編集長ブログ一覧
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ソニーはBMWを目指し、ソフトバンクの人事処遇とリクルートの新事業創出制度を取り入れよ金融事業がエレキを補填する形になっているソニーの業績2015/09/30
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トリップアドバイザーの闇――全然中立ではない口コミサイトでしたこれは嘘。本音は掲載されなかった。本音どころか、旅行者にとって決定的に重要なファクトが、ホテルや旅行業者にとって都合が悪いからといって掲載されず。口コミサイトとしては終わってますね、これは。2015/05/22
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モンテローザ『魚民』29歳正社員の過労死が示唆する日本の闇亡くなった社員が、かつて働いていた「魚民」。死亡時の勤務地は新橋だったという。2015/04/02
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ケース面接と即興ディベートで問題解決力は分からない左:東洋経済、右:THE212015/03/20
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ユニクロの“情弱若者使い捨て戦略”に組み込まれたマスメディアユニクロ新卒採用900人についてのツイートが拡散され表示回数が20万回超となっている。ずいぶんとこの問題(新卒大量採用の本当の意味)には、世間の関心が高いことがわかった。柳井社長が国内長者番付1位の資産家であることが、ちょうど先週報じられた、というタイミングもあっただろうし、先月、来日したピケティ教授がメディアに出まくって格差問題が意識されていたこともあるだろう。この日、一斉に各局の報道番組で流された「ユニクロ900人入社式」のニュースについて、それだけ多くの人が、胡散臭さを感じたわけである。「若者を使い捨てていく経営者が資産を増やしていく社会って、何かおかしいんじゃないか」と。ユニクロが過去最多900人新卒入社だそうだが、離職率が高いから沢山採って回してるだけなのに、それを伝えないのはいかがなものか。ユニクロ「離職率3年で5割、5年で8割超」の人材“排出”企業https://t.co/OVUKx4jOR1pic.twitter.com/2jRceNEU3U—渡邉正裕(@masa_mynews)2015,3月4私も、このような、スポンサー企業側からの一方的な視点でしかない報道姿勢にはうんざりしている。このニュースには、働く側の視点が全くない。他のコーナーでユニクロの大量離職問題が報道されることも全くないから、バランスが最悪だ。これは、多様な視点を求める放送法にも抵触している。しかし、柳井社長はもちろんそれを知っている。テレビ局が、巨大広告主である自分を批判できないことも知っている。だから、この「情弱使い捨て戦略」は、ユニクロにとって、極めて合理的なのだ。そんな労働環境でも、入社式にカメラマンの入場を許して報道させておけば、来年もたくさん採れてしまうんだから。マスコミは、情弱を洗脳する手段として、ユニクロの人事戦略に組み込まれているようなものだ。900人入社の報道を見る情弱は「成長が続いていて、ずいぶん景気がいい会社だ」としか思わない。入社数は報道されるが、離職率は一秒も報道されないからだ。ユニクロにしてみれば、ごく少数のスーパーマンだけが幹部候補として残ってくれればよく、残り大多数は、給料が安い20代後半までに辞めてくれて、また安い新人と入れ替わったほうが人件費を抑えられる。店舗仕事はマニュアルでガチガチに縛られた肉体労働だから、若くて体力があるほうが望ましい。オヤジもオバサンもいらない。使い捨てられることを知らずに入社する若者には気の毒だが、9割は使い捨て要員とみてよい。裁判でも認定されている通り、ユニクロは労基法を守らないし、「絶対にサービス残業はなくならない仕組み」(複数の元社員)だから、普通の体力しかない社員は疲弊し、持ちこたえられない。ユニクロは正式に最高裁がブラック労働を認定し、私も数多くの社員(ほとんど有名私大卒)を取材して、実態を報じてきた。