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オランダのビール「ハイネケン」  国産瓶と輸入缶、味わいに微妙な違い

情報提供
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ビールテイストしたハイネケン。原材料は、瓶と缶ともに麦芽・ホップ。内容量は330ml。
 オランダで愛されているビール、ハイネケン。原料は麦芽とホップで、日本ではキリンビールがライセンス契約を結び、海外ブランドとして販売している。酒販店では、缶と瓶、国産品と輸入品とが販売されているが、製造国によって味は異なるのだろうか。「ビア・クォリティ検定士」にビールテイストをしてもらった。
Digest
  • キリンビールのライセンス商品
  • 缶は現地生産の輸入品がある
  • 樽詰めだけ「生」、残りは熱処理済み製品
  • 缶入り(輸入)と瓶入り(国産)のテイスティング結果
  • サントリーモルツに近い味
  • 「ライセンス製品でないほうが美味しい」との声も

赤い星に、緑色の容器でおなじみのビールHeineken(ハイネケン)。やわらかい香ばしさが先行したなめらかで、泡立ちもクリーミィーなビールだ。酒販店では、瓶入りと、缶入りが販売されている。

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■ハイネケン瓶
製造者:麒麟麦酒(株)
販売者ハイネケンジャパン(株)
製造年月旬2006 07 上
賞味期限2007 03
リターナブルびん

■ハイネケン缶
輸入者及び取引先:麒麟麦酒株式会社
販売者:ハイネケンジャパン(株)
原産国:オランダ
製造年月06-05
賞味期限07-02
 ビンのほうに書かれている製造者をみると、麒麟麦酒(株)。缶のほうは、原産国がオランダで、輸入者及び取引先が、麒麟麦酒(株)。両方とも販売者は、ハイネケンジャパン(株) である。日本で製造されたハイネケン(=瓶)と、海外で製造されて輸入されたハイネケン(=缶)は、味など、何らかの違いがあるのだろうか。

キリンビールのライセンス商品

ハイネケンは、ハイネケン氏が1863年にオランダで創立したビール醸造会社、及びブランド名。現在では世界170カ国以上で販売、オランダも含めて世界100カ国に醸造工場を持ち、60社に技術指導をしているという。本社はアムステルダム。欧州最大、世界最大級のビール会社だ。

調べるうちに、日本ではキリンビールがライセンス契約を取得し「海外ブランド」として販売中だとわかった。販売者であるハイネケンジャパンは、キリンビールが49%出資するグループ会社だ。輸入品(ハイネケン缶)は、1995年3月から発売している。

2005年のオランダからのビール輸入数量は、4,269,589L。日本への輸入量では、オーストラリア、アイルランド、メキシコに続いて4位(「ビール酒造組合」ビールの輸入数量より)と多い。これらは、ほぼハイネケンだと考えられる。

缶は現地生産の輸入品がある

HPによれば、ラインナップは「ハイネケン瓶」、「ハイネケン缶」、「ハイネケンダーク」、「ハイネケンドラフトビール」、「バクラー」(ビールテイスト飲料)、と5つあった。

キリンビール「お客様センター」(0120-111-560)に電話して、疑問をぶつけてみた。

--ハイネケンは瓶と缶が売られていますが、中身は違うんでしょうか?

「基本的にはまったく同じものが入ってございます」

--価格が若干違うかなと思うのですが・・・。

「現在、オープン価格を設定しておりまして、価格は販売店様にて設定していただくことになっています。2004年度まであった当時の希望小売価格330ml瓶で229円(消費税別)、330ml缶で195円(消費税別)です。

--缶でいくつか(種類を)見かけるんですが、他の国で製造したものも入ってきているんでしょうか?

「ライセンス契約で国内で製造しているものもございますし、オランダより輸入されているものもあるかと思います。わたしども(キリンビール)が輸入販売の権利を取得しているのですが、他のルートから入ってきていることもないとは言えません」

--原料が麦芽とホップのビールですが、これは生ビールですか?火入れしていますか?

