2014年、マスコミが消える日
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紙とWEBの最終戦争へ… |
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- タダほど高いものはない
In the year 2014, The NewYorkTimes has gone offline. The Fourth Estate’s fortunes have waned. What happened to the news? And what is EPIC? |
これを見て、技術的には、実現する可能性は十分にある、と感じた。
グーグルとアマゾンが合併した「グーグルゾン」の事実抽出ロボットが、勝手に個別読者に最適なニュースを、カスタマイズしていく。
「どんなにITが進化しても、《取材をして、記事を書く》という作業だけは残る」。ジャーナリスト・本多勝一氏が、そう言っていた。私も、そう思う。
そして、その作業にこそ付加価値がある。それは、絶対に機械化できないので、機械に負けることはあり得ない。
ただ、そのコンテンツに対して、「グーグルゾン」が、世界で一番高い原稿料を払い、データベースに収めるという経営判断を打ち出したとしたら?
莫大なカネを持っている彼らには、資金的には容易いことだろう。そして、一切のタブーなく、書きたいことが書け、グーグルゾンがあまりに巨大でグローバル規模であるがために、スポンサータブーも気にする必要がないとしたら?
これは、ありえる。
タダほど高いものはない
だが、個人ニュース最適化に向けた障壁は、確実に存在する。
このシナリオにおいて、もっとも大きな懸念材料は、人間のプライバシー意識だろう。各自の「趣味や人間関係」は、グーグルゾンのデータベースには収まらない可能性が高いからだ。
たとえば、グーグルの「Gメール」など、私は、まったく使う気になれない。いくら無料だろうが、1ギガ超の大容量だろうが、メール本文のなかの単語を分析して、それにあった広告が表示されるというのは、プライバシー情報が収集されているかと思うと、気持ち悪い。
プライバシーは保護する、などと言われても、そんなものを信用できるはずがない。このハードルは、かなり高いはずだ。
グーグルゾンが究極に目指しているのは、まさに、「犯罪者を、犯罪を犯す前に逮捕する」という映画「マイノリティー・レポート」の世界である。だが、心の中をどこまでデータベース化できるのか。
タダほど高いものはない、ということに、みんな、そろそろ気付き始めるはずだ。「無料であること」と引き換えに、心のなかをグーグルゾンのデータベースに組み入れることを容認する人たちの比率など、たかが知れているだろう。
とはいえ、不完全ながら、このムービーが描く世界は、かなり現実的だ。マスコミの役割は、小さくなる一方だろう。
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読者コメント
マイノリティー・レポート化を防ぐ方法として、
仲間内で使う場合には、単語を分析できない(し難いい)新造言語を作るとかの対抗策を講じる
アルゴリズム的にはワンタイムパスワードとトライ&キャッチを利用すれば割と簡単に実装できる
記者からの追加情報