ただ、弱小なニュースサイトの報道は、残念ながら情報弱者には届かない。→離職率3年で5割、5年で8割→ベテラン社員が語るサービス残業&うつ病→「柳井正は人として終わっている」→「これは軍隊以上だ」→ユニクロのバイオレンス経営→ブラック認定されたユニクロ→ジーユーもブラックこの会社は、国内4182人の社員(別途、非正規が17708人)で国内831店のユニクロを回しているわけだが、しばらく国内は増やさず850店程度を維持する見通しのなかで、国内900人もの新卒正社員を採ったということは(海外は別途現地採用している)、離職率の高さを見越していることになる。有価証券報告書よりパートを「地域限定正社員」に入れ替えていくために多めに採ったにせよ、非正規の人にだって生活があるので、勝手に辞めさせるわけにもいかない。既存社員の一部を海外展開要員として送り込むにせよ、そのようなクラス(SV以上)の人材は既に大量出店が続く海外に出ていて手薄だ。結局、大多数の新人は、数年で心身をすり減らして辞めていく人の穴埋め要員として活用され、自分も数年後に、部品のように取り替えられる。ツイートを見た社会人は、自身の経験からそのカラクリに気づいているから、ユニクロのPRでしかない入社式のニュースに違和感を感じたのだろう。■「あと1人ずつ増やせれば」ユニクロは働く人から見たら、9割以上の人にとって、間違いなくブラック企業であり、ごく少数の超人的にタフな人にとってはよい会社である。一方で、ユニクロは消費者から見ると、100点満点な会社であり、私も高く評価している。完璧に訓練された社員による、完璧なオペレーション。店にはゴミもなく、品切れの補充も迅速で、レジのスピードも超トップ、店員は私語もなくキビキビ動き、店にはほどよい緊張感がある。製品は頑丈で日本人の体形にぴったり。ZARAやH&Mなど話にならない(→ユニクロはファッション店?)。まるでトヨタの工場なのだ。真面目で几帳面で手抜きをしない日本人の強みが如何なく発揮されている。ユニクロの後に訪れれば、アローズやGAPの店は、あらゆる点で二流に見える。しかし、そのレベルを保つための社員の労働強度は、半端ないものがある。過労死が多発してきたトヨタの現場と同じようなものである。常に120%で動いても終わらないだけの業務量が課され、普通に働くことは許されない。だから、取材の際に社員が口々に言うのは、「あと1人ずつ、各店舗に人を増やせるなら、すべてがうまく回るのに」という話だ。1人ずつ増やしたところで、利益は十分に出る。それで、働く人も、消費者も、株主も、オーナーも、十分にハッピーではないか。しかし、それを許さず、利益を極限まで追求するのが柳井社長なのだ。この手加減を知らない強欲ぶりだけは、残念でならない。■情報ギャップを埋める法整備を問題の本質は、両者の情報ギャップにある。学生は、その企業の労働条件が全くわからないなかで、選択を迫られる。会社に離職率や有休消化率を聞いても、人事部はもちろん教えない。それどころか、×をつけられて不利になるはずだ。そもそも職歴のない学生が、百戦錬磨の人事に、強気で聞けるわけがない。ただでさえ大企業は、交渉力が強いのである。これは、全くフェアではない。だから、以下情報を、ウェブ上に開示するよう義務付けるべきだ。それで全てはカイゼンに向かう。労務部門が持っている情報をウェブにアップするだけだから、追加コストも一切かからない。政治家が法律を通すだけでよい。・新卒の3年後離職率・平均の残業時間・平均の有給休暇取得日数・休職者の数と理由・労災認定数と内容それを見て、それでも働きたい人はユニクロで働けばよい。僕が取材した限りでは、ユニクロは、すべてこれらの数字は最悪に近いが、それでも店長の給料は業界トップだし、業界トップ企業のノウハウを身に着けて転職なり独立なり、次のステップに進みたい人もいるわけだから、そういう人は入社すればよいと思う。ただ、情報が開示されると、それまで押えつけられていたマスコミも、合法を盾に報じやすくなる。テレビや新聞はともかくとして、東洋経済やダイヤモンドのような経済メディアは、就活シーズンに見やすいランキング表を作成して特集を組む。そうすると、下位の企業にはブラックなイメージがついてしまうため、ユニクロとしても数字をカイゼンせざるを得なくなることは確実である。この情報開示義務は、過労死防止にもダイレクトにつながる。経団連は人件費増につながるために絶対反対だ。業界団体のための政治なのか、働く国民のための政治なのか、日本の国のかたちが問われる。残念ながら自民党は戦後一貫して、国民・生活者よりも、企業利益を優先させてきた。途上国の開発独裁型政党から脱皮できない今の自民党には、全く期待できない。ただ、次の時代を担う政権は、こういった情報開示の法律を公約に掲げられる政党以外は、ありえない。これができないのなら、自民党と同じであり、存在価値がないからだ。2015/03/09
