広がる「折込チラシ詐欺」 新聞社系代理店、ABC部数を7~10%上回る定数提示し広告営業
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「押し紙」で生じる損害を相殺する役割を担っている折込チラシだが、ついにピンチに追い込まれた。 |
「折込詐欺」が巧妙に手口を変えて広がりはじめている。かさ上げした実態のない新聞部数をクライアントに提示して、新聞の実配部数を超えた枚数のチラシを発注させる手口である。
たとえば配達している新聞が1000部しかないのに、巧みな(虚偽の)セールス・トークで、折込チラシを1200枚発注させられていた事が発覚すれば、クライアントは憤慨するに違いない。そして当然、水増しされたチラシの代金を返済するように要求するだろう。
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ビニールで包装されたのが「押し紙」。新聞で梱包された中身は、過剰になった折込チラシ。岡山県内の新聞販売店の内部。![]() |
被害額は、恐らく高齢者をねらった「振込詐欺」の比ではない。チラシは新聞に折り込まれ、日々、全国各地で配達されているからだ。
「もっとチラシを折り込め!もっとチラシをよこせ!」と、旗を振るのが代理店の営業マンの仕事であるが、虚偽の定数を見せて売り込む行為は、常軌を逸している。
こうした暴挙に走らざるを得ない背景に、新聞業界の行き詰まりがあることは言うまでもない。相当に深刻なようだ。
わたしは9月下旬、東京都と神奈川県を対象に折込詐欺の実態を調べた。その結果、新聞業界の信用にかかわる恐るべき新事実が浮上したのである。
◇チラシ枚数がABC部数を上回る異常具体的な典型例を引き合いにだして、問題の核心を説明しよう。次に示す表は、朝日、読売、毎日のABC部数と折込定数(適正とされる折込チラシの基本枚数)の比較である。
基準にした折込定数表は読売新聞系の折込広告代理店 「読売IS」が作成した内部資料 で、同社のサイトでも紹介されているものである。
新聞社/数量 | ABC部数 | 折込定数 | 水増し率 |
---|---|---|---|
朝日・世田谷区 | 90,019 | 93,200 | 3.4% |
読売・板橋区 | 58,550 | 64,250 | 8.8% |
毎日・荒川区 | 4,279 | 6,100 | 29.8% |
読者は上記の数字の矛盾に気づくだろうか?
念を押すまでもなく、ABC部数というのは、日本ABC協会
が定期的に調査する新聞の発行部数である。あるいは実質的に販売店に搬入される部数。当然、新聞の破損に備えて予備紙も含んでおり、実際に配達される枚数がABC部数を上回ることはない。
これに対して折込定数は、すでに述べたように、適正とされる折込チラシの枚数である。これは新聞部数に基づいて決められる。たとえば1000部の新聞に対しては、チラシも1000枚に設定するのが原則である。仮に1200枚に設定すれば、チラシは過剰になる。つまり水増し状態である。
正常な取り引きでは、折込定数がABC部数を上回ることはあり得ないはずだ。ところが上記の3例では、折込定数がABC部数を上回り、広告主が折込定数に従ってチラシを発注すれば、自動的にチラシが水増し状態になってしまう。
そしてもし、「押し紙」が存在するならば、水増しの規模はもっと大きくなる
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神奈川県におけるABC部数と折込定数の「逆転現象」地域の一覧表。
(上)東京都全域のABC部数。(中)東京23区の折込定数。(下)東京多摩地区の折込定数。
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読者コメント
