“ブラック派遣”ワーストは世界2位ランスタッドと日研総業、マージン率開示義務を無視ーー派遣大手20社の透明性ランキング
派遣法を無視するブラック派遣会社のワーストランキング(6位以下は最後の画像参照) |
- Digest
-
- 派遣労働者が、より適切な派遣会社を選択するための指標
- 厚労省「ネットで開示しなくても構わない」
- 大手20社中ウェブ公開はわずか3社
- 「マージン率ってなんですか?」と派遣会社社員
- 「来訪しないとダメ」なパソナとヒューマン
- ワーストは違法と知りつつ開示拒否した2社
派遣労働者が、より適切な派遣会社を選択するための指標
専門26業種の撤廃(※期間の定めなく派遣社員に仕事を任せられるのは、通訳やアナウンサーなど専門的な26の業種に限るとしていた規制を緩和し、その他の業種でも3年を超えて派遣を利用できるようにする)等を柱とした労働者派遣法の改正案は、2014年の通常国会・臨時国会で続けて廃案となったものの、政府は2015年3月の通常国会にも提出を目指している。
マージン率を説明する一般的な概念図。上記の場合、マージン率は「27・0%」となる(画像は栃木県足利市の人材派遣会社ナイスサービスのホームページより) |
現行の派遣法は、民主党政権下の2012年3月28日に改正(同年10月施行)されたもので、「日雇派遣の原則禁止」「1年以内に退職した会社への派遣禁止」のほか、派遣会社に対してマージン率や教育訓練の取り組みなどについての情報開示義務を課したことがポイントだった。
「マージン率」とは、派遣会社が派遣先から受け取る派遣料金に占める派遣料金と派遣労働者に支払う賃金の差額の割合のことで、以下の計算式で算出される。
派遣会社のマージン率がブラックボックスとなっていた当時、一部の業者が超高額のマージン率を設定しており、派遣労働者ワーキングプア化の温床になっていると批判されていた。これを防ぐために、日弁連や労働団体は派遣会社に対しマージン率の上限規制を課すよう求めたが、成立した改正法ではこの要求が盛り込まれなかった代わりに、マージン率の「情報開示義務」が課された。
労働者が派遣会社のホームページなどでマージン率を確認できるようになれば、労働者にとっての判断材料が増え、より適切な派遣会社を選択できるようになる、という趣旨であった
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り5,322字/全文6,222字
【表1】派遣業界で大手と目される20社の社名と売上、それぞれの特色
「オー人事」のスタッフサービスから送られてきたマージン率資料。
PDFで送付されてきたリクルートスタッフィングのマージン率資料。ウェブ公開していた3社を除けば、最も入手しやすかった
パソナのマージン率資料。「本来は関係者にしかお渡ししていない」と強調されつつ、大手町の本社まで訪ね入手した。
【表2】今回調査した20社の対応をランキングにしたもの。
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
>ウェブで閲覧できたのはテンプ、インテリジェンス、東京海上キャリアの3社だけ。
facebookコメント
読者コメント
テンプですが、マージン開示はしていても、他のところで違法行為がありますよ。労働条件を書面で提示しなかったり、必要のない個人情報を取得したり。。。
行政とNHKよりあなたたちが先でしたね。
すごい!
派遣会社の15% マージン率など公開せず
9月11日 4時00分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160911/k10010680361000.html
仁風林に出入りしてた方たちがTV番組に出演して派遣業者に有利になるような意見ばかりを言っているように感じます。
パソナさんは仁風林のお車代の詳細、仁風林に出入りしていた現役官僚について積極的に情報公開をしてもらえないのでしょうか~。
記者からの追加情報
会員登録をご希望の方はここでご登録下さい
新着のお知らせをメールで受けたい方はここでご登録下さい(無料)
企画「ココで働け! “企業ミシュラン”」トップページへ
本企画趣旨に賛同いただき、取材協力いただけるかたは、info@mynewsjapan.comまでご連絡下さい。会員ID(1年分)進呈します。