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独善的秘密主義のアマゾンはサイコパスな「ザ・コーポレーション」アマゾンの“カビつきマットレス”は秘密主義で原因不明2015/01/01
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「普通のリベラル」をまとめる7つのキーワード――2014衆院選の経済財政マップ衆議院選挙が始まったので、経済財政マップをアップデートしておこう。特に今回は、アベノミクスが焦点となっているので重要だ。右軸が自由競争の度合で、縦軸は再配分の度合である。→前回記事(福田政権時)普通のリベラル右マップの通りで、右上は、ガンガン自由競争させて、勝者からガッポリ税金とって弱者に再配分する。僕は右上にマッピングされるので、維新や旧みんなの政策には共感を覚えている。現状、江田さんと橋下さんはここだ。ヨーロッパでいう普通のリベラルである。竹中氏がよく例にあげるように、北欧・スウェーデンは、サーブが救済を求めた際に「弱い企業を助ければ、経済全体が弱くなる」と拒否した。これが普通のリベラルだ。普通のリベラル政府は、東電を救済しないで破綻させる。経済を強くし、経済成長させ、増えた税収を手厚い再配分にあてる。漁業や農業など、ノルウェーやオランダのように、工業化を進めて、大企業に参入させ、輸出産業化すればよい。「一次産業の二次産業化」である。これが、既得権の岩盤規制でできていない。普通のリベラルは、規制を撤廃し、競争を促進し、経済成長させて税収を上げ、敗者には再配分する。規制が少ないということは、小さな政府ということである。再配分の金額が多いからといってお役所が大きい必要は全くない。役所組織はスリム化し、役人の裁量ではなく「自動的に」給付付き税額控除などで再配分をするのだ。橋下さんと江田さんには、普通のリベラルを目指して頑張ってほしい。リバタリアンここは、経済学者フリードマンが大好きな人たち。アメリカの共和党である。法人税を下げることを明言したり、財務省のシナリオに抵抗し消費増税を延期した安倍さんは、ここである。ただし規制緩和には全く成功していないし、本気にも見えないので、真性ではない。現在、トヨタ自動車は円安で過去最高の2兆5千億円の利益を上げているが、そういった大企業が儲かって、税収を納めても、それを弱者に再配分はしない。そればかりか、法人税を減らして企業の利益をさらに増やしたいという。これがアベノミクスの特徴で、したがって格差はどんどん拡大し、貧困者がどんどん増えている。安倍さんの2年間で、正社員の数は減った。これは致命的な問題だ。全体の雇用は100万人増えたが、非正規ばかりで、雇用の質が悪化した。株が上がるのはよいことだが、投資家が儲かっても、貧困者には再配分されないため、格差が拡大した。安倍さんは本音では、「そんなの自己責任だろう」と思っているはずである。これは安倍さんの思想なのでどうしようもない。僕はそういう格差が拡大していく社会には反対である。財務省エリア左下のエリアは、規制は守りたいし強化したい、再配分はなるべくしたくない――すなわち、財務省エリアである。次世代の党の平沼党首は「第3の矢」が足りないと述べているが、その中身は旧来型の官僚主導であり、規制緩和による自由競争ではない。マニフェストには「未来に向けた投資を国の基金200兆で日銀に設け…」と国家主義的な政策を打ち出している。平沼氏をはじめ自民党の主要なメンツ(谷垣二階麻生伊吹)は、もともと昭和の時代に育ったので、自分で政策を考えたことがない。政策は官僚が考えて作るのが当然だと思っている。