リコール王・トヨタ 隠されるメーカー別台数、国交省もグル
国交省の内部資料(下記)をもとに集計したメーカー別リコール台数。トヨタがダントツ |
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- メーカーのほうを向く国交省
- 持っているくせに、出さない
- 「生活者犠牲」の“ニッポンモデル”
- 全リコール31ヶ月分を分析
メーカーのほうを向く国交省
私がリコール車に乗っていたのは、92年から3年半。一昨年リコールされた33万台強のうちの1台だった。つまり、私自身、ハンドル操作がきかなくなり重大事故を起こしていたかもしれない訳で、全く他人ごとではない。調査に乗り出した。
そもそも品質管理はメーカー別に行われているので、メーカー別に検証しなければ意味がない。だが結論からいえば、国土交通省は、メーカー別のリコール台数を、絶対に公表しない。発表すると、不本意ながら一位に輝いてしまったメーカーは、イメージダウンになるから都合が悪いのである。リコール数が多いメーカー(=ここ数年はトヨタ)に、配慮しているのだ。
「国交省は、発表による風評被害でトヨタから損害賠償請求裁判に持ち込まれることを恐れているやに思えます。耐震強度偽装問題の時も、なかなかヒューザーの実名を公表しませんでした」(国交省詰め記者)
官僚は、常に国民よりも業界のほうを向いている。おまえら、いったい、どちらの味方なんだ?という問題である。一方、本来は「国民の知る権利に応える」との大義名分から情報公開を迫るべきマスコミは、前回書いたとおり、広告主の上客より“口止め料”を受け取っている事情から、情けないことに、本来の仕事を何もしない。マスコミも、国民より業界のほうを向いているのである。
もし情報が公開されれば、一位になってしまったメーカーは、汚名返上とばかりに、品質管理の強化に投資し、欠陥車を作らない努力を迫られる。その結果、欠陥車が減れば、国民の安全に寄与する。だから、情報は公開されるべきなのだ。国交省の「リコール対策室」に、情報公開を迫った。
タカハシという担当者が窓口応対した。
--私が乗っていた車がリコール対象であることが分かったんです。メーカー別のリコール台数を知りたいのですが、そういう集計をしたものはありませんか?WEBサイトに一件ごとの届出はありますが、訂正やら再提出やらがあって、集計がたいへんなんです。経年での変化を知りたいんですが、当然、そちらでは、集計したものをお持ちですよね?
「えーっと、メーカー別ですか…。趣旨は、分かりました。たぶんあるかと思うので、調べて、折り返し電話いたします」
ほどなく、電話がかかってくる。「5年間の集計をしたものが、あります。これは、平成14年度までの5年間ですね。えーっと、読み上げましょうか?」
--となると、3年前までになりますか、データが古いですね。では、とりあえずそれは、ファクスでいただけますでしょうか。番号は○○○……。で、本当に知りたいのは、直近の話です。トヨタが増えているのも、最近の話ですから。メーカー別の傾向があると思いますので、それを見れば、欠陥車にあたるリスクが高いかどうか、メーカー別に判断できますよね。「えーと、最新の集計は、WEBで発表しているはずなんですが…、ちょっと待ってください、12月に、前年度分の分析をしたものがあったはずです。12月2日の『平成16年度自動車のリコール届出内容の分析結果について 』というやつです」
--詳細版(一番下)、私も見ましたが、国産車か輸入車か、とか、装置別とか、発生原因別のものはありますが、メーカー別については、一切なかったですよ。
「あれ?確かに、メーカー別のものはないですねぇ…」
--品質管理は、メーカーごとに、仕組みも水準も異なるのだから、メーカー別に出さないと意味がないんですよ。わざと、出さないようにしているんですか?
「該当するデータがあるかどうか、直接の担当の者に聞いて、ご連絡します」
国交省提供資料。交文社「自動車セミナー」2006年2月号より。情報が古い |
翌日、夕方になって催促の電話をしたら、やっとファクス(右記)はもらえた。交文社という出版社の「自動車セミナー」2006年2月号に載っているものだという。しかし、なぜこの程度の古いものしかないのか。
交文社の編集部に、聞いてみた。
--今年の2月号のメーカー別のリコール件数の表ですが、これはそちらで独自に集計したのでしょうか?情報ソースは、どういった資料ですか?
