オープンハウス連続詐欺事件、上大岡センター営業マンに1年10ヶ月の実刑判決 共犯社員も実刑確実――「会社のストレス」が原因
連続特殊詐欺事件の犯人としてオープンハウスの社員(犯行当時)2人が詐欺罪と窃盗罪で起訴され、うちひとりに実刑判決がくだされた。残るひとりも実刑確実だ。オープン社は神奈川県警と協力して「特殊詐欺」被害防止を訴えるキャンペーンを実施しているが、事件については完全ダンマリを決め込んでいる。 |
- Digest
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- 懲役1年10月の実刑判決
- 「出し子」として利用された
- きっかけは会社の飲み会で知り合った人物
- 動機は「人助け」?
- 窃盗の前科がありながら安易に犯行
- 犯罪者続出でも口をぬぐうオープンハウス
懲役1年10月の実刑判決
5月21日、東京地裁8階の815号法廷は、警察関係者とみられる傍聴人でいつになく混雑していた。保釈中の北野氏は母親に付き添われて入廷し、被告人席についた。黒のスーツに白いワイシャツ、青のストライプのネクタイをつけている。白いマスクで覆われた顔には覇気がなく、気落ちした様子が伺える。
やがて開廷し、結城真一郎裁判官の指示で北野氏は証言台の前に立つ。「最後に何かいいたいことがありますか」と尋ねられ、張りのない声で言った。
「本当に被害者の方がたに申し訳ない気持でいっぱいです。どのような判決もきちんと受け入れていきたいです」
少し間があってから判決が言い渡された。
「主文、被告人を懲役1年10月に処す。未決勾留日数中30日をその刑に参入する――。主文は以上です。いいですか、懲役1年10月の実刑です…」
傍聴席から見る限り、北野氏の様子に動揺はなかった。実刑になる可能性が高いことを聞かされていたのかもしれない。
北野氏がやったのはいわゆる「出し子」役だ。面識のない「指示役」から携帯電話を通じて指示されるまま、高齢者宅を訪ね、銀行員をかたってキャッシュカードや預金通帳を受け取り、ATMで金を引き出し、それを指示されたコインロッカーに入れ、得体のしれない「上層部」に送金した。
起訴されたのは4事件にかかる詐欺・窃盗罪で、被害総額は218万円にのぼる。本人の証言によれば、このほかに起訴されていない事件が2件あり、それを含めると被害金額は400万円ほどになる。
もっともこれらをすべて北野氏が得たわけではない。盗んだ額の7~8%と交通費が報酬として与えられた。報酬額は、起訴された分で約15万円、起訴されていないものを含めて30万円ほどにすぎない。
3ヶ月間で30万円ということは月に10万円の稼ぎである。オープンハウスの給与水準からすると、小遣い銭程度のわずかな金でこの先は会員限定です。
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特殊詐欺に関与したオープンハウス社員(犯行当時)の公判が行われている東京地裁。
懲役1年10月の実刑判決を受けた社員(犯行当時)が働いていたオープンハウス上大岡営業センター(横浜市港南区)。ガールズバーや飲み屋で浪費して金がなくなって同僚に金を借り、その同僚からの誘いで犯行に加わった。
実刑判決を受けた社員(犯行当時)が、高齢者からだまし取った銀行カードを使って現金86万7000円を引き出した銀行ATM(千葉県酒々井町役場)。盗んだ金はコインロッカーを介して面識のない「上位者」(検挙も指名手配もされていない模様)に送金、7〜8%の報酬が支払われたという。
同僚社員を犯行に引き込んだ林氏(詐欺・窃盗罪で公判中)が勤務していたオープンハウス保土ヶ谷営業センター(横浜市保土ヶ谷区)。会社の飲み会で知り合った謎の人物「ナベさん」から特殊詐欺の話を持ちかけられたのがきっかけで、同僚を誘って一緒に加わった。犯行動機は、金を貸していた同僚のための「人助け」だと公判で述べた。
特殊詐欺で起訴されたオープンハウス元社員らは、幅広い年齢層に住宅販売の営業をする一方で、高齢者をだまして大金を盗む犯罪を繰り返していた。写真は林氏が勤務していた保土ヶ谷営業センター。
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読者コメント
死亡者続出のオープンハウス、取材協力者を募集しています
http://www.mynewsjapan.com/reports/2610
【社告】
不動産系は騙すという行為があまりに日常的過ぎる。その業界の悪しき体質がこの事件の遠因になっているように思う。
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