思想的なものも持っていない。野田さんも同じで、財務省の言うとおり消費税の増税法案を通した。次世代には、ダブルヒロシ(中田宏、山田宏)など新世代の改革派も含まれているが、これは外交面での右志向が合致していることに加え、関東での石原人気にあやかって成り行きで入っちゃっただけなので、石原氏が今回、引退を決めたため、近々、維新に合流することになるだろう。国民は、外交よりも経済を重視して投票するため、外交にこだわっていると落選することに気づくはずだ。甘ったれリベラルここは、論外な人たちである。再配分をたくさんしつつ、規制でも守ってやって、自称弱者(競争しない農家や進化しない商店街、公共事業依存の土建屋…)にバラマキ続けましょう、という甘ったれたちの政党だ。これは、人口ボーナスがあり、経済が右肩上がりだった戦後の一時期でしか成立しないモデルで、もはや無理。昭和時代の幻想である。共産、社民、公明はこの急先鋒。鳩山菅枝野といった経済トンチンカン組もここである。民主党政権が何もできなかった理由も、この人たちが中心にいたからだ。この甘ったれリベラルたちに政権を任せると、あっという間に財政破綻する。経済成長しないのに、税収が増えないのに、支出だけは増えるからだ。実際、民主党政権時代は借金が増えただけだった。民主党の中心は、いまだにここにある。従って、民主党政権が今のカタチのまま政権に返り咲くことだけは阻止しなければならない。7つのキーワード民主党のなかでも、経済成長に理解を示す岡田・前原といったあたりが、維新と合流し、次世代のダブル宏らもとりこんで、普通のリベラル政党としてまとまる――それしか、自民党への対立軸は作れないだろう。現在、最大勢力は「政党支持なし」で、64%もいる。キーワードは、以下7つだ。「大企業の経営者株主ではない(非経団連)」「大企業正社員ではない(非連合)」「非共産主義」「自由競争促進」「再配分強化」「戦争しない」「原発いらない」この7つの理念で、半分以上はまとまると思う。つまり、自民党を抜いて、支持率30%超の第一党になれる。あとは、リーダー次第である。2014/12/06
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ブラック企業をゼロコストで減らす方法TBSラジオ「渋谷和宏・ヒント」という番組のゲストでMyNewsJapanの話をしてきた。放送は8月31日(日)夜。記事については、キーエンス、楽天、NTT西日本の話を紹介した。概要は以下の通りであるが、いわゆるブラック企業問題についての解決策を、もう少し具体的に書いておきたい。―どういうメディア?生活者、消費者、有権者という個人の視点で現場の話を報道する。マスコミとは反対の、調査報道や内部告発に特化した、個人起点のジャーナリズムメディアである。―記事内容は企業からみたらタブーですが、企業からのリアクションは?ユニクロが脅しの内容証明郵便を送ってきたくらい。あとは、匿名でヤクザっぽい奴が「削除して貰うことはできませんか」と電話してくるが、どの記事についてなのか、あなたは誰なのか、と聞くと、黙っちゃう。―取材拒否の会社はどうやって?もとから企業の広報経由の取材はしない。取材は、SNSで情報提供者を募集したり、周辺の協力者に紹介してもらうことが多い。―ブラック企業対策はどうすればよいのか?まずは上場企業だけでも、有価証券報告書に開示義務をつけることが重要。現在、年間平均賃金だけが開示されているが、その報酬に対して、どのくらいの労働強度なのかが全くわからない。平均残業時間、有休取得日数と消化率、3年後離職率、の3点は開示を義務付けるべきだ。これは労務部が持っているデータをウェブにアップするだけなのでコストもゼロで、国の予算も何も必要ない。法律を通せばよいだけ。これで劇的にブラック企業は減る。―会社を選ぶポイントは?そういった労働環境にかかわる情報を、積極的に開示しているかどうか。自動車業界などは有休取得率などを、義務でもないのに、積極的に開示している。だいたいホンダが首位だ。ユニクロのように情報を隠しているということは、やましいことがあるということで、要注意である。―今現在、ブラック企業に勤めている人の対応策は?とにかく証拠を保全すること。1日単位で労働時間を記録し、パワハラを受けているなら録音すること。