My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

時給5百円未満!朝日新聞販売店の奨学生、韓国ブローカー2万円“ピンハネ”で

情報提供
ReportsIMG_J20090307010024.jpg
中国人新聞奨学生らが在籍するMANABI外国学院のパンフレット。 外国人らは、夢を背負って来日するが・・・・。国際交流に搾取が介在していいのだろうか?
 中国人を新聞奨学生として受け入れている東京都内のASAが、韓国のブローカー(仲介業者)に、「学生管理費」の名目で1人あたり月々2万円を振り込んでいることが分かった。その結果、この青年の手取り給料は月5万5000円に。時給にすると500円未満で、東京都が定める最低時給をはるかに下回るほか、ピンハネ行為は中間搾取を禁じた労基法にも抵触する。不祥事や犯罪が絶えない新聞販売の現場に、優秀で「激安」な人材を海外からリクルートせざるをえない新聞業界の苦境がかいま見える。

わたしの手元に、都内のASA(朝日新聞販売店)で働く中国人留学生Tさんの給与明細がある。2008年の4月分の明細である。支給総計は6万円。そこから光熱費として5000円を差し引かれ、手元には5万5000円しか残らなかった。これがTさんが日本で最初に受け取った給料だった。

労働時間は朝刊の配達に約3時間半、夕刊の配達に約1時間半の総計5時間である。休日は月に4回。従ってひと月の労働日数は26/30日である。労働時間に換算すると130時間である。

これをもとに時給を割り出すと461円になり、東京都の最低時給額である739円を遙かに下回っている。かつてマイニュースジャパンで、毎日新聞の奨学生が時給487円で働かされていたことを「現在の蟹工船」として報じたが、同じような実態がASAにもあることが明らかになった。

しかし、低賃金の原因を突き詰めていくとASAのケースでは、毎日とは異なる事情があるようだ。韓国のブローカーが奨学生を紹介したASAに対して、月々2万円を銀行口座に振り込ませているために、手取り総額が極端に少なくなっていたのである。この2万円はどのような性質の金なのだろうか?違法性はないのだろうか?

ReportsIMG_I20090307010024.jpg
業界紙で指名手配された不良拡張員、不良社員。新聞販売労働者のイメージダウンの元凶である。
◇奨学生は「金の卵」

最近、新聞配達員の不足が販売店主らの間で深刻な問題として浮上している。米国のサブプライムローンに端を発した不況の影響で、日本経済が低迷してからは、多少、配達員の確保は容易になったが、それまではなかなか配達員を確保できなかったという。求人広告を出しても、まったく反応がないこともあった。関西のある店主が言う。

 「新聞販売店というとイメージが悪くなっているんです。なにしろ犯罪者が入店したりするでしょう。店主も優秀な人材をほしがっていますが、待遇が悪いうえに、早朝の労働ですからだれもやりたがらない。そこでだれかまわずに採用するようになるのです。その結果、ならず者が増える構図です」

 

実際、奈良市で2004年に発生した毎日新聞の専従・小林薫容疑者による幼児殺人事件など、販売店のイメージダウンを誘発する凶悪事件が後を断たない。その結果、新聞販売の仕事だけは避けたいという空気が広がっているようだ。

最近、新聞店の専業を辞めたある男性が言う。

「秩序も常識もない無茶苦茶な世界だと感じました。折込広告の水増しもすごいですしね。業界に身を置いているだけで恥ずかしかったです」

ただ、販売現場で働く人々のすべてがならず者というわけではない。一部の者がイメージダウンに一役かっていると言えよう。

昔から新聞奨学生は販売店にとって重要な実働部隊として位置づけられてきた。わたしは、産経新聞・東浅草販売店の元店主・近藤忠夫さんから次のような話を聞いたことがある。

「わたしの店では、モンゴル人の留学生を使っていました。彼らは留学して日本で一旗あげようという青年たちですから、情熱がものすごかったですね。勉強も熱心ですし、仕事も熱心です。それに途中で仕事を辞めません。言葉は悪いですが、非常に使いやすく便利な人々でした」

留学生に限らず、日本人の新聞奨学生についても、同じ理由で評価が高い。どこの「馬の骨」とも知れぬ人間を雇い入れるのであれば、奨学生を入店させたいというのが販売店主の本音のようだ。

 ところが最近、新聞奨学生制度が問題視されるようになった。たとえばそれを反映するかのように、住民団体が 「新聞奨学生110番」 などの相談窓口を設けている。時期的にはやや以前になるが、読売新聞奨学生の「過労死」裁判も起きている。

新聞奨学生を確保するためには、募集の対象を外国人にまで広げざるを得ない情況が生まれている。ここに海外のブローカーが介在する必然性があるのだ。

◇留学斡旋業者を通じて来日

Tさんは中国の大学を卒業した後、日本へ留学するための方法を探るようになった。お姉さんが北海道に語学留学していた関係で、留学先として自分も北海道を希望した。しかし、北海道の語学学校には、受け入れてもらえなかった。

 が、Tさんは留学の夢を諦めることができず、別のルートを探し当てる。留学斡旋業者の新聞広告が目にとまり、さっそくコンタクトを取ったところ日本語学校を紹介されたのである。長野県の上田市に本校がある MANABI外語学院 という学校だった

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り3,919字/全文5,721字

日中対訳で基本給と特別手当の額が明記されている。日本人新聞奨学生と中国人新聞奨学生では、待遇が異なる。

朝日奨学会に対して、わたしが提出した2通の質問状。

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

プロフィール画像
japonium2009/03/07 23:07

アカが書いてヤクザが売ってバカが読む。

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

横南2009/04/12 12:27
情報提供は下記まで2009/03/13 08:50
南部2009/03/12 22:52
KEI2009/03/12 19:59
とおりすがり2009/03/09 23:21
KEI2009/03/08 22:29
サンサン2009/03/07 14:52
元奨学生2009/03/07 13:55
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本文:全約6100字のうち約4300字が
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい

新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい (無料)

企画「まだ新聞読んでるの?」トップページへ