①「ロボティクス失業」エリアの職業群(下)――10年後に食える仕事 食えない仕事 テクノロジー編
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公道における自動運転のスケジュール感(日本の場合) |
- Digest
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- 「モノとヒト」「街の密集度」で異なる難易度
- 公道における自動運転のスケジュール感
- 地方・過疎地
- 過疎・地方都市政策としても優れた自動運転タクシー
- 郊外の住宅地は
- 街のカタチが「ライド&ウォーク」に
- 商業地域は「外側」でも難しい
- Maas時代は便利な場所が逆転する
- 郵便配達、現金輸送警備…輸送するモノが減っていく
- 「眼を使う判定業務」は機械化へ
- レジ自動化はアパレル止まり
- コンビニはセルフ化どまり
- スーパー最終形はスマホレジでウォークスルー
- 外食店の注文とりと決済が消滅へ
- 人間のホテルフロント業務はイレギュラー対応のみに
- 全館満室を狙う契約違反の悪習
「モノとヒト」「街の密集度」で異なる難易度
人とモノの違いに加え、もう一つ、日本の公道における自動運転を予測するうえで重要な視点が、鉄道駅を中心とした、歴史が古く人口密集度が高い街並みである。日本に限らないが、いわゆる旧市街は、モータリゼーション以前に発展した街の区画そのままなので、東京・下町でも「消防車が入れない」など災害対策上で問題となっている狭い道は多く、当然、自動運転車も入りにくい。歴史が浅く、新規開拓した碁盤の目のような土地が中心の米国とは、自動運転を取り巻く環境が全く違う。
日本の宅配会社が、各戸までのいわゆる「ラスト・ワンマイル」を、自動車ではなく「リヤカー付き自転車」にしている地域が多いのは、そのほうが効率がよいからだ。日本は住所が「丁目・番地」表記で、道路は眼中にない。逆に米国は、各道路にストリートやアベニューの名前がついて住所表記でも使われ、道路&自動車中心。つまり、自動運転が米国で実現しても、そのまま日本の街に当てはまるわけではない。
公道における自動運転のスケジュール感
以上2点(運ぶ対象と地域)を考慮して、専用道※ではない公道における自動運転の実現難易度を示したのが、この図である。「人間を運ぶ」というのは具体的にはタクシーとバス。「モノを運ぶ」は、通販の宅配や貨物輸送、『出前館』『Uber eats』のようなフードデリバリーのことだ。自動運転は、日本一の就業者数を抱える自動車産業 (539万人)を直撃する技術となるため、詳しく述べる。
高速道路については、前述のとおり、隊列走行や自動運転化の障害がほとんどないため、長距離トラック運転手はどんどん“失業”していく
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左上:ヤマト運輸の『ロボネコヤマト』左下:StarshipTechnologiesの配達ロボ右上:ウェイモの自動運転タクシー右下:『Nuro』
上:自由が丘駅周辺の用途指定(目黒区側)。下から順に、中心街に近いことになる。中左:フェニックス中右:田園調布(同じ縮尺)下:アリゾナ州フェニックスの道路と家(ストリートビューより)。何時間でも停め放題で、日本にこの実験結果は適用できない。
左:アスタリスク社の特許説明資料。右:アスタリスクから特許侵害で訴えられたユニクロの自動レジ。
ローソンの平均的な実労働時間
左:「ローソン・スマホレジ」でスマホカメラが読み取り機になる(筆者のスマホ画面)右:オランダの大手スーパー「ユンボ」の入り口にある端末充電所(2019年8月撮影)
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