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消える仕事、生まれる仕事――10年後に食える仕事 食えない仕事 テクノロジー編

情報提供
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各エリアの就業人数分布
 本章では、「消える仕事」と「生まれる仕事」について、「量」(=雇用者数の増減)の点から分析する。雇用へのインパクトを理解するうえで、失業エリアにどのくらいのボリュームがあるのか、ざっくり全体像をつかむことは重要だ。そこで、日本でもっとも網羅的に職業ごとの就業人口を把握している国勢調査結果を用いた。なお、雇用の質(賃金の高低や、正規・非正規といった雇用安定性)は、次の第6章で述べる。
※データベースは末尾よりエクセルダウンロード可
Digest
  • ざっと3分の1の職業が消える
  • 変化が速く人数が一番多い「販売店員」
  • とにかく事務員だらけ、5人に1人が事務員
  • 不要な仕事の併存がスキルアップを阻害
  • 会計事務従事者
  • 自動運転化と「自動車運転技術者」150万人の行方
  • 身体性なきAIを人間が補う
  • レコメンド周りで発生する新しい職業
  • あらゆる業界が「現場→集約化センター」に
  • ワークショップ:「AI化で生まれる仕事」を考える
  • マグロは判定できるか
  • 医療と交通
  • 銀行の融資
  • テレマティクスな保険と融資
  • 銀行、病院、役所のAPI次第
  • 〇〇ペイで生れる「気持ち悪い」仕事

⑴消える仕事とそのスピード

ざっと3分の1の職業が消える

最新の国勢調査結果(2015年調査)では、日本国内の就業人数5,889万人の職業が、232個のいずれかに分類されている。それぞれの職業について、本書での定義に基づき、上下(知識⇔技能)、左右(機械/手先/人間)の切り口を入れていくと、5つのエリアのどこに何人が働いているのか、がざっくりわかる。全体に占める比率を円の面積で示したものが右の図で、左下の図には、それぞれのエリアで多い順に10個の職業を記した。

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各エリアの上位10職種※元の詳細データはエクセル形式で末尾よりダウンロード可

左側が、「現状の業務内容を前提とすると、中核業務がいずれテクノロジーに置き換わる」という意味での、“失業エリア”である。ロボティクス失業(①)が28.5%、AIブロックチェーン失業(④)が5.5%、計33.9%となった。別途、「分類不能の職業」が5つのエリアの外に5.1%あるので、これを除外した94.9%を100として計算しなおすと、全体の35.7%が図の左側に位置し、計2,103万人が、現状のままだったら失業する計算になる。

とはいえ、変化のスピードには格差があり、なかでも知識集約型の職業は、工場のライン作業とは異なり仕事内容が時間に比例せず、アウトプットも定型ではないため、「既存の仕事は自動化するものの、より人間にしかできない新しい仕事がプラスされることで、仕事全体の質が変化する」と言ったほうが正確である。

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変革スピードごとの「消える」職業分布

左側(①+④)のなくなる仕事群について、前章で述べた「変化の障害」の段階ごとに3つに分類したものが、右記図である。A,B,Cと、上から順に、なくなるスピードは速い。既得権(法規制)がない分野の職業は、経営者のリーダーシップ次第でどんどんITに置き換わってゆき、変化に対応できない者は撤退を余儀なくされる

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中小企業の労働生産性は大企業の半分未満となっている(財務省「法人企業統計調査年報」より)

宅配便の取り扱い個数推移(国交省)

上:AIと人間の得意・不得意マップ下:AIが能力を発揮する3つの条件

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読者コメント

マグロ判定AIが実現2020/07/12 00:56会員
60代以外も2020/03/25 23:46
60代以外も2020/03/25 23:45
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本稿は、単行本の第5章です。
本文:全約18800字のうち約17700字が
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