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今回も非自民第一党に投票

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左上に突き進む民主党。日本には右上を目指すリーダーが必要だ。
 8月30日に投開票を迎える2009年総選挙。「東京1区」は民主の楽勝かと思いきや、読売の事前調査によると海江田VS与謝野がデッドヒートらしいので、さっそく期日前投票を済ませてきた。麻生首相の腹心、与謝野財務大臣を落とすため、小選挙区は海江田万里、比例は民主党に入れた。私は選挙権を得て以来、すべての選挙で一貫して「非自民第一党」に投票し続けてきた。だから民主党支持というわけでもない。アンチ自民党。「非自民」党員だ。
Digest
  • 自民党候補は全員落ちて消え去れ
  • アメは配るがムチはない、経済学の常識を無視
  • 「全員を甘やかす政治」に未来はない
  • 「増税=消費税」はゼロベース思考ではない


自民党候補は全員落ちて消え去れ

自民党という政党は「戦後復興」という役割をとうの昔に終え、日本国民のためには、90年代初頭に消え去るべき党だったが、93年の細川非自民連立内閣がひ弱だったこと、そして2001年に小泉という天才的なタレントが出てきて表層しか見ない有権者がコロっと騙されたことで、なんと15年以上も延命してしまった。

それがイコール「失われた15年」の停滞を招いた。戦後政治のもう一角を担った社会党は役割を終えてさっさと消えたのに、自民はしぶとい。私はこの15年間、自民が勝つたびに「なんてこの国の有権者はバカぞろいなのだ!」と心のなかで叫んできた。(ブッシュJr.が再選したときも全く同じ気分だったが、オバマのようなリーダーが出てくるあたり、さすが米国。大衆は、過ちに向かって進んでいる途中では気づけないようだ)

自民党は、政-官-業の【癒着のトロイカ体制】で開発独裁的に日本を経済成長に専念させるシステムの一角を担ってきた党だ。その裏で、生活者、有権者、消費者は常に優先順位が低く、虐げられてきた。この癒着のトロイカ体制のなかでは、小泉1人がいくら構造改革をやる気があっても、政官業の利権集団によって骨抜きにされてしまう。だからいまだに日本は「戦中・戦後体制」のままで、戦後を卒業できていない。

「団塊の世代」の世代的使命が戦後復興であったことは間違いないが、われわれ「団塊ジュニア」の世代的使命は、この意味での「戦後を終わらせること」だ。私がキャリアのなかで目指すところもそこにあるし、MyNewsJapanを立ち上げたのもその一環である。従って編集方針も、生活者・消費者・有権者の立場で必要な事実を報道している。

ときどき「MyNewsJapanは偏っている」などと言う人がいるが、それは当然だ。私は一度も中立と言ったこともないし、不偏不党と言ったこともない。弊社は編集方針を明示している。生活者、消費者、有権者の立場に、完全に一方的に偏っている新聞だ。

政官業の「戦後」視点による記事が読みたければ既存のマスコミに溢れているから、そちらを読めばよい。既存マスコミもまた、政官業を情報の流れによって補完する存在だ。かわいそうに、あなたは日本の大新聞の「公平中立幻想」に毒され、中立などというものがあると思いこまされている。中立を装って巧妙に主張する大新聞がいかに危険か、読売の憲法試案でも読んで考えてみたらよい。

従って、弊社の理念に照らしても、自民党の息の根を止めることこそが至上命題なので、2009年総選挙を機に、既に役割を終えた自民党候補たちは全員落選して消え去れ、時代を見る目を養え、と言っておこう。

アメは配るがムチはない、経済学の常識を無視

幸い、今回の総選挙で自民党はやっと政権からいなくなるはずだ。では、自民党時代の先に何があり、日本はどこに向かうべきなのか。私の立場を明確にお伝えしておこう。

まず、経済はすべての基盤だ。経済なくして憲法も外交も防衛も、何も変えることはできない。これは米国経済が順調で国民の支持率も高かったクリントン時代の8年を見ればよくわかる。小泉政権もそうだったが、国民は経済が順調なら必ず政権を支持するから、高支持率をテコに様々な政策を実現できる。

その経済政策について、私がマニフェスト及びすべての討論(党首討論、記者クラブ主催の討論、民放の党首出演…)から理解したことは、ようは民主党は、短期・中期的には経済の縮小均衡を志向しており、それでは国民の支持を得られない、ということだ。(長期的には子供手当て拡充・教育無償化→人口増を志向するが、これは20年以上かかる遠い未来の話である)

バラマキの対象を変えて生活者の財布に直接バラまけば経済成長する、というようなウマい話があるわけがない。これは竹中平蔵氏が「経済の競争力、供給サイドを強くする政策をやらない限りは無理」と繰り返し述べている通りだ。「需要政策で成長力を高めることは、経済学の常識としてできません」(8/16『サンデープロジェクト』より)

私が経済紙記者、経営コンサルタント、そしてジャーナリストとして培った現場感覚からしても、まったくその通りだと感じている。こういう経済学の常識を、民主党幹部はまったく理解していない。

「理解はしているけれど国民はバカだから選挙前には言えない」のかと思って討論を注意深く聞いていたが、やはり岡田・鳩山の両氏は本当に理解していない、というのが私の感想である。2人とも民間企業で働いた経験もなく、官僚組織や大学組織というぬるま湯から議員になっているから、経済の現場が分からないのだと思う。(小沢氏は表に出てこないので判断しようがない)

