リコール王トヨタ 過去3年欠陥車率99.9% トップは三菱ふそう1840%
メーカー別リコール件数ワースト10(過去3年合計値) |
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- 3年分を独自に集計
- 本当にこれだけか
- 海外組ではフォルクスワーゲンが1位
- 「販売台数リコール比率」が高いルノーとプジョー
- 罪に問われることを恐れ情報隠す国交省
3年分を独自に集計
国交省は、とにかくメーカー別のリコール数を絶対に発表しないし、取材にも答えない。国民や生活者の立場よりも企業の都合を常に優先する体質がDNAレベルに染み付いているのだ。主要メーカーも、三菱を筆頭に答えたがらない。一方、マスコミは「巨大広告主である自動車メーカー様に序列をつけるのはけしからん」という意識で、こうしたネガティブ情報は、読者ニーズがあっても、絶対に調査報道をしない。
たとえば前回、報告した三菱自動車の「亡くなった人も浮かばれない」対応を振り返ってみよう(抜粋)。相手は、三菱自動車お客様相談センター(担当・オオシマさん→ナイトウさん→アラオカ課長)である。三菱自動車は、いくらしつこく聞いても無駄だった。
--リコールの台数は教えてもらえますか?
「それも公開していません」
--あれだけ深刻な問題を起こしたのに、何も改善していないの?
「現状では、しておりません」
そこでMyNewsJapanでは、国交省が公表している1件ごとのリコール情報 の、2004年~2006年の3年分すべて、計1,285件を「エクセル」にひたすら入力し、集計・分析を進めてきた。リコールを届け出た社は、計129社にのぼった。当然、販売台数が多いほどリコールは増える可能性が高いため、販売台数との比率でみなければ意味がない。販売台数は、国内メーカーについては、日本自動車販売協会連合会 が、輸入車については、JAIA(日本自動車輸入組合) の輸入車新車販売台数速報に出ている。同様に、2004年~2006年の販売台数を集計した。
このほど完了した集計結果によると、リコール台数ワースト10社は、右上グラフのとおりである。
本当にこれだけか
100台売ったら99.9台は人命を脅かす欠陥車だから修理が必要--。過去3年間のデータは、トヨタの品質軽視・儲け第一主義の姿勢を物語る。2005年10月に、主力車種であるヴィッツやカローラなど、対象車が127万台にものぼる過去最大のリコール(5年前から発売し始めた車のヘッドライトスイッチの不具合)を届け出るなど、過去にさかのぼったリコールを続発させ、消費者を混乱に陥れた。
2004年、2005年と、リコール台数が販売台数を上回っていたトヨタは、2006年に減少したため、3年トータルの欠陥車率は99.9%と、3年ぶりに100を割った。
ネッツトヨタから届いたお知らせ |
リコールだけではない。今年5月、トヨタの販売店は、ノア、ヴォクシーなど16車種のユーザーに対し、「ご愛用者の無料修理実施のご案内(サービスキャンペーン)」と題した郵便を出した(右記参照)。
中を読むと、「長時間のアイドル運転等を繰り返しますと、スロットバルブ部にカーボンが多量に堆積し(中略)エンジンが停止することがあります。」などとある。エンジンが停止するというのは、尋常ではない。人身事故に直結する。だが、これはサービスキャンペーンであり、リコールではないという。
リコールとは、「安全上」「公害防止上」の規定に適応しない恐れがあることが発覚した場合、メーカーが国土交通省に届け出て自動車を回収し、無料で修理しなければならない制度。要するに、リコールとなるのは人命にかかわる深刻な欠陥のケースのみで、ほかに「改善対策」や「サービスキャンペーン」がある。
いずれの場合も、車を修理工場に持ち込むなど消費者に多大な迷惑をかけるが、それらに対する一切の補償義務はなく、消費者は泣き寝入りを強いられる。
しかし、この手紙のケースは、なぜリコールでないのか、さっぱり分からない。エンジントラブルは十分に危険であり、安全上、問題がある。国交省が定めた基準は曖昧で、何をリコールと申請するかは、メーカーの自主性に任されているのが実態だ。
この手紙を受け取ったユーザーが言う。「高い金を払って車を買った一般大衆にとって、国交省うんぬんは、正直どうでもいいわけです。自分たちの不手際のくせして、無料サービスキャンペーンとは、かなり腹立たしい。あたかも自分がタダで直してやるくらいの勢いをもたせたこのDMは、どうなのでしょうか?」
トヨタは、サービスキャンペーンなるものを、2006年に8回、2005年に12回も行っているが、台数は非公表だ。つまり、本来、リコールすべき台数は、もっともっと多い可能性が高い。リコールとして届け出たものだけで100%弱、ということだ。
トヨタからすれば、ユーザーが販売店まで持ってきてくれるし、ガソリン代もユーザー持ち。修理期間中の代車も出す必要はないし、ユーザーが無駄にした時間の補償もしなくてよい。だから、とりあえず販売してしまって、あとから直せばいい。不都合なことはマスコミは書けないからよいだろう…。つまり、消費者を無料のテストドライバーがわりに使っているのが実態なのだ。
海外組ではフォルクスワーゲンが1位
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リコール台数順ワースト24と販売台数。フォルクスワーゲンやメルセデスベンツが上位に。
販売台数に対するリコール比率ワースト24。仏車の高率が目立つ。あなたの愛車は大丈夫?
