時給5百円未満!朝日新聞販売店の奨学生、韓国ブローカー2万円“ピンハネ”で
中国人新聞奨学生らが在籍するMANABI外国学院のパンフレット。 外国人らは、夢を背負って来日するが・・・・。国際交流に搾取が介在していいのだろうか? |
わたしの手元に、都内のASA(朝日新聞販売店)で働く中国人留学生Tさんの給与明細がある。2008年の4月分の明細である。支給総計は6万円。そこから光熱費として5000円を差し引かれ、手元には5万5000円しか残らなかった。これがTさんが日本で最初に受け取った給料だった。
労働時間は朝刊の配達に約3時間半、夕刊の配達に約1時間半の総計5時間である。休日は月に4回。従ってひと月の労働日数は26/30日である。労働時間に換算すると130時間である。
これをもとに時給を割り出すと461円になり、東京都の最低時給額である739円を遙かに下回っている。かつてマイニュースジャパンで、毎日新聞の奨学生が時給487円で働かされていたことを「現在の蟹工船」として報じたが、同じような実態がASAにもあることが明らかになった。
しかし、低賃金の原因を突き詰めていくとASAのケースでは、毎日とは異なる事情があるようだ。韓国のブローカーが奨学生を紹介したASAに対して、月々2万円を銀行口座に振り込ませているために、手取り総額が極端に少なくなっていたのである。この2万円はどのような性質の金なのだろうか?違法性はないのだろうか?
業界紙で指名手配された不良拡張員、不良社員。新聞販売労働者のイメージダウンの元凶である。 |
最近、新聞配達員の不足が販売店主らの間で深刻な問題として浮上している。米国のサブプライムローンに端を発した不況の影響で、日本経済が低迷してからは、多少、配達員の確保は容易になったが、それまではなかなか配達員を確保できなかったという。求人広告を出しても、まったく反応がないこともあった。関西のある店主が言う。
「新聞販売店というとイメージが悪くなっているんです。なにしろ犯罪者が入店したりするでしょう。店主も優秀な人材をほしがっていますが、待遇が悪いうえに、早朝の労働ですからだれもやりたがらない。そこでだれかまわずに採用するようになるのです。その結果、ならず者が増える構図です」
実際、奈良市で2004年に発生した毎日新聞の専従・小林薫容疑者による幼児殺人事件など、販売店のイメージダウンを誘発する凶悪事件が後を断たない。その結果、新聞販売の仕事だけは避けたいという空気が広がっているようだ。
最近、新聞店の専業を辞めたある男性が言う。
「秩序も常識もない無茶苦茶な世界だと感じました。折込広告の水増しもすごいですしね。業界に身を置いているだけで恥ずかしかったです」
ただ、販売現場で働く人々のすべてがならず者というわけではない。一部の者がイメージダウンに一役かっていると言えよう。
昔から新聞奨学生は販売店にとって重要な実働部隊として位置づけられてきた。わたしは、産経新聞・東浅草販売店の元店主・近藤忠夫さんから次のような話を聞いたことがある。
「わたしの店では、モンゴル人の留学生を使っていました。彼らは留学して日本で一旗あげようという青年たちですから、情熱がものすごかったですね。勉強も熱心ですし、仕事も熱心です。それに途中で仕事を辞めません。言葉は悪いですが、非常に使いやすく便利な人々でした」
留学生に限らず、日本人の新聞奨学生についても、同じ理由で評価が高い。どこの「馬の骨」とも知れぬ人間を雇い入れるのであれば、奨学生を入店させたいというのが販売店主の本音のようだ。
ところが最近、新聞奨学生制度が問題視されるようになった。たとえばそれを反映するかのように、住民団体が 「新聞奨学生110番」 などの相談窓口を設けている。時期的にはやや以前になるが、読売新聞奨学生の「過労死」裁判も起きている。
新聞奨学生を確保するためには、募集の対象を外国人にまで広げざるを得ない情況が生まれている。ここに海外のブローカーが介在する必然性があるのだ。
◇留学斡旋業者を通じて来日Tさんは中国の大学を卒業した後、日本へ留学するための方法を探るようになった。お姉さんが北海道に語学留学していた関係で、留学先として自分も北海道を希望した。しかし、北海道の語学学校には、受け入れてもらえなかった。
が、Tさんは留学の夢を諦めることができず、別のルートを探し当てる。留学斡旋業者の新聞広告が目にとまり、さっそくコンタクトを取ったところ日本語学校を紹介されたのである。長野県の上田市に本校がある MANABI外語学院 という学校だったこの先は会員限定です。
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日中対訳で基本給と特別手当の額が明記されている。日本人新聞奨学生と中国人新聞奨学生では、待遇が異なる。
朝日奨学会に対して、わたしが提出した2通の質問状。
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アカが書いてヤクザが売ってバカが読む。
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読者コメント
横須賀市内の事件起したAは廃店にならず違う人が引き継いだけど 実売が千部しかなかった 毎日一種類2千枚として20種類捨ててたことになる つまり1日4万枚 1ケ月で120万枚 金額にして480万円 1年で5千7百60万円
10年だと恐ろしい金額 しかも経営者はヤクザだ
今も横浜でAの店をやっている 警察は何してるんだ 完全な詐欺だろう
南部様
ASAの事件につての情報は、xxmwg240@ybb.ne.jpまでお願いします。
黒薮
黒藪様
横須賀市内のあるASAが事件を起こしたため廃店となりました。販売店が消えたのです。そんな最中に沖縄に行ってゴルフやって遊んでる朝日会があります。取材してください。
新聞業界が宅配制度の維持を全力で行っているのは、いい加減な経営のツケをまわすのに販売店は格好の餌食だからだろう。
なんでもかんでも「販売店の一存でやったこと」として片付ければいいことだからね
実家で新聞販売店を営んでいる娘さんと話す機会があったのですが、粗暴な方でしたね。この記事を読んでさもありなんだと思いましたよ。奨学金など「光」に言及される事が非常に多い(私もそう思っていました)新聞販売店ですが、こういった記事が出てくる事で認識も変わってくるかも知れませんね。
新聞奨学生の多くがせっかく入った学校をやめざるを得なくなり、新聞配達員や専業拡張員として薄給で働き続ける現実を考えたら日本人がいなくなって当然だな。どこの新聞も関係ない。どこの販売店も犯罪者を囲っていておかしくないよ。外国人留学生への待遇は輪を掛けて酷くて研修員が問題になったら次は外国人奨学生かな。販売店が新聞業界の底辺として理不尽を背負い続ける点も問題だらけだ。
朝日新聞の販売店が犯罪者だらけなのも、よく分かる気がする。
記者の計算方法だと2万円のピンはねが無くても最低時給には及びませんね。奨学生の場合学費の一部若しくは全額を新聞社が負担してくれるのですが、これは賃金として計算しなくても良いのでしょうか?
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