福岡県O市のY新聞店でもかなりの折込チラシを水増し 毎日廃棄処分している 何も知らないスポンサーがかわいそう
マイニュースジャパンでお正月特別企画として『押し紙&残紙』をテーマに川柳を募集してみてはいかがですか。
紙の増えんこのご時勢に、分割・改廃をチラつかせて年間目標を強制している時点で頭が湧いとる。知人の店主さんが愚痴ってたけどナ。要は『まだ積める余裕があるだろ?積めや。』っちゅうこった。
沈む泥舟にいつまでもしがみ付いとってもなぁ。
電子チラシサイトシュフーが大々的に宣伝していますが、新聞関係は脅威を感じているようです。
それだけでなく、新聞折り込みチラシは、広告主から、半額くらいに広告料金を皆から一気に要求されるのがスタンダードな状況でしょう。
火のないところに煙はたたないわけでして、これだけ暴露されると、巧妙な形で行われてるんだろうけど、一度失った信用は取り戻せない。それが証拠に、度の新聞社も今、部数の増加よりも広告に力を入れ、紙面の文字は大きいため情報量が少なく、また、紙面のほとんどを広告に費やしている新聞(日経など)もある。結局、こういうことの積み重ねが最後には読者離れに直結していくのだと思う。
最近、2ちゃんねるで、新しいタイプの折込チラシの水増しさぎの暴き方が話題となっている。現実、さいたま市Yで暴かれた店があるようで、なるほどと感心した。持込チラシで店を嵌めるやり方か、いいかも。
結局しょせん、「ポン引き週刊誌」でしかないことを天下に示した。
今、読売の押し紙の記事を書かないのは週刊新潮の自殺行為。今後は読売をはじめとする新聞社と同じく衰退の坂道を転げ落ちるにちがいない。 黒薮氏は新潮社の犠牲者だ。
「元ASA関係者」の今までのコメントを専門家と分析した結果、「現役のYC関係者」らしいことが判明した。間違いなく、「押し紙裁判」を読売有利に誘導するのが狙い。
一般的な判断では正論です。私の調査では、例えば毎日新聞では毎月各店の折り込み収入を提出させます。(発証金額も)、ご存じのとうり、この二つが販売店の全収入にほぼ等しいが、それを「基準」にして「請求額」を決めているのです。ここでお解りでしょうが、折り込み収入は全て販売店のものとはならない仕組みになっているのです。何年もの報告ですので、ウソの報告はできません。
年間増紙目標は死んでも死守。だってよ
現在の各販売店の折り込み定数を毎日折込株式会社のサイトで確認し、半年前の定数をサンダイレクトのサイトで確認すると、毎日の荒川区の定数変動もわかる。各店の定数は発注部数に予備を上乗せしたもので、昔から広告主には公開されていて、最近首都圏の詳細な数字もネットで公開された。で、発注部数と実配部数との間に大きな乖離があれば広告主は詐欺の被害者となり、粉飾して過大に発注した販売店が折り込み料詐欺の犯人。
15日ではなく、18日のまちがいでした。訂正いたします。
私も新潮社が「押し紙」の記事を最近週刊新潮に書かない事を不思議に思っておりました。しかしやはりそういうことなんでしょうね。新聞も週刊誌も「裏」を知っている人から見れば、一般の人々は「猿芝居」を見せられているってこと。ナベツネと佐藤社長が「適当にそれらしくやろうや」と話しあっているにちがいない。
15日の2回目の文章は難解で、外国語なら辞書を引けばわかるが。簡潔に、解り易く書いてくだちゃいませ。
新聞社はジャーナリストじゃないな。
真実をひた隠すんだから(笑)
但し、都市部においては、過去半年間の平均部数を算出して折込定数としている為、
4月、10月に紙を送り付ける様な事は行われていません。
しかし、地方ではまだ行われており、なかなか是正されていません。地方紙とその系統の折込会社の反対が強いからです。
折込定数は、各本社間、地方紙、折込会社等で少し違います。地方紙の強い地区だとその系統の折込会社のやり方に合わせる場合があり、地方で良くあるのは、4月、
