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フィリピントヨタ労組委員長が語る 勤務中全身火傷社員の解雇と職場ストリップショー

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フィリピントヨタ労働組合のエド=クベロ委員長
 GMを抜き、トヨタ自動車は今年にも販売台数世界一となる見通しだが、不当労働行為などで、組合員による抗議行動が世界各地で広がっている。特にフィリピントヨタでは、組合の承認をめぐって2001年に約300人の組合員が解雇・停職処分とされ、争議が長期化。だが、日本ではトヨタが海外で行ってきたことが伝わってこない。こうした中、フィリピントヨタ労働組合のエド=クベロ委員長が来日し、トヨタ自動車東京本社で不当解雇を訴えた。委員長に、フィリピンでの惨状、そして社内ストリップショーの経緯を聞いた。

 フィリピントヨタは、従業員約1500人、同国最大の自動車会社だ。「フィリピントヨタ労組」は1998年に結成、労働雇用省に登録された。2000年に団体交渉権を持つ組合として認めるか否かの「組合承認選挙」が社内で実施され、過半数を得た。しかしトヨタ側は、課長クラス105票が含まれていないから選挙は無効だと主張。

 労働雇用省に異議申し立てをし、2001年3月16日、同省長官の裁定で組合が勝利した。

 ところが裁定が下されたその日、トヨタは組合員227名(後に233名)を解雇、70名を停職処分にした。ここから解雇撤回と団体交渉要求の闘争が始まったのである。フィリピン最高裁は2003年9月、フィリピントヨタ労組が団体交渉権を持つ正式な組合であるとの判断を下しているが、トヨタ側は認めず、団体交渉に応じようとしない。

 フィリピントヨタ労組を支援する会などの支援により今年3月29日~4月2日まで、クベロ委員長が来日。3月30日にはトヨタ自動車東京本社を訪ねて交渉した。その直後に話を聞いた。

◇組合を認めず「上に持って行く」と言うだけ 
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フィリピントヨタ労組を支援する会が日本でも結成されており、中央労働委員会に訴えるなど、活発に活動を繰り広げている。フィリピントヨタ労組エド・クベロ委員長とフィリピン日産労組のロデル副委員長の来日中、3月30日には、トヨタ自動車本社と日産自動車本社前で抗議行動を行なった。
 「我々は、不当解雇に対して6年間闘ってきました。今日は、その闘いに参加してきた家族の窮状をトヨタ自動車東京本社で訴えました。

 フィリピントヨタにはもうひとつ組合があるのですが、ここは労働者の窮状を解決できません。解雇されて苦しい生活をしている従業員とその家族を救済することが、唯一この労働争議を解決する道なのです。この点を東京本社で強調しました。

 私たちは、トヨタの東京本社に解決への回答を求めているのですが、彼らは『上に持って行く』と言うばかりで、空振り状態なのです。

 私たちの組合としては、トヨタが労働者に対して行なっている非人間的な行為をとめることを最大の目的としています」
◇組合結成でゴミ分別セクションへ異動させられる
 「1989年11月、19歳のときにトヨタに入り、車体に色を塗る作業をしていました。それからスプレーを使う塗装をし、カローラ、クラウン、ハイエース、いろんな車種の塗装をしました。私たちの工場で生産された車はフィリピン国内で売られるものです。

 塗装の仕事の後は、顧客満足を調べる仕事に変わりました。

 最初は見習い工として週80ペソの給料(小遣いの名目)をもらいました(注=現在1フィリピンペソ約2・5円)。私の記憶では当時の最低賃金が週130ペソだったと思います。この金額でも生活するのが大変でしたから、80ペソでは苦しかった。

 3カ月後に準社員になり、さらに3カ月後に社員になりました。正社員になると最低賃金を獲得できます。

 1992年に組合が結成され、私は組合員になりました。しかしこの組合をトヨタは認めず、違法であるとされました。1993年~1997年までは、労働組合と経営者が結託した形になって、この間は、実質的に組合はなかったと言っていいでしょう。

 ほんとうに労働者の権利を守らなければならないと思い、1996年~1997年にかけて労働組合をつくろうと動き始めました。社内では『頭の固いやつだ』というように見られて、どんどん窓際に追いやられるようになってしまいました。

 こうして新組合を結成したのです(現在の組合の前身)。私の考えに賛同してくれる社員は多く、最初から800人くらいの人が加盟してくれました。

 しかし、そのうちの7人をトヨタが使って、この労働組合は無効である(団体交渉権を持つ組合ではない)とフィリピン労働雇用省に訴えさせたのです。

 こうなると最高裁の判決が出るまでに長い期間を要してしまいます。そこで仕方なくまた、新しい組合をつくることにしたんです。こうして1998年に誕生したのが、現在のフィリピントヨタ労働組合です。

