枠に組み入れられる患者は、仮処分によって治療を受けられることになった人々。司法命令で命が繋がった患者たちである。7月2日が、手術の期間が延長されてのち、最初の手術日だった。
滋賀医科大の塩田浩平学長。(出典=九州医事新報) |
この事件の発端は、既報のとおり、滋賀医科大学医学部附属病院に、日本メジフィジックス社の協力で、前立腺癌小線源治療学講座(以下、寄付講座)が設置された2015年1月にさかのぼる。
寄付講座が設置されたあと、泌尿器科の河内明宏教授と成田充弘教授が、寄付講座とは別に泌尿器科独自の小線源治療を計画。本来は岡本医師が担当すべきだった23名の患者を、泌尿器科に誘導した。ところがふたりとも小線源治療が未経験だったために、患者を担当していた成田医師が「執刀」の前段で医療過誤を起こした。
河内教授らの計画は、岡本医師が塩田浩平学長に中止を進言したことで、とん挫したが、事件は終結しなかった。事実上、モルモットにされた被害患者らが、病院長や学長に抗議を開始。岡本医師も、病院に説明と謝罪を要求した。
大津市の郊外にある滋賀医科大学医学部附属病院のロビー。 |
泌尿器科の不正行為に対し、隠ぺいで逃げ切ることを画策した病院幹部は、当初2017年末で、寄付講座の閉鎖と岡本医師の解雇を予定した。しかし既に多くの患者に対し2018年以降の岡本医師の治療予定が組まれていることを無視できず、代替案として2019年12月末をもって寄付講座を閉鎖することを告知。そして、岡本医師による「執刀」は、その半年前の6月30日で終了する予定と告知した。ところが、この決定により「執刀」のスケジュールが組めなくなる患者が30名以上発生した。
そこで岡本医師と待機患者の代表7名が、「執刀」期間を11月30日まで延長するように求めて、今年の2月に仮処分を申し立てたのである。裁判所は5月20日にそれを認める仮処分を下した。その結果、岡本医師による「執刀」は、11月30日までは継続されることになった。
仮処分後の岡本外来
京都市の上田正信さんは、手術の期間が延長されてのち、最初の手術日にあたる7月2日に、手術を受けた。
上田さんは知り合いのクリニックで、血液採取による前立腺癌の検診(PSA検査)を定期的に受けていた。PSAの値は徐々に高くなっていた。そこで医師の紹介で市立病院を紹介され針生検を受けた。針生検とは、前立腺に針を刺して、癌細胞の有無を調べる検査である。
しかし、癌は見つからなかった。そこで再び、クリニックでPSA検査をしながら経過を見ることにした。
2018年にPSA値が一気に28ng/mLにまで上昇した。(正常値は、4ng/mL以下とされている)。医師は、上田さんに市立病院での再検査を勧めた。
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『しんぶん赤旗』(日曜版、2018年6月17日)が掲載した記事。タイトルは、「前立腺がん高リスクでも高率に完治」。
赤枠で囲った部分だけが、国立がん研究センターのデータ。その他は、滋賀医科大病院が収集したデータである。「加筆」の分量は、およそ2ページに及ぶ。
6月30日の深夜に大阪毎日放送(MBS)が放送したとドキュメンタリー、「映像’19閉じた病棟~大学病院で何が起きたのか」
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読者コメント
続きです。現在は不法行為裁判ですがカルテや看護記録で他にも色々分かってきたので、次は医療過誤訴訟に移行することも考えてます。裁判の結果次第ですが、場合により業務上過失致死でも刑事告発も考えてます
私も現在愛知県の丹羽郡にある結構大きな病院を相手に裁判をしてます。愛知県の一宮の裁判所です。事件番号は令和3年(ワ)248号(被告病院はTVとかにたまに出てる大きな個人病院です)令和4年9月8日には尋問ですが被告(院長)は尋問を拒否していて逃げの姿勢の状態です。