同様に、正社員の過剰保護を改め、正社員も含めた雇用を流動化して労働市場の構造改革を進めない限り成長産業に人材がシフトせず、国全体の経済成長は難しいが、民主党は支持母体に労組がいて、できそうにない。これも、森永卓郎氏を除く全ての主要エコノミスト、経済学者の間では常識なのに、民主党は全くやる気がない。

ようは、アメは配るがムチはない。経済学の常識を無視。それが民主マニフェストの特徴だ。この、セオリー無視のユートピア幻想、甘ったるさ、戦略なきイリュージョン志向とも言うべき体質が、民主が改めるべき弱点である。

「全員を甘やかす政治」に未来はない

 私が『週刊東洋経済』の特集で各政党・政治家を取材し作成した 「経済財政政策におけるポジショニング」マップの最新版(右上の図)で言うと、民主の政策は完全に左上に向かっている。一言でいうと、「全員を甘やかす政治」である。その宿命として、国の借金は拡大し、国債増発→金利上昇→経済停滞のコースか、または、消費税アップ→内需縮小→経済停滞のコースをたどる。(最悪の場合、国債暴落や大インフレも起きる)

この間、経済はジリ貧だ。甘やかされた国民が経済の活性化に寄与するはずがないという、直感的にも分かりやすい結果になる。景気回復はなく、経済はしぼんでゆく。国民にとってよいことといえば、役人の無駄遣いが減りそうなくらいで、それが家計にバラまかれたくらいで景気が回復するはずもない。

私の立場は、明確に右上を志向している。規制撤廃・構造改革を進めつつ、再分配も強化する。なぜか両者は両立しないと思いこんでいる人が多いが、これは社民・共産といった典型的な再分配政党が、イデオロギー的に市場メカニズムを受け入れられず、構造改革を毛嫌いしてきたからである。

両者を同時並行で進め、経済成長しつつ税収を増やし、その潤沢な財源で弱者の底上げを図る政治がよい政治である。だが不思議なことに、なぜかこの右上のポジショニングを目指す有力な政治家がいない。次のリーダーは、ぜひここを目指して欲しいし、それ以外に、この国の未来はないと思う。

規制撤廃、構造改革で経済の自由市場化をグローバル規模で進め、新規投資を促進し、ベンチャー企業を優遇し、経営者をどんどん生み出し、デキる人にはどんどん働いて稼いでもらって資産を作ってもらい、その個人・法人から税金をとって、再分配するのだ。その再分配の具体策が子供手当てや教育無償化というのは賛成である。

「増税=消費税」はゼロベース思考ではない

この右上のポジションを理念として掲げた場合、もっとも整合性の高い肝となる政策は、資産課税である。税金は、資産から取ればよい。日本には既に1400兆円の個人金融資産があって、眠っている。1%課税すれば14兆円で消費税7%分になる。

ほかに、法人金融資産は800兆円、不動産資産(個人+法人)は1300兆円あるという。トータルでざっくり3500兆円として、年1%かければ35兆円の税収になる。現行の消費税5%による税収(約10兆円)を加えると45兆円で、ちょうど昨年度の日本の税収44兆円と同額になる。ということは、法人税や所得税は大幅に減らしてもよい(ゼロにしても現状維持)ということだ。

財政再建のために消費税の増税が必要だ、と財務省からマスコミにリークされた話が広まって、半ば国民の間でも「増税といえば消費税」が常識化しているが、これはとんでもない情報操作である。日本は少子高齢化社会で内需拡大策が必要なのに、消費を抑える効果がもっとも高い消費税を上げる理由はひとつもない。消費税増税は、内需拡大という日本経済の至上命題と、全く整合性がない。

金持ちも貧乏人も同じ税率の消費税は、貧乏人に厳しい税制なので、私は反対だ。一方、資産課税は、持っている人にしかかからないから、貧乏人に優しい税制である。政治の機能として、市場の失敗を補って相互扶助の優しい社会を作るべきであることは明らかであり、私は「増税=資産課税」を選ぶべきだと思う。

資産課税は、法人税や所得税のように競争を阻害せず、消費税のように内需を冷やさず、主に高齢者が溜め込んだ資産に課税されるから、世代間格差も是正される。デメリットらしきものはない。

海外に資産が逃げると言う人がいるが、そういう人は日本人を辞めてもらうということだから、そんな覚悟がある人は少数だろう。抜け道は、重い罰則で縛ればよい。考え方としては相続税と同じで、海外にあっても遺産は遺産で、課税対象となる。

導入にあたっては、誰がどのくらいの資産を持っているかという名寄せできるシステムが必要で、まずは国民1人1人に「日本人ID」を振ることから始めねばならない。銀行や証券など全ての口座を開く際に、個人別の「日本人ID」が必要となり、一発で名寄せできるようにしなければいけない。

「私は番号になりたくない」などとゴネる社民党の人たちは、この政策がいかに本質的に社会民主的であるかを、理解すべきだ。名寄せされると困る小賢しい金持ちは抵抗するから、政治力でいかに手綱捌きできるかが、次のリーダーの仕事となる。

 鳩山由起夫首相が、「私や麻生さんのような資産家が、たった1%だけ資産税を払えば、消費税は上げる必要がないんです。所得税も法人税も下げられるんです!」と言ったら、国民はどう反応するだろうか?鳩山政権は2期8年、支持率90%維持で磐石だろう。こそこそ親の遺産を政治資金に回す暇があったら、そう言えばよいのである。

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munetc2009/08/31 12:18

スッキリと明快。政治家も読め。

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a democrat2009/09/03 20:29会員
a democrat2009/09/03 20:18会員
20代の若造です2009/08/30 13:37
domoritaku2009/08/29 16:27会員
にった2009/08/29 15:11会員
2009/08/29 14:52
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