「あ、それはですね、国交省から貰ったものです。そのグラフの数字のまま、貰いました。こちらでは、数字を足したり引いたり、していません」
つまり、国交省が何かの目的で作成したものを、たまたま貰ってきた、というのだ。なるほど、今年の2月に載せる資料としては、3年前までのデータは、古すぎる。それしか貰えなかった、ということだ。
持っているくせに、出さない
こうした隠匿体質は、いつものこととはいえ、腑に落ちない。
独自に入手した国交省の内部管理資料。メーカー別の件数、台数がすべて集計されているが、これは絶対に公表されない
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さらに納得できないのは、別のネットワークを使って入手を試みると、出てきたことだ(右記)。これは、
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2004年1月から直近までのデータを、独自に集計・分析することに。入力し、チェックする作業を1,170行。
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読者コメント
日本の消費者はバカの集まりになりましたな。全て企業が悪い。消費者に全て伝えろと、。待ってばっかしか、君らは。情報があったらそこへ見に行け。
今日まで約40年間トヨタ車だけを愛用してきましたが、トヨタに欠陥車がこの様に多大である事、正直、知り裏切られたような気持ち! 今回なぜこのURLにAccessする気持ちになった理由は、3年前からVITZの1500cc(C/TypeNo:NCP131-・・・・・・・)に変更後、アクセルの動作機能に直線的動作に(つまり、ある踏み込みから急に動き強くなる)不審感を持っていますが気のせいでしょうか?
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TOYOTAの記者会見を見て
品質担当横山さん副社長佐々木さんそれから社長TOP企業の対応とはかけ離れた異次元の発言日本人として恥ずかしいエアコンで結露する?黒字にします リコールの会見でこんな事しか発言できないと
は 命 現場を知らない役員しか居ないのか 今年また取引先に3割コストダウン指示
また TOYOTA車は凶器になりそう
プリウス等(他車種も含めて)のブレーキのリコール騒動事情に意外と隠蔽性がありそうなトヨタの場合、経営陣が安全面を尊重する気がないのであれば、
もはや宣伝CMやら車を売る資格がないと正直に思います。
やっと新聞、テレビが報道しはじめました 熊本のハイラックスから今回のプリウスまでTOYOTAの安全、命に対する真摯な対応がとられていない 金儲け第一の企業体質アクセルペダルのリコール費用もCTSに払わせる 完成車が工場を出た時からTOYOTAのマークを付けたならTOYOTAが責任を取るべき 都合の悪い時は社長は出てこない 人の命を、安全を尊重しないのなら この会社潰れてもいいんじゃないか
メーカーの品質管理体制によるのでしょうか・・・なんでもかんでも部品を外注化しているつけでしょうかね。国産車は設計ミスによるリコールが多いという話も聞きました。製品の品質管理について考えさせられました。
サービスキャンペーンが曲者!保証の名義変更がされていないとキャンペーンの対象外ですし消費者を「客」だなんて思っていませんよ。トヨタは・・・。
輸出車は頑丈に作られていると言う話は本当だと思う。若かりし日に大事故をやってしまったが今も普通に生活していられるのはGM系メーカの車だったから。警察官に言われました「良く生きていたな。死んだと思った」と。それ以来、車の見方が変わりました。
況於悪人さん有難うございます。おっしゃるとおりです。小生はおっしゃる事までは既に理解しております。200字の制約があるますので、少しずつでもコメントできればしていきたいと思います。危険な車に知らずに乗っているひとの為にも
「ぼぼぼーぼぼ」さんへ正確にいうと、「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」「その他の情報」という4種類です。法令上の根拠(の有無)の違いによる分類です。ちょっと調べればすぐ判りますね。
引き続き戦っていくつもりですが、こういったケースにアドバイスのいただける方はお願いします。ストレイさんもお力をお貸しください。
