読売販売店パワハラ訴訟、その道20年の原告が語る〝新聞業界の闇〟「押し紙率10割の店もありました」
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首都圏の読売新聞販売店Y社で4年以上もパワハラを受け続けたと訴える原告の岡村氏(仮名) |
- Digest
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- 「おい!クソ野郎、ちょっと来いや!!」
- ポイント年間約40万円分や時計も…
- 退職届を無理矢理書かされて解雇
- 読売会会長のチカラで業界から放逐?
- Y社「無回答」
- 「給与明細」が物語る新聞業界の闇
- 実数の倍が送られてくる押し紙の実態
「おい!クソ野郎、ちょっと来いや!!」
原告の岡村隆行氏(40代前半、仮名)によると、パワハラ事件の経緯は次のようなものだった。岡村氏が新聞販売店で働き始めたのは、1991年。その後、20年以上にわたり、一貫して、新聞配達、集金、営業などの新聞販売店業務に従事してきた。
勤務先は、東京都に本社を置く株式会社Y社(仮名)の系列店。Y社は首都圏で新聞販売店を設置、運営する会社で、グループ店を含めると関東一円や関西、中国、福岡に手広く新聞販売店を持ち、従業員は計約2千人に上る大企業だった。配達する新聞は読売新聞が中心だが、なかには日経新聞などをメインに配る店もあった。
岡村氏は、この会社の関東の販売店で長らく勤務した後、数年間、中国地方に異動し、2007年に再び関東に戻った。勤務先は、首都圏の読売新聞の販売センターA店。そこには、店長格の島田晋次(仮名)という人物がいた。
「島田とは仕事をしたことはなかったですが、悪いウワサばかり聞いていました。消火器をぶん投げて部屋を真っ白にしたとか、社長のクルーザーに乗って釣りに行って、従業員を海に落としたとか。とにかくチンピラみたいな人間だと聞いていました」(岡村氏)
島田の態度は、初対面から〝異常〟だったという。岡村氏が、菓子折りを持参して「宜しくお願いします」とあいさつした。すると島田は、いきなり、机の上にドンと足を挙げ、「あ、そ」と言うなり、菓子折りを床に放り投げたというのだ。岡村氏はびっくりして拾い、菓子を棚の上に置いたという。
その後、島田は、岡村氏のことを、名前では呼ばず、「てめえ!」「クソ野郎!」「この野郎!!」などと呼ぶようになった。販売店には大学生や予備校生など20人近くの従業員がいるが、このような呼び方をされていたのは岡村氏だけだった。
新聞を積んで出ようとすると、「おい!クソ野郎、ちょっと来いや!!」と呼び止めたりするので、近隣の人が心配になって「どうしてあなた、クソ野郎と呼ばれているの?」
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あん摩マッサージ指圧師の証言文書。当時、原告が通った整体院で、原告がパワハラを受けていた、と話していたことが記載されている
訴状。全文ダウンロード可
給与明細
「最後の勤務先となった日経販売店では、日経新聞を2千部配るのに対して、販売店には倍の4千部がきていました」。つまり日経新聞は押し紙率なんと10割。読売新聞は2割だったという。
都内の大手町で建設中の読売本社ビル
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読者コメント
日本の三大紙は、読売、朝日、聖教。
最近は新聞どころか、テレビ持っていない人も多い。
部数減は深刻です。毎日新聞の場合 09年380万部→10年356万部→11年342万部。
新聞の部数減は進んでいると思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか?ちなみに私は2年前に新聞止めました
最近担当者が店に来る回数が明らかに減っています。これはどういう事ですか?閉店ですかね?
月初め不着したら殺す7からな
と、脅迫するチンピラ店もある
本社の所長選択に疑問を感じる
新聞社が100%悪で、販売店は100%被害者というMNJのキャンペーンは終了ですか?新聞社元社員とかが早期の年収1000万円突破で勝ち組顔しても、地域・能力によるが3000部を持つ新聞屋は夫婦+後継者3人がそれぞれ年収1000万だったりするし、部数偽装やパワハラ次第ではほとんど働かずに済む。新聞社への嫌がらせの押し紙報道キャンペーンも、結局は悪徳店主の下僕役となっているのが現実だしなぁ。
記者からの追加情報
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