リコール王トヨタ 重症事故発生の欠陥車16万台強も市場放置 改善実施5割だけ
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リコール改善措置未実施ランキング。ホンダの検討が光る。リコール台数王・トヨタは、ワースト3位。 |
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- 欠陥車が普通に走っている
- ユーザーアンフレンドリーな開示システム
- 重症事故モデル、改善未実施のまま16万台超
- トヨタだけで100万台超が欠陥車のまま出回る
- 改善実施率9割超のホンダ
欠陥車が普通に走っている
私が10年以上前に乗っていた車が、実はリコール対象のモデルだった。その同一モデルは、熊本県の県道で正面衝突の事故を起こして、5人に対して全治50日などの重軽傷を負わせたもの。前輪のかじ取り装置である「リレーロッド」が強度不足で折れ、操縦できなくなるという恐ろしい欠陥車だった。
その危険性を96年に知りながらもリコールの届出を8年間も放置したことが問題とされ、2005年8月にはトヨタ本社に家宅捜索が入り、熊本県警は2006年7月、業務上過失傷害の容疑で、トヨタのお客様品質部長(55)、前・品質保証部長で現リコール監査室長(58)、前々任の同部長(62)の3人を、書類送検した。
トヨタは2004年10月26日、本件について、ハイラックスなど33万台強の膨大なリコールを届け出たが、71件のクレーム隠しまでやっていた事実が明らかになった。
マスコミは家宅捜索の事実も隠匿するほど巨大広告主・トヨタに気を使わざるを得ない構造だが、33万台のうちの1台を所有していた者として、運転中に操縦不能となったかもしれないことを考えると、再発防止のためにも問題を放置するわけにはいかない。いったい、この欠陥車は、どのくらい公道を走っているのか。
定期的に改修実施率が公開されれば、消費者の安全にとって有用な情報となるし、メーカーにもプレッシャーがかかって改修が進むはずだ。そこで昨夏、トヨタや国交省に情報公開を迫ったのが、前回までの経緯である。そのあたりも簡単におさらいしよう。
--それで今、その危険な車の回収は、どのくらい進んでいるんですか?
お客様相談センターのヨネザワさんが対応した。
「現在、新聞報道などを見た方々からお問合せをいただいておりまして、順次、回収をして修理しているところです」
--だから、最新のデータでは、何パーセントまで修理が終わったんですか?松下だって、石油温風器の回収率が未だに6割未満だということをちゃんと公表したうえで、100%を目指すといって、あれだけCMを打っていますよね?重症事故を引き起こしているんだから、同じように現状の回収率を発表して、注意を呼びかけるべきじゃないですか?
「一般的にはおよそ8~9割だとのことですが、個別には、公開していません」
--私自身が乗っていた車について、個別に知りたいんです。ハイラックスは33万台もリコールしたわけですが、今現在、修理されないまま公道を走っているのは何台ですか?知りたいのは当然ですよね?いつ操縦不能になって歩道に突っ込んでくるかも分からないんですよ?危険ですよね?
「回収率は、公開していないんです」
埒が明かないので、国交省の担当部署であるリコール対策室に尋ねる。欠陥車の回収率を、どうしても開示しないと言い張る。対応したのは、キウチという人である。
--開示しない理由は何ですか?
「理由は、メーカーから回収率をもらっているのは、メーカーを指導するためのものだからです」
--33万台のうちの半分しか修理してなかったら、16万台が危険な状態で公道を走っている訳ですよね?回収が99%なら、それほど注意する必要はないですが。情報を公開することで、注意を喚起できますよね?なぜWEB上で公開しないのですか?