 会社側は、ゴミ分別セクションというのを特別につくり、私はそこに異動させられました。もちろん私のために特別につくられたセクションだから人員は私ひとりだけ(笑)。文字通り、ゴミの分別作業だけで工場の仕事はやらせてもらえませんでした。ほかの組合員と私が接触するのを避けるためです」
◇就業時間の前後に4時間の残業
  「日本と似たシステムはフィリピンでも導入されていますが、過労死や過労による精神疾患を患う人は私の知る限りはいません。

 フィリピントヨタではファイブSというのがあります。Sweep(掃除)とかSのつく単語が5つあり、それが目標とされているのですが、そのほかのSが何かは忘れてしまいました。

 通常の仕事が終わった後、特別な作業もしなければなりません。自分の仕事が終わっても同僚の仕事が終わらなかったら手伝わなければならないのです。

 1990年代は、8時間の就業時間に加えて4時間くらいの残業をするのが普通でした。残業は、就業時間の前の朝と終業時刻後の2つにわけられます。

 残業代は支払われているのですが、トヨタ内に長時間拘束されることになり、土曜日も日曜日も同じです。日曜日は一応休みですが、トヨタは独自の休日(トヨタカレンダー)をもっていて、日曜日が休みでないこともありました。

 勤務体制は二交代制で、朝7時~午後4時、午後4時~深夜12時まで。メンテナンス部門では3シフト制が導入されており、朝7時~午後4時、午後4時~深夜12時、深夜12時~朝7時となっています。メンテナンスは、問題がないようにずっと見ていなければならないのです。

 朝7時終業開始のときは2時間前の5時に来て準備をし、就業開始前に1時間、作業終了時刻の4時以降は3時間の残業。多い部門は4時間残業ですね」
◇化学溶液タンクに落下した同僚を解雇
 「最初トヨタに入ったときは、世界のトヨタで働けるとうれしく思っていました。でも実際に働き始めると、私にとっては地獄のようでした。

 特に労働者に対する安全設備が不備でした。工場の中は非常に暑く、作業もつらかった。工場内は冷房が効いていません。近くにオーブンのような熱源があり、苦情を出して扇風機を設置してもらいました。でも、汗が乾く間もありません。

 給水器があって水は飲めるのですが、コンベアーの流れ作業なので、ダッシュで走って水を飲み、またすぐに戻ってくるような状況です。

 今の組合を結成した1998年に事故が起きました。

 塗装した部分の油をとるために化学薬品を使うので、そのために化学薬品(液状)を入れるタンクがあります。一緒に働いていた仲間が、そのタンクに落ちてしまったんです。
 
 全身の皮膚がはがれるようなひどい火傷で、周囲の労働者たちは、どうしていいかわからずパニック状態になってしまった。私が彼を助け出し、背負って病院に連れて行きました。ただれてしまった彼の皮膚が私のからだに密着した生々しい感覚を今でも覚えています。

 大怪我をしたその仲間は、トヨタに解雇されてしまいました。出勤できなかったので即解雇です。大火傷を負ったので出勤できないのは当たり前ですが…。

 事故自体が、ケガをした彼の責任だとされ

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「フィリピン工場内のストリップショー組合つぶしを目的とした不法体質」と題して、フィリピントヨタ労組を支援する会は、トヨタ自動車に対して公開質問状を送っている。

■フィリピン現地での活動(写真提供:フィリピントヨタ労組を支援する会)上から、●DOLE(雇用労働省前)抗議行動(2006年8月8日)●TMPCWA定期大会開催で家族と一緒に(2006年12月17日)●IMFグローバルキャンペーン(反トヨタ世界一斉行動日)。日本大使館への要請行動(2006年9月12日)●下2枚:職場でのワッペン闘争。組合員小集会にて(2006年8月)

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読者コメント

通行人2008/10/12 20:15
非人2008/02/01 02:51
これって2008/02/01 02:51
むらしん2008/02/01 02:51
他国で報道2008/02/01 02:51
三河豊田2008/02/01 02:51
masa2008/02/01 02:51
匿名希望2008/02/01 02:51
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この世の中で2008/02/01 02:51
白人に媚びているだけ2008/02/01 02:51
白人至上主義?2008/02/01 02:51
田中洌2008/02/01 02:51
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