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総合「出会い系サイト」運営会社リクルート、リボンモデルのジレンマ

A:優良企業
(仕事4.5、生活5.0、対価3.8)

 コーポレートミッションとして『まだ、ここにない、出会い。』を掲げるリクルートのビジネスモデルは、ユーザー(個人)とクライアント(企業)をネット上でマッチングさせることで様々な手数料やマージンを抜き広告料を得る、元祖「出会い系サイト」である。GAFAはじめデジタルプラットフォーマーが独占的な利益を生む時代を早々に予測し、約20年前から紙(アナログ雑誌)→ネット(デジタル)へとマッチングメディアを転換。就活、転職活動、バイト、飲食、美容、旅行、結婚、住宅、車、学び…と、人生における節目や重要な選択シーンで、企業と個人をつなぎ、付加価値を創出してきた。

【Digest】
◇タダほど高いものはない「リボンモデル」ならではの悩み
◇「リクナビDMPフォロー」個人情報保護法違反事件
◇ブラック企業の求人を断れないジレンマ
◇リボンモデルのジレンマ
◇雇用形態を「4つ+α」に整理
◇大成功「CV職」継続のホットペッパー
◇PayPayの営業も結局リクルート
◇3年離職率2割にとどまる新卒組
◇統合で事業部別採用廃止、職種別で「一箇所に集める」
◇低調な新事業提案『NEW-RING』
◇社内公募『キャリアウェブ』の基準が緩くなるメリット
◇『KAIZEN』『スクー』人材輩出減る傾向


◇タダほど高いものはない「リボンモデル」ならではの悩み
 なかでもリクルートが得意なのが、全国の中小企業を相手に、共通プラットフォームのサービスを面展開するビジネスモデルだ。いわゆる『リボンモデル』として知られ、クライアント側(大企業だけでなく全国津々浦々の中小零細)のニーズ(人を採用したい、利用者を集客したい)と、ユーザー側のニーズ(就職したい、購入したい、サービスを利用したい)を結びつける。お金は企業側から貰い、利用者は無料か、むしろ逆に『ホットペッパー』のようにビール一杯無料といった割引クーポンが貰える。

リクルートの「リボンモデル」。お客様(ユーザー)に寄り添うとクライアント企業の短期的な利益にならず、企業中心に考えるとリクナビDMPフォロー事件になる。常に利害相反が発生してしまう悩みが現場では生じる。
 ところが、タダほど高いものはない――が世の常だ。このモデルでは、お金をとれるのはクライアント企業側から、というケースがほとんどなので、リクルートには、より多くのカネを企業側から貰って売上を増やすために、企業側の視点に偏ったサービスを開発する強いインセンティブがあり、ユーザー(個人)側の利益に反するサービスも生み出されやすい。

◇「リクナビDMPフォロー」個人情報保護法違反事件
 その典型が、2019年に発覚した「リクナビ個人情報保護法違反事件」だった。実にかつてのリクルートらしい、イケイケドンドンな勢いを感じさせる内容で、『リクナビ2019』に登録した2万6,060人の学生から事前に同意を得ないまま、リクナビ上の個人のアクセス履歴を分析。過去のビッグデータ分析結果と比較することで「内定辞退率」を勝手に予測し、その予測内定辞退率などのスコアを、学生個人を識別できる形で、『リクナビDMPフォロー』というサービス名で企業側に販売していた。

ユーザーとクライアントをつなぐ「リボンモデル」(同社公式サイトより)
 政府の個人情報保護委員会は2019年12月4日、このデータを利用したトヨタ自動車など35社に行政指導を実施。リクルートキャリアにも指導・勧告した。売る側・買う側の双方がコンプラ違反に問われ学生が犠牲になるという、実に「企業中心主義の日本」らしい事件だった。日本の個人情報保護法は企業に対して甘く、抜け穴だらけで、本件では1円の制裁金すら企業側に課されていない。さすがに、この事業を進めていた中心人物は、即退社となったという。

■EUのGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)
 2018年5月25日に施行。EU加盟国に共通して直接、効力を持つ。その特徴として、デジタル社会における個人データの取扱いに関し、本人によるコントロール権を幅広く規定した。個人を特定できるデータを、事業者側が許可なく移送してはいけない「データポータビリティ権」を規定。個人データに基づく当人の属性や傾向の推定(プロファイリング)を拒否する権利も守られる。

 リクルートキャリアとクライアント企業は、就活生個人を完全に特定できる形で、就活生の許可なく、裏で個人の就活履歴情報が加工され売買されていたため、悪質性が高い。厳しいGDPRが制定されているEUでは、本件は、2,000万ユーロ(約24億円)または前会計年度の全世界売上高の4%のいずれか大きい額を上限とする行政制裁金の対象となることが予想される。割に合わないため、まず起き得ない事件といえる。(『もしリクナビ問題がEUで起こったら』

 グレーからブラックぎみなところを攻めるカルチャーは、まさに創業者・江副浩正社長が仕掛けて自ら贈賄で逮捕された「リクルート事件」(1989年)に通底する。上場企業になった現在、リクルートのコンプライアンスは、現場から見て、実際に甘いのか。

「Eラーニングのコンプラ研修を受けなければいけなかったり、取引先の反社チェックも5年さかのぼって照会かけたりと、違法な事案の発生を防ぐ配慮がなされていて、しっかりしているな、というのが正直な実感です。たとえば半期に一回、コンプラに関するメールが来て、『違法なことを部内でやっている気配はないか、労働時間が規定をオーバーしているのに隠れて仕事をさせられていないか』などを聞かれたりもします。パワハラ・セクハラが頻発する職場でもありません」(中堅社員)

 同社「ESGデータブック2021」によると、「コンプライアンス理解度テスト」受講者数は、グループ全体で31,913人。内部通報件数は、323人(いずれも2020年度)。だがこの数字は、リクナビDMPフォロー事件が起きた2018年度も同程度で推移していたため、形骸化して機能しておらず、結果的に歯止めにならなかった。

 商品の企画から、トヨタ・デンソー・三菱商事・三菱電機など35社に販売するまでに至る多数の関係者が、サービス停止までの5ヶ月間、誰も止められなかったのであるから、実に深刻だ。責任者が処分された形跡も残していない。事件の経緯をまとめたページ【『リクナビDMPフォロー』に関するお詫びとご説明】が開示され反省の意を示している点は評価できるので、このページが消えていない限りは同種の再発は起きにくい、とはいえる。

 内定率予測スコア販売と同種のサービスは、競合他社も含め、その後も実現しておらず、革新的なサービスではあった。だが、そもそも学生がこのような情報の使われ方に同意するかといえば、まずほとんどの学生が拒否するのは誰の目にも明らかだ。自分が苦労して獲得した内定を「蹴る」確率を、過去の学生たちの行動から勝手に予測されて数値化され企業に売られるなど、自分にとって不確定要素が増えるだけで、不利にしかならないからだ。

 つまり、もとから同意を得られるはずがないビジネスモデルだったものを、学生を騙してカネ儲けに利用しようという「悪どさ」が根本にあり、リクナビ利用者からの信用と評判は失墜した。かつてトップだった就活プラットフォーム業界でシェアを落とし、いまやマイナビ、キャリタスに次ぐ3位に転落したという。

 「あの事件の影響は大きかったと思います。そもそも企業が支払う料金は業界で一番高いのに、リクナビを使っているだけで企業のイメージも悪くなるので.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



リクルートの主な雇用形態(2021年4月~)は4つに。GE社員、SE社員、TS社員、継続社員。
現在も3年半契約社員を維持するホットペッパー(グルメ、ビューティー)
リクルートの新卒向け開示データ
リクルートの評価詳細&根拠

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