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ウコンとお酒の同時摂取で肝臓悪化の新研究結果 「毒になるウコン飲料」はこれだ!

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ドラッグストアに並ぶウコン商品。効かないものだけならまだましだが、中には危険なウコン飲料もある
 前回記事で「毒にも薬にもならない」とハウス食品『ウコンの力』を紹介したが、一方でウコンには肝硬変の患者が飲んで死亡した事例も起きており、肝臓に異常のある人にとってウコンは禁忌だ。では健康な人が二日酔い予防にお酒と一緒に飲むのは安全かというと、実は今年(2012年)に入って韓国で、ウコンの有効成分「クルクミン」とアルコールとの同時摂取で肝炎が悪化する、という論文が発表されている。動物実験の投与量をもとに見積もった危険な量は大人でクルクミン920mg/1日。普通の食事や『ウコンの力』程度なら超えないが、高吸収・高濃度に加工された飲料・サプリなら簡単に超えてしまう。お酒と一緒に飲み続けると肝臓悪化を起こしかねない要注意のウコン飲料・サプリを紹介する。
Digest
  • 過去には肝硬変悪化での死亡例もあるウコン
  • 原因は鉄分かクルクミンか?
  • クルクミンとアルコールとの相乗作用で肝臓悪化の新研究
  • 健康な人でもお酒と一緒に飲むのは要注意
  • 危険な目安量は1日920mg
  • 高濃度・高吸収加工に注意
  • なぜハウス食品は高吸収クルクミンをやめたのか?

過去には肝硬変悪化での死亡例もあるウコン

前回記事(効かないウコン飲料)に対し、コメントの中に「プラシーボ(偽薬効果)だとしても害がないのなら私は飲む」というご意見があった。

1本100円程度のものなのでそうした考えもあると思うが、実はウコンには死亡例も出ている。2004年10月、日本で肝硬変の60代女性患者が、医者に黙って粉末ウコンを毎日スプーン一杯飲み始めたところ、2週間で症状が悪化し、3か月後に死亡した、という事件が起きた。

その後、その女性が通院していた東京逓信病院が調査したところ、他にもB型・C型の慢性肝炎患者など11人に同様の症状、すなわちウコン摂取後の肝機能障害の発症がわかった。

東京都は2005年1月14日に「ウコン摂取による肝障害の疑い」という注意勧告を発表している。(以上、拙著『危険な健康食品から身を守る本』コモンズ刊2005年より)

そもそも、国立健康栄養研究所のホームページにも「(ウコンの)大量摂取による肝臓の脂肪変性が示される」という指摘がある。では肝臓の脂肪が変性してしまうような有害な摂取量とは、どれくらいなのか。研究所のホームページの出典となっている「日本薬草全書」を見たが量の記述はない。

ガン患者に対する3か月の臨床実験で、1日8gの投与まで安全とされているが、それは短期投与であり、長期にわたる影響は不明といわれている。

少なくとも、すでに何らかの肝障害を起こしている人にとっては、ウコン飲料やウコンサプリは禁忌といえる。

原因は鉄分かクルクミンか?

ウコンによる肝障害の原因成分については、2011年6月29日のNHK「ためしてガッテン」が、ウコンに含まれる大量の鉄分が原因とする三重大学医学部附属病院栄養管理部の岩田加壽子室長の調査結果を紹介している。健康な人なら問題はないが、肝炎にかかった人は鉄が肝臓にたまりやすく、その過剰な鉄が酸化促進作用で肝炎をさらに悪化させるという仕組みだ。

NHK番組の放送後、ハウス食品をはじめウコン商品を扱うメーカーは、自社製品の鉄分は少ないので安全、という説明を掲載している。

しかしウコンの肝障害の原因は、鉄分だけと言いきれるのか?ウコンの有効成分「クルクミン」にも、体内で酸化を抑える抗酸化物質として作用する、という効能が指摘される一方で、場合によっては鉄と同じように酸化促進作用も持つ両刃の剣としての作用がある、と指摘する研究もある。

クルクミンとアルコールとの相乗作用で肝臓悪化の新研究

そこでクルクミンの肝臓への悪影響を示す研究が他にないか調べたところ、今年2012年に発表されたばかりの韓国での動物実験の論文が見つかった。論文名を邦訳すると「アルコールによって誘発された肝臓障害に対するクルクミンの有害影響」。まさに日本で盛んに宣伝されている二日酔い防止や肝機能強化といった効果に対するまったく逆の作用を指摘した研究だ。

その内容は以下のとおりで、

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図1アルコールとクルクミンの相乗作用で肝障害が悪化。韓国の動物実験のデータ。

図2クルクミン投与後の血中濃度の変化。経口投与と静脈注射の差は100倍

超微粒子化クルクミン90mg配合のウコン飲料。吸収率が27倍だとすると2430mg相当となり、危険目安920mgの2.6倍になる

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ウコンはターメリック2012/11/26 16:14
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