ソフトバンク 孫会長離れ「まったり」感漂う――ライン長の満足度ばかり高く、「役職バトンタッチ制」導入で50代課長を一掃
ソフトバンク社員のランク別総合満足度。一番高いのは、総合職(全国転勤アリ)の「M」(約2千人いるマネジメント領域=課長以上のライン長たち)だった。 |
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- 離職率は低い
- 社員満足度「課長以上から中途入社するなら…」
- 課長は50歳まで――「役職バトンタッチ」で役職定年
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離職率は低い
有価証券報告書ベースでも2012年3月の22,710人→2013年3月24,598人と1888人増えたので、新卒分を差し引いても、この年の中途1450人採用というのは、まんざら嘘でもなかった。
「『法人MI本部』だけで、営業1千人を採ったんです。MI=モバイル・インターネット。つまり、企業向けに、iPhoneなどモバイル通信の活用を提案するソリューション営業部隊です。かつてヤフーBBでパラソル部隊を展開したように、人海戦術のローラー作戦でひたすら営業をかけました。光通信のような仕事内容なので、中途は、光通信出身者もたくさんいました。最近は、営業力を買われてだと思いますが、リクルート出身者がよく転職してきます」
ソフトバンクは2015年4月1日付で通信4社を合併。非常に紛らわしいことに、2015年7月1日付で名称変更を行い、「ソフトバンクグループ」(旧称ソフトバンク=持ち株会社)と、「ソフトバンク」(旧称ソフトバンクモバイル=昔のヤフーBB、日本テレコム、ボーダフォン、ワイモバイルの通信4社が統合された事業会社)の、2社体制に再編した。
現ソフトバンク内の組織名称としては、「法人事業統括」が旧ソフトバンクテレコム、「コンシューマー事業統括」が旧ソフトバンクモバイル、「テクノロジーユニット」が旧ソフトバンクBBを引き継いだ組織である。なおソフトバンクグループには別途、国内でヤフー、海外でスプリントなど、大企業を多数抱えている。
この法人MI本部は、現在のソフトバンク内の組織名称でいうと、現組織図(下記参照)のなかの、「法人事業統括」(旧ソフトバンクテレコム)の下にあり、「法人第一営業本部」~「法人第七営業本部」と並列で存在していた。
コンシューマ事業統括(旧ソフトバンクモバイル)のほうは、銀座など直営店が数えるほどしかないため、ソフトバンクショップを経営する代理店への営業とその管理が仕事となるが、法人事業統括のほうは、企業に直接の営業をかけるのが仕事の中心だ。
ソフトバンクの現在の組織図(2017年)=詳細はPDF参照 |
法人第一営業本部~第三営業本部が業界別で、「第四」が首都圏中心の中小企業全般をターゲットとし、「第五」「第六」が地方やパートナー営業。第七が新規開拓営業だ。
人員規模としては、法人第一営業本部(本部長)の下に、統括部(統括部長)が3~4個あり、その下に部(部長)が3~4個。部内には課(課長)が2つほどある。課には総合職5~6人が所属する。別途、アソシエイト職だけの「サポート課」がおかれ、顧客情報の登録作業など事務作業だけを担当しているという。つまり、1つの営業本部が300~400人といった規模である。
営業担当者1千人規模が在籍していた法人MI本部は、一通りのローラー作戦を終えて2015年ごろに解散し、これら第一~第七の営業本部を中心に人員を移し、現在に至る。
「自分は、まず、『半年でiPhoneを300台売れ』という目標を課されました
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ソフトバンクが2016年度末に完全運用を開始した「役職バトンタッチ制度」(詳しくはPDF参照)
ソフトバンクのランク別報酬テーブル。給与について社内では非常に透明性が高い。
ソフトバンクのキャリアパスと報酬(2017年現在)
11段階の個人評価と、そのボーナスへの影響。最大2倍になる。
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読者コメント
ソフトバンクの選考受けたけど、目も合わせられない・緊張からか声が聞き取れないコミュ障気味の面接官が出てきて困ったわw ソフトバンクはブラック企業というイメージしかない。
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