辞める時に2年分くらいまとめてサービス残業代を取り返せば数百万円にはなる。はやめに弁護士に相談しておく。■情報開示で劇的に変わる労働環境国として、本気でブラック企業を減らしたいなら、社員10人以上の会社に、情報開示を義務付けるだけでよい。手始めに、上場会社だけでも有報に記載させればよい。すべて実績ベースで、3年後離職率、平均年間休日数、平均有休消化率、休職者数、労災認定された人数と内容、在職中の死亡数(労災関係なし)、あたりが重要だ。トンチンカンな民主党が経営者の報酬を開示させるようにしたが、そんなことよりも、国民・労働者にとっては、労働環境実績の開示のほうが、何百倍も重要だ。女性の働きやすさも同様で、本気で推進したいのなら、まずは実態を開示させる。社員の女性比率、管理職クラス以上の女性比率、役員クラスの女性比率、男女別の平均年間賃金、産休取得者数と復帰率、育休取得者数、これら全てをガラス張りにさせて、有報に記載を義務付ける。情報が開示されると、週刊誌がこぞってランキング表にして発表するので、下位にプレッシャーがかかり、自浄作用が働く。これは確実に起きるストーリーである。もちろん、ブラック企業側、経営サイドは、こうした都合の悪い情報は、開示したくない。さらに、厚労省は、自分のところに予算がつかない、権限も行使できないこうした政策を、やりたがらない。お役所任せでは何も変わらない。政治のリーダーシップでやるしかない。予算はいらない。法案を通せばよいだけだ。→音源ダウンロード2014/09/30
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開業10年を終えて――ダイレクトに、プロフェッショナルに――MyNewsJapanというニュースサイトは2004年5月26日が正式オープンなので、この5月で10年間が終わり、11年目に突入した。もともと、ライフワークとして1人でも成功するまで続ける決意で始めたものなので、実は10年続いていることにさしたる感慨はない。死ぬまで止めないのだから、生きている以上、続いていて当然なのだ。簡単に数字を振り返ってみた。<>内は期末の有料会員数である。2004年(1年目)389万円<154>2005年(2年目)1,053万円<415>2006年(3年目)2,151万円<1003>2007年(4年目)4,559万円<1344>3年目で単年度黒字化(最終利益13万円、以降一度も赤字にしていない)し、単行本も売れ会員も増えた結果、売上高が4年目まで倍々ゲームで伸びて、当時は、なんだ楽勝だなぁ、もっと早く独立しても良かったんじゃないの、というくらいだった。小泉・安倍政権で改革ムードがあり、世間の景気も良かった時期である。有料ニュースサイト事業はコスト一定モデルであり、損益分岐点を越えたらすべてが利益になる。このまま倍々で行ったら売上1億円とかすぐじゃないか、社員ゼロなので人件費もないし、税金どれだけ払うことになるんだろう、などと、いらぬ心配をしたりもした。ところが、そう一直線にうまくいくものではないのが現実である。5年目以降の推移が以下だ。使命感にもとづき好きなことしかやっていないので、私自身は苦しくはなかったが、会社の数字上はけっこう苦しんでいたように見える。2008年(5年目)4,168万円<1449>2009年(6年目)3,333万円<1122>2010年(7年目)3,243万円<1080>2011年(8年目)3,330万円<1420>2012年(9年目)4,620万円<1864>2013年(10年目)4,140万円<2005>2009年から2011年にかけての売上3千万円台の低迷は、リーマンショック→ライブドアとヤフーがリストラ→それらポータルへの配信料を切られ年500万円程度の売上減と、それにともなう会員減が影響している。いま思うと、5年目などは、かなりバブルだったと思う。ポータルに記事が載る→見込み会員が誘導される→会員になる、という流れがあったため、それが未来永劫続くと錯覚していた。だがこのビジネスモデルでは、ポータルに命運を握られてしまう。ポータルの景気次第、つまり広告モデルと同じ、ということだ。同様に、雑誌の特集記事の仕事も減った。たとえば給料明細特集や大企業の出世の仕組み特集をやるから30万円で協力して、といった仕事は、雑誌媒体の衰退とともに、やはりこの低迷期に激減した。