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読売販売店パワハラ訴訟、その道20年の原告が語る〝新聞業界の闇〟「押し紙率10割の店もありました」

情報提供
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首都圏の読売新聞販売店Y社で4年以上もパワハラを受け続けたと訴える原告の岡村氏(仮名)
 
 
 
  
 新聞販売店で20年以上働いてきた岡村隆行氏(40代前半、仮名)は、配転先の店長のもとで「クソ野郎!」と罵られ続け、ほぼ毎日、難癖をつけられて深夜まで帰してもらえず、休みの日でさえゆっくり寝れない日々を4年以上も送った。営業のインセンティブである年間約40万円分のポイントを奪われてもなお耐え続けたが、2011年2月、ついに無理矢理、退職届を書かされ解雇。岡村氏は今年1月、会社と店長を相手取り、パワハラによる精神的苦痛を被った慰謝料300万円などを請求する訴訟を東京地裁に起こした。健康保険や厚生年金に加入させない給与制度や部数偽装(押し紙)の実態など「闇だらけの新聞業界」の現場について、同氏に率直に語ってもらった。
Digest
  • 「おい!クソ野郎、ちょっと来いや!!」
  • ポイント年間約40万円分や時計も…
  • 退職届を無理矢理書かされて解雇
  • 読売会会長のチカラで業界から放逐?
  • Y社「無回答」
  • 「給与明細」が物語る新聞業界の闇
  • 実数の倍が送られてくる押し紙の実態

「おい!クソ野郎、ちょっと来いや!!」

原告の岡村隆行氏(40代前半、仮名)によると、パワハラ事件の経緯は次のようなものだった。岡村氏が新聞販売店で働き始めたのは、1991年。その後、20年以上にわたり、一貫して、新聞配達、集金、営業などの新聞販売店業務に従事してきた。

勤務先は、東京都に本社を置く株式会社Y社(仮名)の系列店。Y社は首都圏で新聞販売店を設置、運営する会社で、グループ店を含めると関東一円や関西、中国、福岡に手広く新聞販売店を持ち、従業員は計約2千人に上る大企業だった。配達する新聞は読売新聞が中心だが、なかには日経新聞などをメインに配る店もあった。

岡村氏は、この会社の関東の販売店で長らく勤務した後、数年間、中国地方に異動し、2007年に再び関東に戻った。勤務先は、首都圏の読売新聞の販売センターA店。そこには、店長格の島田晋次(仮名)という人物がいた。

「島田とは仕事をしたことはなかったですが、悪いウワサばかり聞いていました。消火器をぶん投げて部屋を真っ白にしたとか、社長のクルーザーに乗って釣りに行って、従業員を海に落としたとか。とにかくチンピラみたいな人間だと聞いていました」(岡村氏)

島田の態度は、初対面から〝異常〟だったという。岡村氏が、菓子折りを持参して「宜しくお願いします」とあいさつした。すると島田は、いきなり、机の上にドンと足を挙げ、「あ、そ」と言うなり、菓子折りを床に放り投げたというのだ。岡村氏はびっくりして拾い、菓子を棚の上に置いたという。

その後、島田は、岡村氏のことを、名前では呼ばず、「てめえ!」「クソ野郎!」「この野郎!!」などと呼ぶようになった。販売店には大学生や予備校生など20人近くの従業員がいるが、このような呼び方をされていたのは岡村氏だけだった。

新聞を積んで出ようとすると、「おい!クソ野郎、ちょっと来いや!!」と呼び止めたりするので、近隣の人が心配になって「どうしてあなた、クソ野郎と呼ばれているの?」

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あん摩マッサージ指圧師の証言文書。当時、原告が通った整体院で、原告がパワハラを受けていた、と話していたことが記載されている

訴状。全文ダウンロード可

給与明細

「最後の勤務先となった日経販売店では、日経新聞を2千部配るのに対して、販売店には倍の4千部がきていました」。つまり日経新聞は押し紙率なんと10割。読売新聞は2割だったという。

都内の大手町で建設中の読売本社ビル

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南北トンスルランド2013/09/27 18:06
M2012/09/18 23:25
tadashi2012/09/15 01:27
M2012/08/30 16:11
さいたま市Y2012/07/05 05:02
元ASA関係者2012/06/02 13:05
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訴状ダウンロードできるようにしました。(2012/6/9)
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