【政治のホント超図解2】 政界再編、ここが軸!&政治が分からない理由
仙谷由人議員(衆院議員会館にて) |
- Digest
-
- 「ハード重視」か、「ソフト重視」か
- 「健全な保守」で衆院30~40、第3極作る
- 政策プロセス公開度高めよ
- 政局でなく政策を報道すべきだ
- これでワイドショー政治から脱却できる
「ハード重視」か、「ソフト重視」か
大連立騒動後の両院懇談会(11月7日)で、小沢党首に対し、国民との意識のギャップを指摘。執行部と距離を置く仙谷由人議員に、あるべき政界再編の姿を聞いた。
--どの軸で再編されるのが望ましいでしょうか?
第一に、ハードへの投資を続けるか、ソフトへの投資に転換するか、だ。
その図でいうと、僕は市場重視派で、セーフティーネットはかなりしっかり高めに整備すべきだと考えている。そのために何が必要かというと、現在の「ポスト工業化社会」(知識経済社会)における最大のセーフティーネットは、人材養成に公的な資金を投入することだ。
そうしないと、ディーセントライフ(尊厳ある生活)を保てない。「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条)は先進国では、その水準が高くなるはずだけど、そのためには、知識経済を担える人材を意識的につくっていく必要がある。
今、就学援助などはあるが、まったく不十分で、やはりヨーロッパ諸国のように、できるだけ教育費を無償に近づけていく、あるいは中高等教育では奨学金をできるだけ用意する。
つまり、ソフトへの投資です。投資対象がソフトかハードかというのは、ものすごい大きい軸だと、僕は思っている。ハードの分は、ここまで来たら、ゆっくりでもいい。つまり、人口がこれだけ減りつつあるのに、道路を作り続けても、走る人がいなくなった、みたいな話になる。山奥まで医者と一人の看護師を乗せた車が緊急に走るために道路が必要だ、というのは、まことに効率が悪い。
ソフトというのは、たとえば農業でいえば、農業経営学みたいものを、どこでも教えていない。僕の地元・徳島の「いろどり」という会社は、第一次産業が知識経済化した例だ。農産物の販売をやっているんだけど、婆さんにITを教えて、パソコンを使わせて、全国を相手にビジネスをしている。
人的な資源におカネをほうり込まないと、本当のセーフティーネットにならない。なのに、人材分野や医療など、ここまで削減ばかりして崩壊させたのが小泉政権で、セーフティーネットなど、まともに考えてなかったと思う。だから、彼らと一緒にされると困る。
今の一時的な景気回復は、ハード中心で、製造業の輸出主導だから、国内経済のサービス化とかソフト化にはプラスにもなってない。
--ほかにどういう軸がありえますか?
官僚依存。つまり、官僚による規制社会(図の左か右か)をどうするか。規制緩和というのは、まだまだ必要だと思う。
例えば町のちょっと外れた水道工事店とか建築工務店へ行って、どのぐらい資格証みたいなものをお持ちですか、と聞いてみればいい。とにかく壁いっぱいに張ってあって、それがないと小さい公共事業にも参入できない。官僚が、課単位の縦割りぐらいで、それぞれが社団法人、財団法人を持って、妙な資格をいっぱい作っている。
これにどのぐらい費用を払わされていますかというのを取材してみたらいい。すべて天下りの役人の生活保障をするために、第二税金、第三税金みたいなものを取っているというふうに僕は見ている。これでは経済が窒息死するね。そこで票とカネがつくれると思っている自民党には、絶対に変えられない。
--では実際に、政界再編が起きる可能性は?
要するに自民も民主も、両方とも、「ぬえ」みたいな経済政策になっている。民主党の中でも、市場重視派とそうでないのとで、半々くらいだろう。党内でも、今、わけわからなくなっている。小沢さんは社民みたいだし、なお、わけわからない。だから、経済政策で再編が起きるとしたら、それはクラッシュが起こったとき。つまり国債が紙切れになりそうなとき、だ。
「健全な保守」で衆院30~40、第3極作る
郵政民営化に反対し無所属となった平沼赳夫議員。第3極を探る。 |
10月下旬の講演以降、保守勢力の結集による政界再編に言及している平沼赳夫議員に、その具体的な意図を聞いた。
--保守の具体的な意味とは?
皇室の伝統を守る、北朝鮮の拉致を最優先課題とする、安易な移民受け入れに反対、日本の文化と愛国心を養う教育を行う、そしてそれらを盛り込んだ自主憲法制定…。これらが、私の言う「保守」の具体的な意味するところだ。
改革、改革と、「改革にあらずんば政治家にあらず」といった風潮がみられるが、日本には守るべき、変えてはならない伝統・文化がある。守るべきものを果敢に守っていくという価値観が、健全な保守だと私は思う。
日本古来の神話にはロマンがある
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り3,301字/全文5,223字
政策過程論を専門とする草野厚・慶応義塾大学教授
田原総一朗氏
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
facebookコメント
読者コメント
自己防衛と同時に日本人はもっと社会活動にも参加すべきでしょうね。
役所には任せておられない位の勢いで、外人の風習を見習いボランティアにも少しは携わるべきかと思います。
個人としては、あくせく自己防衛に励むしかない訳でありますね。なんだか社会が妙な具合に出来上がってます。
農業経営学は必要。大学を作ればよい。
記者からの追加情報
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい
新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい (無料)
企画「納税者の眼」トップページ