ここで、ポータルや雑誌媒体のような外部の中間企業に依存していたことを反省し、配信事業のような相手がたの景気に左右されてしまう脆い商売はやめようと誓い、独自安定収入強化のため地道にコンテンツを蓄積し、会員増に務めた。住商の経営理念ではないが「浮利を追わず」だ。その結果、3年で会員が倍増した。振り返れば、フェーズとしては、①スタートダッシュ期の5年②低迷期の3年③それ以降の第二成長期2年、に分けられる。繰越利益剰余金がプラスになった(累損解消)のは2012年で、この年に銀行借り入れも完済し、自己資金だけで運営できる余裕の状態になった。2012年は2月に発売した『10年後に食える仕事食えない仕事』がベストセラー化した上に会員も順調に伸びたことが大きかったが、2013年は本が売れなくとも会員収入だけで十分に経営できる状態にでき、盤石化した。5年目と10年目は売上規模が同じだが、体質は全く違うということだ。ネットビジネスの王道は、最終顧客とダイレクトにつながり、無駄な中間事業者の影響を受けることなく、経営資源を最終顧客利益のために集中することで、WIn-WINの関係を築ける点にある。すなわち、プロフェッショナル(顧客志向)に徹することができる。2014年以降も、この基盤を維持しつつ増強し、さらに定期的に単行本を出して知名度アップやブランディングに務めていく所存である。ダイレクトに、プロフェッショナルに。2014/05/29
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まともな歯医者探しが難しすぎる問題――開けてみたら、神経までギリギリの、深~い虫歯だったら、どうしますか?「ウチでは、とにかくギリギリまで神経を残します。神経が見えても、露出が1ミリ以内なら、残します。とにかく、必ず1回は残せるようトライして、様子を見ます。3mixは賛否両論ありますので、ウチでは既に実績のある水酸化カルシウムを使っています」これは、先だって聞いた、ある医者(自費診療)の治療方針であるが、ほぼ百点の答えと言ってよい。だが、ここにたどり着くまでに、僕は7つの歯医者をまわり、無駄に歯を削ってしまっている。莫大な時間と労力と健康の浪費だ。僕は、小学生の頃、前歯が斜め45度に生えてきたことから、やむなく歯科矯正をするはめになり、永久歯を4本抜いて上下に金属のわっぱをはめ、口中が血だらけになりながら夜も眠れず、苦労した。親によると「あなたがお腹のなかにいるときにカルシウムをとりすぎたから歯が大きくなった」などという真偽不明な説明を受けたが、僕には罪はないのに、なんでこんな痛い目に遭わなきゃならないのか、と思っていた。それだけに、歯は大切にしたいと常々思っているが、歯医者業界がろくでもないことになっていて、なかなか歯を大切にする治療を実践できないでいることをここに記しておきたい。以下、経緯を振り返ってみる。7つの医院について、ドクター名も含め具体名で記しておくので、選択基準や見分け方について、歯科医選びの参考にしていただきたい。うちの会員のみなさんには、私と同じ非効率や遠回り、健康被害に遭ってほしくないのである。(1万1千字余り)■長谷部均(ハセベデンタルクリニック)そもそもの発端は、もう5年ほど前にさかのぼる。ここで一発でウデのよい医者を見つけられれば、その後の莫大な機会費用と金銭費用(概算で70万円超)は払わずに済んだわけだが、今となっては手段がなかったので、仕方がないと言うほかない。腐敗した日本の歯科業界に食い物にされたわけである。2008年5月、右下の奥歯(6歳児臼歯)の詰め物の端に隙間ができ、どうやら虫歯になってしまっていることがわかった。痛みはないが、舌で触ると穴があり、治療が必要なことは明らか。だが、かれこれ10年以上は歯科治療から遠ざかっているため、アテがなかった。そうなると困ったもので、当時たまたま通っていた整体の先生から聞き出した、秋葉原のハセベデンタルクリニックという医院で、診て貰うことにした。息子さんが歯を抜いて特に問題なかったから、いいんじゃないの、ということだった。抜歯と虫歯治療は異なるスキルだが、医療関係者でもあるし、他にアテもないので、まあよいか、という程度の認識だった。