10月のABC部数の一発勝負で決めるやり方です。4月、10月のみ大量の紙を送り付けて翌月には切る方法です。この月の部数が、半年間の折込定数となります。以前は一番メジャーなやり方でした。
折込定数の決め方は地区によっての違いがありますが、ABCの市郡別調査の結果は半年遅れで発表される為、送り部数とは半年間のタイムラグが生まれます。下記の方は書かれている様に販売店の所在地により正確な地区部数を把握するのは困難です。但し、店別は若干の調整がある場合もありますが、市郡単位での部数の水増しは不可能なんです。ABCを大幅に超える折込定数は不可能と言う事です。黒藪紙の調査には疑問があります。
それから詐欺だと断じている毎日の3割上乗せというのもかなり怪しい。折り込み定数が2010年1-6月でABC部数がそれ以降の調査だと、新聞社が不正部数分を整理したらABC部数の方が少ないのは当たり前。実際に荒川区で専売をやめ日経にお願いし2100部を900部に減らしている。しかも販売店の所在地が文京区の専売所もありそこの定数は1950部、ABC部数で文京区の部数とカウントされてたら名誉毀損モノだよ。
折り込み定数の予備分にケチをつけるのなら、知り合いの販売店で機械で組む前に正確にチラシを数えて、実配+2%以外は広告主に返却させ、巻き込みや2枚重ねで不足したら再度もらって来て組み直しさせて下さい。黒薮氏の主張は机上の空論だから、地獄のような罰ゲーム状態になると思うけど・・・
最近新聞の折り込みチラシもパチンコか大型家電量販店くらいになってるな。広告主もやっと新聞の折り込みチラシの効果があまりないことに気づきはじめたんじゃないの。
店を引き継いだ時から、実配数よりはるかに多くの新聞が社から送り込まれていたので、どの所長も罪悪感は持っていない。クソをしている時に匂いを感じないのと同じだ。
この問題は中々表面に出にくい。
架空読者によって帳簿が底上げされているのだが、クライアントはもちろん、広告代理店さえ見破れない。
販売店経営者自身も経営状態がわからなくなってきている。
つまるところ、誰も責任を取る意識がないというところだ。
古紙回収業者も仲間だから始末が悪い。
スポンサーのみなさんは、新聞以外の広告媒体を捜した方が効率は良いといえる。
今や担当が来て帰ると、どこの店でも塩撒いてますよ。押し紙・貧乏神・糞担当
本当にひどい実態だ。
過払い請求返還訴訟のように、広告費返還訴訟もどんどん活発化されることを願います。
さいたま市Yだが
当店3300実配
虚偽報告4200
900の水増しです。
押し紙って法律で詐欺罪に当たらないのでしょうか?どう見ても、広告主をだましてますよね。
また、新聞社にエコや環境語る資格ないし、ジャーナリズムさえも語ってほしくないね
週刊朝日が唯一国民に真実を伝えると自賛。では大朝日は、なに?
記者クラブで役人情報丸呑みだからウソばかり。40代以上の人間が消えれば、押し紙・新聞社も淘汰されるね!
日本ABC協会の役員見ただけで、広告主も代理店も、ともに、もたれあいじゃないの?って、感じで、真のデータとは思えないんですが、どうでしょうか?
岡山県のヤマダ電機は8月から折込枚数を2~3割減らしていますが、山陽新聞の読者には十分届きます。
廃棄される分が減っただけですから。
ABC部数は店送り部数で配達部数はマイナス20%~60%だと聞きます。ABC部数上回るチラシ。詐欺集団にチラシ手当て?詐欺罪で・地検特捜部にみんなで告発しよう。
ABC,公取、警察はこの問題に関して絶対に動かない。しつこく電話をしたが色々な所に回され怒りだけが残りました。週刊新潮はもっと取り上げてもらいたい。
この手の詐欺がまだ続いてるのですか。新聞・TVの小沢ネガキャンと併せて、実に悪質な犯罪行為。徹底的に追及して下さい。黒藪さんのご健闘に心より敬意を表します。
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