「確認いたしますので、少々お待ちいただけますか・・・」

ハイネケンの原料は、麦芽とホップ。ドイツでいう本来のビールの原料で製造されている。オランダで「ハイネケンA酵母」が培養され、この酵母が世界の醸造工場に送られ、ハイネケンが製造される。

「ジョッキ、ビン、缶…中身はぜ~んぶ同じ 生ビール=新鮮の嘘」で伝えたとおり、現在、国産ビール大手4社は、国産ビールの“生”は「火入れ殺菌(加熱処理)しないもの」としている。また、除菌高性能フィルターで酵母も旨味も取り除いた“生”ビールなくしてはビール業界は成り立たなくなっており、「生ビール」は日本独自の概念である。

・・・待つこと約1分。

樽詰めだけ「生」、残りは熱処理済み製品

「瓶、缶ともに熱処理をしています。生ビールではありません。国内で樽詰めのハイネケンも製造しているのですが、こちらは生ビールです」

--オランダで飲むものと同じものなのでしょうか?

「瓶、缶ともに、国内産、輸入産とも熱処理されています」

--味は樽詰めと違うんでしょうか?

「基本的には、ハイネケンのお味で製造しておりますので、感じてもらうような違いはないのではないかと・・」

--生ビールはフィルターを通して熱処理してないと思うのですが、ライセンス契約はオランダと同じものをつくるということですか?

「さようでございます」

--ハイネケンは全世界で同じということですか?

「(ハイネケンの)チェックはございますので・・・」

--熱処理しているということは、配送は常温で?

「そうですね」

--(生ビールの)樽詰めは?

「冷蔵配送されたりしています」

--樽詰めはどこで飲めますか?

「すぐご案内できるのがキリンシティというレストランにてお召し上がりいただけます」

--ライセンス契約はいつからですか?

「販売をはじめたのは1984年からです」

--国内でつくられているということですよね。

「さようでございます」

--瓶はワンウェイですか?

「補償金のついた瓶となります。ただしハイネケンダークはワンウェイ瓶です」

--ダークとふつうのハイネケンはどう違いますか?

「ダークは、麦芽を焙煎した一般的に日本で言われる黒ビールです」

--それ(ハイネケンダーク)も、熱処理していますか?

「しています」

缶入り(輸入)と瓶入り(国産)のテイスティング結果

キリンビールは、缶も瓶も、中身は同じものだという。実際にそうなのだろうか?企画「この酒が飲みたい&この酒は飲めない」でビールテイストをしてもらった酒屋店主の長澤一廣さんに、ハイネケンの瓶と缶のビールテイストをしてもらった。

長澤さんは、2000年には「ビア・クォリティ検定士」の資格を取得した。NPO「ドイツ農畜産業協会」から認定された「主任DLG検定士」が講師を行うセミナーと試験を受け、同協会と同一レベルの官能検査能力があると認められた人に与えられ、日本地ビール協会が運営。長澤さんは、はじめての検定で10名合格者したうちのひとり。日本の酒屋経営者としては第1号の取得である。

缶入りハイネケンは、長澤さんのお店「リバティ」で販売されているもので、オランダ産の輸入ビール。瓶入りハイネケンは、キリンビール静岡支店にお願いし、スーパーマーケットに納めていた商品を各1本もって来てもらったもので、国内製造のビールである。比較的よくハイネケンが売れている店だとのこと。

■ハイネケン(瓶) キリンビールラインセンス生産品

原材料/麦芽・ホップ
[立ち香]わずかなオフフレーヴァーあり。
[泡立ち]良好
[味わい]口当たりはやわらかいが、強いて言えば、口中にわずかであるがゴム臭(輪ゴム系)を感じた。
[含み香]良好
[喉ごし]やわらかくてなめらか
[後味]良好
[苦味]良好

■ハイネケン(缶)

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