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読者コメント
品質はいいとおもう12年間一度も故障しないもの
先日トヨタウィッシュ1.8X(本年7月新車購入)で高速道路走行中に、何の警告も前触れも無くエンジン停止。追突事故の恐怖を回避しつつ惰力走行で路側帯に退避。その後エンジンはかかりませんでした。JAFのお兄さんも初めて見るケースだとの事でしたが、ただ今原因究明中です。怖かったぁー・・・。
解決策としては、リコールの一本化と、ガイドラインの作成が必要だとかんじるが、総務省や経済産業省に聞いてみたが、リコールについては各省にの判断に任せているといって、対応してくれないでいる。民間レベルの運動が必要なのだと思うが。
しかし、安全に走行できることが前提である道路保安基準であるにもかかわらず、抵触するかしないかという判断は、抵触することが明記しているかどうかを基準にしており、頻繁にエンストをするなどのいわばあり得ないエンジンを作ってしまった場合、そんなバカなといった想定外の明記などしていない不具合は定職しないと判断されて、リコールの対象にならない。
車以外の製品はリコールかそうでないかしかないが、車と言う商品だけ、サービスキャンペーン等の複数のリコールでない金利で言えばグレーゾーン金利のようなものが出来てしまっている。道路保安基準に抵触しない不具合については、そうしているという言い訳をトヨタも国交省もしている
読者コメント、すっかり落ち着いて何よりです。新車のウィッシュを前に、またトヨタ買っちゃった、こんどは何回どきどきかなと、新生児の平均余命だの、生命保険料の算出根拠だの、世のふざけた統計につっこみを入れながら…ウソ、案外うまい計算だなと感心しながら愛車を眺めております。自動車保険も見直したし。いわゆる巷のリコール率、分母詐欺かよ…。その点「販売台数リコール率」、ユニークな着眼で参考になりました。
エンストについてスロー回転制御が不十分で、アイドリングが安定しない、吸入空気が不十分でアイドルが安定しないのです、気がついたらエンストしていました。
ビスタアルデオレベルのトラブルを抱えたまま販売し続けてリコール扱いにしないのは犯罪行為だとおもいますよ。そのうち該当車種を切り捨てて何事も無かったかのように新型ですと販売するのでしょうか?
走行中に一切起こりえないと言い切れるのは何故ですか?エンジンですよ停車時もアイドリングされていて完全に停止しているわけではないですよね。走行中のエンジン停止に伴う弊害を知らないわけではないですよね。そんなトラブルをリコール扱いにしない体制が危ないと言っているのです、御自分のお車だったら真っ先に対応させているのでは?
>実感に近いような。実感に近ければ根拠の無い数字でも信じてしまうわけですね。トヨタ車よりも、マルチ商法やカルト宗教の勧誘に気をつけたほうがよさそうです。
続きです。世界一を目指すためのリスクが多いのは理解できますけどユーザを無償のテストドライバーとして採用しているとしか思えない対応に憤慨しました。日本の恥と言っても過言ではないので、メディアでももっと叩いて徹底追及すべきです。
完全に言い替えの妙ですね。売るからには責任を持ってユーザに報告した上で対応し、その後の審判を仰ぐべきだと思います。三菱のリコール問題で思い切り騒がれて叩かれて信用を失った事よりも酷い事例だと言っても過言ではありません。
日産の数値はある意味納得が行きます。日産はハード関係の信頼性は無駄にありますから。他社よりも安全マージンが大きいのですが、日産もこれから増えるのかなぁ。その安全マージンを減らす方向で動いているようなので。
リコールはあって当然なんてアホ過ぎる。安全対策を何も考えないで作っているとでも思っているのだろうか。このリコール率は開発コストと安全性を天秤にかけて開発コストを優先した結果だと思われます。ウチの会社でも理解不能な開発期間での商品開発を推し進めようとしていますし。
トヨタの車を買うと何回リコールの憂き目にあうのか、目安がほしいと思っていました。でも各車種の「のべリコール台数/総販売台数」を真面目に計算し、トヨタ全体を集計しようとした私が馬鹿でした。とても手に負えません!わけもわからん!単年度の「リコール台数/新車販売台数」グラフを10年分ぐらい眺めていた方が実感に近いような。私的リコールリスク指数は、200%…おっと2.0ということで。ではでは。
>発表時点の登録台数こっきりで数値を出されてもリコール対象車と無関係な新車販売台数と比べるよりはよほど有意義ですよ。人間の病気では「有病率」とか「罹患率」という統計がありますが、さすがに患者数と新生児数を比べる統計は存在しません。
いやいやさん、対象車の販売期間に販売された全車種の台数って、リコールの嵐が続く現状ではどこで区切っていいのやら。かといって発表時点の登録台数こっきりで数値を出されても、複数回(わが愛車は2回)かまされた身には腑に落ちません。この10年間に100万台分の、のべ55万台。ヴィッツ限定のこの素材、おすすめの調理法はありませんか。
別に累計でなくとも、リコール対象車の販売期間に販売された全車種の台数とか、リコール発表時点で陸運に登録されている全台数との対照ならば意味があるでしょう。いずれも公表されているのでどうぞそちらをお調べください。
事故って起こってからでは遅いんですよ。あまりにレベルの低い話過ぎて言うのもはばかられますが…。
何を言いたいのか良く分らない、エンストの件も走行中のエンストでは無く、停車時のエンストでしょう?危険ですか?どれだけ事故が発生したか、これがポイントでしょう?
