働く議員、働かない議員(中) 小選挙区議員、国会での活躍はイマイチ
小選挙区議員、比例区議員の国会での発言量の違い |
- Digest
-
- 比例議員の働きは選挙区の7割増し
- 参院比例は、衆院小選挙区の2.3倍
- 小泉チルドレンの働きは予想どおり低調
- 「しつこさ」一位は松井孝治議員
- “タックル議員”は2倍働く
比例議員の働きは選挙区の7割増し
発言量を様々な切り口で分析すると、興味深い結果が出た。例えば選出方法による差である。
今回の調査では、答弁に立たざるを得ない大臣を除く、衆参638人(選挙区388人、比例250人)について一人あたり平均値を比べたところ、比例は選挙区に比べ、発言回数で1.5倍、発言量で1.7倍と、大差がついた。
この差はどこから来るのか。1つの仮説は、選挙区の議員は、地元対策に時間とヒトとカネをとられがちとなり、国会での活動がおろそかになり、政策立案よりも地元での活動を優先せざるをえない、というものだ。
「自分は比例なので、地元に秘書を置かず、議員会館にいる4人+インターン3人を国会活動に専念できている。政策的にも、地元対策の一環で年金をやる必要はなく、専門の経済・外交政策で一点突破ができる」(藤末健三・民主党参院議員)
参院の場合は考えうるが、衆議院選挙の場合、比例代表並立制をとり、たとえば民主党では比例単独での立候補は認めておらず、重複で立候補となり悔敗率によって比例での復活を争う。つまり、全員が小選挙区で立候補するから、民主党に限っていえばそうとはいえない。
定数は、衆院選は、小選挙区から300人、比例代表から180人。参院選は選挙区146人、比例代表96人。今回の調査データには2007年参院選で初当選した議員は含まれない。
参院比例は、衆院小選挙区の2.3倍
では、極端な例で比べてみよう。参院選挙の比例は、全国区だ。つまり、全国の人に個人名を書いてもらえる人が有利な仕組みで、テレビなどの空中戦の影響が大きい。こうして選ばれた人は、確かに地元選挙区対策で祭りやイベントに顔を出す必要がないから、国会での活動に時間を割ける。
逆に、もっとも狭い地域の代表者は、衆院の小選挙区。ここで選ばれた議員は、その狭い地域の代表として、地元対策は不可欠となり、国会での立法活動に時間を割けない可能性がある。
そこで、「参院の比例」と「衆院の小選挙区」で比べてみた。結果は、仮説を検証するものだった。参院比例区は、衆院選挙区の議員よりも、発言量で2.3倍、発言回数で2.1倍と、ダブルスコアだった(右上図参照)。
選出される選挙区の広さが広くなるほど、地方議員のような“ドブ板活動”の効果は減り、逆に国会中継でNHKに映るような空中戦の効果は増す。だから、国会で頑張るようになるとも考えられる。実際、発言量20位までのうち、選挙区選出議員は5人だけ。2位から12位までは全員、比例区だった。
限られた議員の24時間を、地元に使うのか、国会での立法に使うのか、はたまた、それらをより効率的に進めるための政治資金集めに使うのか。国会議員はこの配分に頭を悩ませているといえる。
実際、選挙区選出議員は、どう考えているのか。参院の
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り2,397字/全文3,644字
小泉チルドレンの成績表。上位20人。
しつこい議員ランキング。これは、一回の委員会への登場で、平均何回の発言を行っているか、という指標。
タックル議員の成績表。色がついているところは、全国会議員の平均以下。国会での仕事が基本ですから…
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
小泉チルドレンなる印象操作に乗っかるのは止めませんか?およそ、まともな言説とは思えませんよ。
大半の議員は、地元土建屋の言いなりでしょう。
先生方は、献金してくださる企業の回し者だ。仕事なんかしているのか?と言いたい・・・
タイゾー先生は、次の総選挙で小選挙区から立候補されるのでしょうかね?
比例代表で当選している先生方が多いので、素晴らしい活躍をしてくださるのでしょうかね。本当に心から応援したいです。
記者からの追加情報
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい
新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい (無料)