翼をさずけない『Red Bull』、アメリカで集団訴訟に 『モンスターエナジー』は子供には危険
カフェインが少なすぎると問題にされたレッドブル(左)と、多すぎると問題にされたモンスターエナジー。 |
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- レッドブルのエナジー効果に詐欺宣伝ありと集団訴訟
- スポーツ能力向上にはカフェイン量が少なすぎるレッドブル
- モンスターエナジーではカフェイン量が多すぎる死亡事故で訴訟
- 大人と子どもの適切なカフェイン量とは
レッドブルのエナジー効果に詐欺宣伝ありと集団訴訟
レッドブルエナジードリンクへの集団訴訟を報じる1月16日のロイター記事 |
今年1月、アメリカニューヨーク州の地方裁判所で、レッドブルに対して「コーヒー1杯飲むのと同等効果しかないのに、詐欺的宣伝広告で販売している」として、宣伝広告の差し止めと損害賠償を求める集団訴訟が起こされた。
近年、アメリカや日本でも人気のエナジードリンク。レッドブルはその中でも米国で売上一位を誇るトップブランドだ。
「レッドブル、翼をさずける(Red Bull Gives You Wings)」というキャッチコピーで、メンタルとフィジカルの両方のパフォーマンスの向上に効く、という宣伝をしている。
競技アスリートへの効果を宣伝するレッドブルエナジードリンクの広告。 |
アメリカでの宣伝広告(右図)では、
「アスリートのためのレッドブルエナジードリンク情報」として、耐久力や酸素摂取量の増強などの身体的効能や、覚醒、集中力アップなどの精神的効能があることが、示されている。
日本で売られている商品の表示にも「パフォーマンスを発揮したい時のために開発されました。アルギニン、カフェイン、ナイアシン、パンテトン酸、ビタミンB6,B2,B12入り」とある。
注:大半は同じであるが、日米では成分に一部違いがある。アメリカのレッドブルには『タウリン』が入っているが、日本では『タウリン』は医薬品にしか使えない成分に分類されているため、代わりに『L-アルギニン』が入っている。
どうしてこれが集団訴訟をしなければならないほど問題だったのか。本当に問題なら、日本の消費者も同様の状況に置かれていることになる。
その根拠とされたのは、2012年12月に学術誌に発表された論文と、2013年1月1日のニューヨークタイムズ紙の記事だった。
エナジードリンクの機能性はカフェインによるもので、その他の有効成分には証拠がないことを発表した論文の要旨翻訳。(文責:筆者) |
論文要旨(左図)にあるように
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各製品のカフェイン含有量と、1日あたり安全摂取量の対応グラフ。安全摂取量が少ない10代の若者が、運動能力向上を求めてカフェインを摂りすぎると危険であることがわかる。
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なるほどね
レッドブルのカフェイン含有量はコーヒー一杯と同等で、さほどの効果は期待できない。一方で子供が過剰摂取で死亡するなどの問題も起きているとのこと。
翼をさずけない『Red Bull』、アメリカで集団訴訟に 『モンスターエナジー』は子供には危険
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読者コメント
2018年8月30日、英政府は、未成年によるエナジードリンクの購入を禁止する方針を発表した。対象地域はイングランドのみ。飲料に含まれるカフェインなどの大量摂取による健康被害を防ぐのが狙い。
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