リコールとなる不具合は法律で決っていて、それ以外は届け出したくても法律でできない。それでも届ける場合はサービスキャンペーンという名称でやれと、国土交通省から通達がでている。全メーカーがサービスキャンペーンという同じ名称を使うのはこれが理由。でも、その違いは国に相談に行って国が決めているらしい。
わが愛しのヴィッツ、99年新発売以来の累計販売台数約100万(自販連HPより集計)。リコール台数のべ55万(トヨタHPより集計)。お、多すぎ…。カウントのしかたを間違えているのかな。
自動車会社に限らず重要な不具合を報告せず重大な事件になってから報告するケースは非常に多い。欠陥車を販売するのも良くないがこのリコールの数は三菱を見れば明らかだが誠実さを表した数字ともいえると思う。高機能低価格が臨界点か上が持っていきすぎだ。
・そもそも記事を最後まで読まずに書いていると判断される書き込み---率が100%を超える理由云々は、ぜんぶ後ろのほうに解説されてるよ。
トヨタのリコールは将来増えるような気がする。トヨタの購買から出される目標価格は無茶苦茶。製造原価の2000円下の目標価格など当たり前。とても原価を理解している人間が購買を担当しているとは思えない。そのくせ要求だけやたら厳しく、金は出さない。部品メーカーを叩くだけ叩いて飴は無く鞭ばかり。いずれ品質は崩壊するだろうな。自分は何があっても絶対トヨタには乗らない。企業としても製品としても最悪だ。
このグラフ見るとトヨタ車が安心できて、逆に日産車が怖いんですけど。平均してリコール台数が少なすぎません?
リコールとサービスの差はいったい何か。仮にリコール対象にならない不具合があったとして、ドライバーが運転中それを気にして事故が発生したらメーカーは責任を持つのか?直接的にせよ間接的にせよ、また大きい小さいに関わらず不具合があるのなら、生産者責任で(リコールとして)対応すべきでは。
サービスキャンペーンとは、保安部品ではないが、お客様にご迷惑をお掛けする恐れのある手直しだよ、危険性の高い物では無いよ。その製品・部品は色々な理由で問題有りです、だからオープンにし、ドンドン出せば良いと思うよ、今まで出さない傾向が有ったと思うよ。
>「リコール台数/総販売台数」で出すべき…>リコール台数の母数は創業以来の累積販売台数…記事の提示する数値、主張と比較検討するよい材料です。御計算の程よろしくおねがいします。>国交省がリコールの統計を出さないのはリコールを多く出すことが会社の評判に直結しないよう配慮…その配慮が問題でしょう。責任ある立場のダメ人間がよくやる誤りです。
そろそろ終わりかな?という風に思える。最近出してきた新型アリオンだとかプレミオを見てるとなんだかショボイ。これで売れれば、業績的にはオッケーなんだろうけど、外車の力作と比べると相変わらずコストダウンの貧乏臭さが丸分かり。こんな造りじゃ、そりゃリコールも出るわな。
さて、リコール台数を公表しない各社、どう対応するのか。本当にこれだけなんだろうな、トヨタ君。ユーザーをナメくさっていると次から次へと新たな指標・指数を開発するぞ、という意気込みの感じられるレポートです。この記事に対して私は非常に好感を持ちました。またリコールはあって当然(!)、ない方が不安(!)という斬新なコメントにも、冗談抜きに、車との新しい付き合い方が始まったのだと心ふるえる思いです。
欠陥率が100%超えるってどういうことですか?一台に何カ所も不具合があるってことですか?そうだったら大変なことですね。
トヨタが欠陥車率99.9%ですか。3大トップメーカーの中でホンダの欠陥率は150%ほどみたいですね。
安全性を考慮してのことだから、リコールはあって当然!逆にない方が怖いと思いますが・・・。ちなみに、私はトヨタの自動車に乗っており、14年経っていますが快適ですよ。
サービスキャンペーンはバイクでもちょくちょくありますよ。バイクではホンダがトヨタと同じようなことしてます
これ本当なんだね世界的にみて、どうなんだろうか。製造者責任の範疇に入るんだろうか。
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