病人は必死で最善の治療方法、医師を求めます。滋賀医科大学病院の院長および泌尿器科の教授等が岡本医師を排斥しようとするのが理解できない上、許せない気持ちになります。患者の必死さを考えれば岡本医師に施術させるべきであり、率先して院内および全国の医療機関に岡本メソッドを普及させる使命があると考えるべきです。保身のために岡本医師を追放しようとする院長および泌尿器科教授に医師の資格は無く、退陣を望みたい。
岡本先生は1000人以上の患者を治療してきている。そしてその患者の多くが、岡本先生が治療を行う寄付講座の継続を望んでいる。それにもかかわらず講座を閉鎖するならば、閉鎖理由を説明してほしい。人命がかかわる重大な問題なので、国立大学法人である滋賀医科大学の病院長は記者会見して閉鎖の理由を広く説明すべきだと思う。
病院長は患者の命よりも自身の保身のための隠ぺい工作これは反社会的行動そのものです。
私は直腸がん手術を受けているため、高リスク前立腺がんと診断されても手術も外放射線治療も選択できない中、岡本メソットの治療を知り受診する事ができました。
岡本先生は直腸に影響を与えないため小線源単独治療で完治できますと言っていただき治療を受けました。
これが岡本メソットなのです。
病院長葬られるのはあなたです。
滋賀医科大病院長殿、どうか良心を取り戻してください。
医者としての使命は何か、初心に戻って考えてください。
意固地になっている場合ではありません。
芸能事務所の社長の会見、アメフト部の監督の会見これらの会見への批判のポイントはなにか・・・・
一方、会見さえ行わない滋賀医科大病院長は一体なのを考えている?公的組織をまとめられないのなら退場あるのみです。
本来、助けられるはずの患者に対し、いい加減な理由をつけて治療妨害をする病院責任者は退場してください。
人の道に反する滋賀医科大病院を現役の学生、卒業生、地元の方々、世間の方々が知ってとても情けないと思っています。
ここまで来たら、院長の退陣しかありません。
この泌尿器科の問題には滋賀医科大学医学部付属病院全体に潜む、ひいては全国の大学病院における問題を感じます。この病院の最前線の医師やスタッフはともかく、病院の権力者はまともじゃないですね。頭はいいのでしょうが、精神面ではまるで保育園児か小学生並み、可哀そうとしか言いようがない。しかし、患者からみたら、そういう輩に病院をまかせるわけにはいかない!
待っていた続報である。滋賀医大病院側の暴走はとどまるところを知らないようだ。今度は医療機関が発表している結果を用いたとんでもない"ねつ造"を平気でやっているとは・・・ 患者をどこまでバカにしたら気がすむのか。
医者としてはもちろん、人として最低だ。さらなる続報を期待し、また病院側が糾弾されることを祈りたい。
地元の病院でこんなことが起きているなんて!
沈黙を続けている大学はズルいよね。
記者会見するべき!!
小線源治療が未経験の医師が起こした医療過誤をきっかけにして、それをなかったことにするために、滋賀医科大学病院が患者の犠牲を顧みずに、保身に走っている現状は、日本の医療機関の将来に暗い影を落としている。滋賀医科大学は、すぐさま、虚心坦懐に大学の正常化を進めるべきです!
記事にあるように幾つかの問題が指摘され、メデイアなどを通じて疑問が広まっているので、滋賀医科大学病院の病院長は記者会見を開いて、疑問に答える社会的責任がある。是非とも疑問に広く答えることを強く望む。
それにしても、病院のホームページの国立がん研究センター引用、ひどいね。完全に詐欺だね。勝手に情報を追加して。どこかの省庁みたいな改竄。また、疫学的素養が全くないのかね。病院の掲示責任者は。無茶苦茶なデータ比較して。こんな病院幹部が推奨する泌尿器科治療、当然誰も受けたがないでしょう。
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