結果的に問題だったが、もちろん整体の先生に責任はないし、恨んでもいない。善意で教えてくれただけである。ハセベには、5~7月で、計6回通うことになった。ゴールドのインレーを詰め直して、5/28に、47,250円を支払っている。やたらと壁に、海外の大学を含む修了証のようなものを貼り付けてあるのが印象的だ。こうした「張り子の虎」系のドクターは要注意とわかる。カネを出せばとれるものだからだ。だが当時は、その評価をできなかった。なぜ6回も通ったのかというと、削って型取りをして、ゴールドを詰めて、翌週にチェックしたところ、「どうもうまくハマっていない、詰めたあと最後に噛んだときにズレてしまったようだ、やり直してもよいか」と言い出した。私は言われた通りに噛んだ患者のせいにしたのでムカっときたが、やり直したいというのだから、プロ意識の表れと理解することにした。「余計に削らないよう最小限にします」とは言ったが、再び麻酔を打ち、外すのだ。全く不愉快な医者である。「型どりで失敗しないよう2つとります」と2つ型をとり、翌週、インレーを詰めた。だが、その後、5年間、その歯はジクジクし続けていて完治していない。2年後の2010年ごろに他の医院で診て貰ったが、「見た感じでは完全にハマっているが、内側はわからない。ストレスがかかっているのはレントゲンからわかる。でも、この状態で開けることは通常ありえないです」と言われ、様子を見ることにした。■金丸敏生(金丸歯科)違和感は続いたが、そうこうしているうちに、2011年夏ごろ、その上の歯がおかしくなった。右上の6歳児臼歯(親知らずの2つ前)である。ちょうど問題の歯とかみ合っている歯なので、影響が出たのかもしれないが、この歯も小学生の頃に虫歯になって詰めたきりだった。下の歯と同様に、詰め物の端に穴が開いた。歯の治療は、突然やってくる。私は未だによい医者を探せずにいた。出版関係者に聞いたところ、「普通の詰め物とかも抜群にうまいらしく、下手な歯医者にひっかかった人の駆け込み寺として使われている模様」となかなか有望な情報をもらった。見城社長ほか幻冬舎の幹部社員行きつけの歯科なのだという。私もデビュー作は幻冬舎だった縁もあり、久しぶりに千駄ヶ谷にある幻冬舎近くの、金丸歯科医院を尋ねた。2012年2月のことである。金丸先生は、「口は悪いがウデはいいです」と自分で冗談ぽく言う人で、コミュニケーションに難はある感じだが、外科医は手先の器用さなどウデが第一なのであって人当りは二の次だから、そこは問題なかった。ただ、「この虫歯は深いので、神経までいっていたら神経を抜きます」と断言する。「今のところ痛みがないんで、神経は残したいのですが」と言うと、「痛みはなくても削ってみたら深い場合があります」。そして歯科衛生士と一緒になって「今の医学では神経まで虫歯が行っていると、残す方法はない」などと、とにかく、抜く気満々なのだった。「どうしますか?考えますか、私が使える時間はどんどんなくなっていきますよ」と自信たっぷりに追い込んでくる。僕のほうも忙しいので、あまり何度も通って無駄な時間は使いたくない。決めかねていると、「考えて、また来てください」となった。客は沢山いるようだった。あの態度から考えても、おそらく腕はよいのだろうし、幻冬舎ご用達というのも本当だろう。いかにも幻冬舎らしい歯医者なのだ。つまり、トップダウンの即断即決でスピード重視、短期的な効率重視、利益重視、そして長期的な人間の健康は顧みない。確かに神経を抜いてしまえば痛みは消えるから、すぐ仕事に復帰できる。患者が目の前の仕事をバリバリ片づけるためには、もってこいの歯医者だ。だが、5年後10年後に歯が土台から崩れる可能性が高まる。神経を抜けば「枯れ木」になってしまうのだから。今考えると、考えるまでもなくさっさと出ればよかった。歯医者など星の数ほどある。全国に8万軒もあるのだ。ただ、その場では「時間を置けば虫歯が悪化するのではないか、この人にやって貰うのが正解なのかも」等と、いろいろ考えるものである。その日は、その足で、新宿の本屋をまわり、最新の歯科治療について4冊ほど買って読みまくった。やはり、神経は残すほうがよいに決まっていることは再確認できた。様々な最新治療のうち、神経に近い深いところの虫歯だけ薬で治す「3mix」、より精度の高い治療を実現する「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」に説得力を感じたので、調べてみることにした。