国交省の方もリコールにした場合エンジンの交換などという実際出来ない対策になってしまうエンジンの問題は、こういったグレーゾーンを黙認していると言うことでしょう
私の車がこれに該当するのではないかと思います。全く否定してきた内容をエンジンの欠陥とあっさり認めたと思えば、リコールではなく保障期間延長でした。
このリコールでない不可解なあと2種類の分類はトヨタのリコール隠しの巣窟かも知れません。例えばリコールして場合対策が出来ないエンジン事態の問題を保障期間延長としてしまうとか。
トヨタのホームページ内のリコール情報のところに行くと、リコール情報と、サービスキャンペーンと、その下に小さいボタンで「その他の不具合・・・」という三種類の不可解な分類があります。今回私の所有の車が、この最も不可解な「その他の不具合・・・」に名を連ねました。
リコール台数、販売台数で考えるとトヨタが多くなるのは確かです。私は車の整備の仕事をした事があり一言!どのメーカーでも整備する人間から見ればこれはリコールでしょうと思う事は多々あり。リコールの少ないメーカーでもこれはリコールでしょうと思う車もあるのでは?10台に1台、100台に10台の異常車があれば確率でいえば伴に10/1で変わりませんが、感覚でいえば明らかに後で記述した方が多く感じます。
出荷台数とリコール率の話を出している方が見受けられますが、私は正直、このスクープ記事はそんなことよりも、トヨタという強大な“力”にあっさり屈している国交省への批判を重く見るべきと思います。
鳴り物入りで高級車市場に参入したレクサスでさえ、リコールが出しましね。(販売台数の約7割が対象)量販車(大衆車)では、メーカーを問わず、当たり前かも…
ほー。トヨタを擁護する工作員が頑張って書き込んでいるようだな。My News Japan さん。へんな書き込みに惑わされずに、記事の方たのみますよ。
この資料の数字変だと思いませんか?国内の自動車産業は成熟期に入っているにもかかわらず、これほど毎期各社の届出台数に差が出るのは明らかに変だと思います。各社何を考えているのやら。
役人が公僕でなく業界ベッタリという構図は相変わらずで国が疲弊し始めたのかも、トヨタもビジネスとしては王道を歩んでいる様だが実は他社の努力を陳腐化して潰し回る戦略で業界にとっては良いやり方ではない。ハイブリッド車は勇気ある戦略だったけれど、リコール問題は正直、嗚呼成る程と感じた。ちなみに私は知人が購入したばかりのトヨタ車が高速で動かなくなってしまったという話を聞いた事があります。
以下、記事文中の言葉には大変に共感を抱きます。日本はいつになったら変われるのでしょうか・・・「役人というのは、平気で嘘をつく。ない、ということで、シラを切りとおすのだ。相変わらずの企業優先主義。生活者の命よりも、企業の利益を優先する行政。そして、誰も責任をとらない。それが日本国の悲しいDNAなのである。」
リコール台数ランキングってこれ出荷台数とかはどうなんですか?
確か車は良いが、メカーは対応は良くないそれは会社制度によるところがおおいんじやないか、各社販売店も同時にとはないと無理別々ではなくあくまでも同時そうしないトヨタは結論でないでしょう。この非難文章はただの中傷で意味ない。トヨタの販売店は、トヨタの子会社でなく独立いている為、最終ユーザーには、責任ある回答があるのではないか?もっと見えるはずだが。
いや,三○は以上でしたよ.当方,中学・高校と川崎におりました15年前になりますでしょうか.その頃から,お膝元でさえも,評判最悪でしたから.リコール問題ではやっぱりやったか,ってな重いでした.でも,トヨタもそうだったとは,,,僕もユーザーですので,心配です.
今回のケースは、熊本県警が送検した悪質なケースではないか。なのに新聞は「リコール隠し」とはどこも書かない。広告料は、三菱と比較すると、トヨタは破格だそうですから、理由はそれなりに推察できそうです。強きを助け、弱きをたたくとは、成長するための極意でしょうか?
販売台数を加味すると,どのメーカが安心度が高いのかな
しかし売り上げ台数との比率で考えると、三菱はやっぱり異常ですね・・・
大変興味深いです。販売台数に対する比率で,グラフを作成いただければ,よりいっそう意味深い数字になると思います。販売台数が多いと,リコール対象台数も増えますので,単純に台数のみで比較は難しいのです。よろしくお願いいたします。
よく調べましたね。価値あるスクープ記事ですよ。
記者からの追加情報
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