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オープンハウス新卒1年目社員が夏休み最終日に自殺しました ⑥――「2~3倍働かせて給料は1.5倍」契約ゼロならボーナスもゼロ、グループ長でやっと2千万円

情報提供
オープンハウス評価

Caa:不良企業
(仕事2.5、生活1.0、対価4.0)

オープンハウスの人事処遇制度では、夏冬に支給される基礎ボーナスがゼロ。契約件数に応じたコミッションボーナスが自動的に加算される。生命保険の外勤営業職のような、いわばフルコミに近い完全成果連動型だ。ノルマ達成なら初年度から年収1千万円超も可能だが、契約ゼロなら432万円だけ。プロセス(アクション、努力)は評価せず、結果の数字だけを評価する。自殺した新入社員について、「はやく契約をとって稼げるようにしてやらないとボーナスゼロになって生活が苦しくなるので、厳しい指導も彼のためだ、という理由付けもあった」と元同僚は語る。

Digest
  • 生き残ると「3年目で1千万円」は普通
  • 初任給36万円に引き上げ
  • ノルマ達成なら初年度から1千万超、契約ゼロならボーナスもゼロ
  • 〝大器晩成タイプ〟は存在が許されない
  • マネージャー層で1300万円が上限くらい
  • 戸建て事業全体の減収減益でボーナス半減も
  • ペイするのは「グループ長」から、執行役員で6千万円
  • 社内競争も激しい
  • オープンハウスは「業界の嫌われ者」
  • 女性は使い捨てられる
  • 業界未経験者のキャリアステップにはなる

未経験の新人を、いきなり現場に放り込み、初年度から個人の営業結果の数字だけでボーナスを決める。若者を精神的に追い詰め、時に「死の淵」へと突き落とす「ボーナス=完全コミッション制」の報酬体系を詳報する。

生き残ると「3年目で1千万円」は普通

前回記事のとおり、オープンハウスが年800人規模の大量採用を行うのは、離職率が高いからだ。職場によっては、新人のうち7~8割が6ヶ月以内に辞めていく。一方で、死の淵を生き延びた者は「入社3年目で年収1000万円は、普通に可能です」(元同僚)と、それなりに稼ぐ人材に成長する。いわば〝超ハイリスク・ミドルリターン〟な世界である。

人材紹介会社を集めた説明会では、待遇面についてどう話しているのか。

「待遇面は、成果に連動する賞与の一年目の実績が年3ヶ月分くらいで、年収で450万ぐらい、という説明だった。直近だと(月収36万円に上げているから)初年度500万円くらいだと思う。業界では、1棟で億を超える収益物件中心の不動産会社に比べ、オープンハウスは戸建てで単価が安い分、ヒットは打ちやすいとは思う」(人材エージェント)

馬車馬のように働いて成果を出さない限り、ボーナスは本当にゼロ円となってしまい、低賃金で生活は苦しく、日々、上司らに罵倒され、メンタルを病んで辞めるか(社会復帰に何年もかかることもある)、最悪の場合は、タカシさんのケースのように自殺に追い込まれる。この、人生を棒に振るリスクを覚悟のうえで、腕に自信がある人のみ、オープンハウスの門を叩くべきだろう。

初任給36万円に引き上げ

インタビュイー写真最後
「負荷に相応な年収水準になってくるのは、ボーナス1回500万円くらいになるグループ長から上」(元同僚)

「オープンハウスは、ざっくりいうと、他社の2~3倍働かせて、1.5倍の給料を払う会社、というイメージです」(亡くなったタカシさんの元同僚、以下同)

命を懸けるに値するほど、オープンハウスの給料は高いと言えるのか。以下、具体的な給与の内訳と仕事量、ボーナス支給の仕組みについて解説する。

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新卒初任給の推移。3万円ずつ引き上げてきた。

オープンハウスデベロップメントのキャリアパスと報酬

自殺発生当初は、警察の事件事故発生のお知らせにも掲載されていたという

副主任マネージャーの給与と夏の賞与(振込記録=手取り)。残業代が出るようになったがボーナスから引かれた。

オープンハウス社内規定(等級・役職関連)

冬の賞与、給与(振込記録=手取り)。在庫調整の影響もあり、ずいぶん減っている。

全員女性の事務職コースも含めてこれなので、ほとんど女性は活躍できない職場だと考えてよい(主要3社統合のデータ)

時期を記さずに「中途入社5年目1025万円」と開示

評価結果詳細&根拠。オープンハウスデベロップメント(開発)、オープンハウス(販売)、オープンハウスグループ(持ち株会社)の3社は人事処遇制度やカルチャーなど同じで、出向により人材も共有している。

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