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初任給・社員数でBIG4トップのPwCコンサル、Hot Skill Bonus剥奪で7~8%減俸へ

情報提供
サムネ掲載用1枚目
会社支給のPCは「ThinkPad X1」、スマホはiPhone8~10で「4年に1回入れ替え、くらいです」(社員)

コンサルバブルが続くなかでも、Big4や総合ファームのなかで新卒初任給が一番高いPwCコンサルティング。8年前と比べた年収水準は、シニアアソシエイト以下で200万円程度、マネージャーで約300万円も引き上がった。一律に上げているわけではなく、特に必要性の高い人材には「Hot Skill Bonus」と称して月5~6万円を上乗せするなど、きめ細かく市場競争力の高い賃金水準を柔軟に設定したり、または剥奪したり、降格もする。「2025年7月から8.4%、年俸基準額が下がります」と話す現役社員に、外部からは分からない人事処遇の運用実態を聞いた。

Digest
  • 競合で一番高い初任給水準
  • 8年間で社員数もBIG4トップに
  • 年収水準を3割アップ、新卒で初年度700万円台も
  • コーチガチャで決まる昇格しやすさ
  • ホットスキルボーナスやデモーションで人員調整
  • シニマネの降格はアリ

競合で一番高い初任給水準

学卒665万円
競争力の高い新卒初任給。競合相手となるベイカレントを1割上回る水準に設定されている。

新卒採用市場で、競合となるベイカレやBIG4他社より1割も高い年俸提示を行っているPwCコンサルティング。学卒の年俸665万円(院卒685万円)は、頭一つ抜けている。

①PwCコンサルティング 665万円
②ベイカレントコンサルティング 600万円
③デロイトトーマツコンサルティング 580万円
④KPMGコンサルティング 570万円
⑤EYストラテジー&コンサルティング 550万円
⑥アビームコンサルティング 480万円
⑦アクセンチュア 430万円+家賃補助36万円
(いずれも2025年1月現在の募集要項より)

新卒は、社会人も未経験、コンサルも未経験で、むしろこれから研修やOJTを受けさせて、教育研修コストをかけて戦力に転換しようという段階の若者が対象。厳選された少数精鋭でもなく150~200人規模のマス採用だ。

使い物になるかも分からない、学生あがりのペーペーの大量の新人にこれだけ支払えることからも、コンサル業界が潤っていることがわかる。コンサルは、クライアント(顧客)に「1か月いくら」と時間ベースでチャージする人工(にんく)商売なので、社員の頭数を揃えることが「儲けの源泉」。人材の争奪戦になっている。

平均勤続年数(PwCコンサル)
男女別の平均勤続年数。一部の社歴が長い人が平均値を引き上げるため、中央値はもう少し短いと考えてよい

働く側にとっても、コンサルという職種は滞在年数の中央値が3年程度と短い〝短距離走〟型であるため、初年度の賃金水準は特に重要。次の転職時にも「前職の年収」が考慮されるからである。

8年間で社員数もBIG4トップに

中途採用でも新卒の何倍も採っており、毎月、数十人以上が入社する。2024年12月時点では5158人となり、BIG4系の総合コンサル会社群で、従業員数トップに立った。コロナ前の2019年時点では約2400人と公表していたため、5年で倍増したことになる。

売上高は非公表だが、人件費単価を引き上げつつ、コンサル数を激増してきたため、同期間(5年)に2.5倍以上に売上も成長したはずだ。GAFAMなき日本国内の産業で、このような高成長の業界は他にない。

 コンサルの拡大&高給路線に先鞭をつけたデロイトは、1674名(2014年5月1日現在)→4891人と10年で3倍の規模に成長し、長らくトップにいたが、追い上げてきたPwCが、単体では上回った。
①PwCコンサルティング 5158人
デロイトトーマツコンサルティング 4891人
ベイカレントコンサルティング 4833人
EYストラテジー&コンサルティング 3424人
KPMGコンサルティング 2100人
(2024年12月3日時点の社会保険被保険者数データより)

※アクセンチュアとアビームは運用保守請負などコンサル以外も含むため、社員数はPwCより多い。

※DTFA(デロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリー)に別途2177人が在籍、PwCアドバイザリーには1061人在籍。

コンサル会社の売上は、コンサル数×時間単価×年間チャージ時間で決まるため、頭数を増やすことが大前提となる。頭数を増やすためには高賃金が必要。そのうえで、プロジェクトを継続的に獲得する営業力が必要となる。

年収水準を3割アップ、新卒で初年度700万円台も

PwCはベース年俸や支払う仕組みの制度を小幅に変え、水準を引き上げてきた。テクノロジーコンサルティングを強化するため、『ホットスキルボーナス』をつけるのも、その1つだ。たとえば、AI(人工知能)ブームで、多数のAI関連プロジェクトのニーズが高まったら、AIで必要性の高いプログラム言語『パイソン』(Python)に習熟した人材を、インセンティブをつけて採用し、他社に流出しないよう、ホットスキルボーナスを毎月、払い続けてきた。

源泉徴収票掲載用790万
アソシエイト3の年収(アソ2→アソ3に昇格した年のもの)

「2022年度からボーナス比率を下げて、ベース給が上がりました。ボーナスは年1回6月支給なので、6月末に辞める人が多いです。年俸の内訳は、

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PwCコンサルティングのキャリアパスと報酬水準

5アトリビュート(再現性ある行動特性)で評価。グローバルのものは、どれも当り前で曖昧なポエムになりがちで理解されにくい。

評価基準となる5アトリビュートの定義(3つのサブ項目×5=15個)

1.WholeLeadershipの各ランクで求められる基準

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