「それは、公表すべきものではないからです」
社会党のごとく、ダメなものはダメ。お役所仕事の典型だ。国民の立場など考えない。こういう情報隠匿体質は、隠された犯罪が続々と出ている社保庁と同じである。
ユーザーアンフレンドリーな開示システム
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行政文書開示請求書。オンラインで出せる。文書も電子データでの提供を希望できるのは前進。![]() |
そこで仕方なく、情報公開請求をすることにした。WEB上から請求でき、料金もpay-easyでオンライン振込みできるようになったのは大幅な前進だが、その情報システムがとてつもなく難解で、絶対に担当者に質問しなければ手続きを完了できない。
たとえばいちいち申請書に表紙を付ける仕組みで、その表紙は専用ソフトをインストールして、別ソフトで作成するのだ。その表紙と、別途作成したワード文書(行政文書開示請求書)に、同じように住所名前連絡先などを書かされる。その2重作業を、申請時、開示決定時、さらに開示方法決定時の計3回もやらせる。なんで6回も同じ住所を書かねばならないのか。国民をバカにしている。
こうした、民間ではありえないユーザーアンフレンドリーなやりとりは、なんとマニュアルが存在しないので、IT担当者にいちいち尋ねないと進まない。担当者はいつも電話口に出るほど暇な様子で、これは本来不要な人件費なので、
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情報公開で開示された文書の一部。10/26の「届出番号1281」が問題の人身事故車。前回2007年3月からも、わずか2%しか進んでいない。やる気のない表れ。
全15社のデータ一覧。リコール対象台数、改善措置実施台数、実施率、未実施車台数。いすゞ、GM、スズキの改善実施率が低く、コンプライアンス上問題。
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読者コメント
未だに炎上したハイラックスのことを信じない人又知らない人がいるのは何故でしょうか
>リコール未実施車両は継続車検時、陸運でチッェクされ、ユーザーに修理案内されるよ、とありますが、ということは、車検まではいつ事故を起こすか分からない車が道路を走り続けるということでしょうか?松下はテレビ等の報道機関を使って不具合製品回収の告知をしましたが、トヨタも一刻も早くそうしてほしいです。トヨタ=人命軽視の会社と思ってしまいます。
初め期待していたのに、何か腰砕けだね、何を訴えようとしているのか、良く分らない!ユーザー・社会に警告するのか、トヨタを追及したいのか?リコール未実施車両は継続車検時、陸運でチッェクされ、ユーザーに修理案内されるよ、そのまま未実施のまま放置されるのじゃ無いよ。
>他メーカーが同じようなことをしていないと言い切れるんでしょうか?またですか。誰一人トヨタだけが悪いなんて言ってません。トヨタ車に乗るなとも言ってはいません。そんな便利なバカはそもそもめったにいません。他社分の追加調査はあなた自身もできますよ、やってみませんか。
果たしてトヨタだけなんでしょうかね?皆さんはアンチトヨタとして色々コメントしてはるけど、他メーカーが同じようなことをしていないと言い切れるんでしょうか?確かに弱小メーカーがするのと、シェア4割を越すメーカーがするのとでは影響が違うでしょう。しかし、モラルの点では目くそ鼻くそです。メディアももっと調査する能力を高めてみては?
既存メディアにはできない事だと思いますので、これからもどんどんトヨタの悪行を追求して下さい。
愛知県民さんへ既存のメディアにとって広告主=飯の種。昔は「ペンは剣よりも強し」という言葉もあったけど、武士は食わねど高楊枝という言葉は死んでしまったようです。そういう事をするから、ますます衰退するのでしょうけれどね。
ニュースでは何故報道しないの?重要な事柄だと思いますけど。
経団連に属する輸出企業は輸出分の消費税を(還付という形で)免税されています。輸出戻し税で検索すればいかに日本市場を大事にしてないかが判ります。国内で物を売らずに労働力だけ搾取して、納税の義務を免れようとしているのですかね?経団連の輸出戻し税を戻さずに取り立てれば、消費税を増税しなくても済むほどです。一部の輸出企業だけ優遇されているのは不公平な税制で、即刻廃止すべきです。
こういう企業が「日本を代表する企業」なんですね。儲かれば何でもあり。広告費をちらつかせる法人レベルでのパワーハラスメントですね。
見出しの用語ですが重症事故→重傷事故の方が少しノーマルかと。
リコールに関する記事は、あまりに驚がく的なないようでした。これからもこのページをみます。
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