■矢部隆司(矢部歯科医院)3mix治療をネットで検索して出てきたのが、矢部歯科医院だ。正式には「3Mix-MP法」と言い、宮城県の宅重氏が特許を持っているようである。3mixはなぜか東北や九州など東京から遠いところに実績ある認定を受けた医師が多い。通いやすさから、西品川にある矢部歯科を選んだ。これで4つ目になるが、正直、まともな口コミサイトもないし、ほかに選択の手段がないのだから、仕方がない。やるせない気分だ。周囲の評判でも、ハセベや金丸のようなケースになるわけであって、もはやロシアンルーレットである。2012年3月、矢部隆司先生に診て貰い、「深かったら3mixでやりましょう」ということで合意し、治療開始。やはり虫歯で、削っている途中も「これは深い…」と言っていて、3mixを使うことに。薬を入れて、コンポジットレジン(合成樹脂)で詰めて貰った。光を当てると固まるやつだ。型をとって、金属を詰めるのは、下の歯で失敗しているので、気が乗らなかった。埋めて固める方法なら、強度には問題があるだろうが、少なくとも型どりで失敗するリスクはないのだ。これは、結果的に成功した。2年以上たった今でも、何の問題も起きず、この歯については違和感も消えている。その後、小さな虫歯も含めて、何度か通って、数か所の虫歯を削っては詰め、終了。「これで虫歯は見たところないです」と言われた。この時点では、矢部さんに診て貰ってよかった、と思っていた。ところが、半年後の2013年2月、その1つ後ろの歯が突然、欠けて詰めてあった金属がとれた。チョコレートを食べているときに、である。そんな軟らかいモノでとれるほど、虫歯が進行していたのである。痛みもなく、自覚症状はゼロだった。急いで矢部先生に診て貰うと、やはり虫歯。それも深いという。半年前に「もう虫歯はない」と言われたばかりだったのに、いったいどういうことなのか?と聞くと、「詰めた金属の裏側にある虫歯は、3Dスキャナーでもないとわからないが、それは数千万円かかるので、うちのような町医者レベルでは無理で、大学病院などに行くしかないです」という。とりあえず処置が必要なので、その歯も同様に、「深かったら3mix」ということで、治して貰うことに。やはり深くて、3mixを入れて、レジンを詰めて、1日で治療完了となった。3mix自体は無料なので、保険診療と同じだ。神経に近い深い虫歯治療、90分ほど格闘して、3割負担で、1800円。これは安すぎる。10割で6千円、時給4千円。歯科衛生士の給料を払うと、時給3千円以下だ。そこから歯科器材の費用も、家賃も払うと、タダ働きになってしまう。そのような経営環境では患者の健康など二の次にならざるを得ないわけで、不安になる。■不明の女医(東京医科歯科大学歯学部附属病院)大学病院にいかないと3Dスキャナーはない、予防するには3Dスキャナーが必要だ、と言われたので、その機械がある病院をウェブで探して、2013年2月、御茶ノ水の東京医科歯科大学病院を訪れた。御茶ノ水には駅の反対側に日大歯科病院もあるが、小学生の頃、歯の矯正で何度も通い、決してよい思い出ではないので、やめておいた。医科歯科大は年季の入った建物で、患者でごった返していた。だが、大手志向になるのもわかる。現状、町医者のウデは完全にロシアンルーレットであり、ヤブ医者であっても、何も保証してくれない。ネットでもリアルでも、調べる手段がまるでないのだ。それならば大学病院なら組織として一定のレベルを保証してくれるだろう、設備も先生も間違いないだろう、と考えるのは人間の当然の心理である。1階で受付して、5階の「むし歯外来」へ。古い建物で、待合室も廊下に椅子が並べてあり、多くの患者が待つ。女性の医師に診て貰い、経緯を話すと、「3Dレントゲンは、むし歯の事前発見のために違うことはない」と、矢部歯科とは全く違うことを言い出し、混乱した。それでは何しに来たのかわからない。用途としては、「既に歯髄に進行した深い虫歯について、歯根や深い神経の部分を可視化して、インプラント治療などに役立てる」とのことだった。「自覚症状がない段階での虫歯を発見するには目視しかない、金属の裏側については、本当のところは金属を外さない限りわからない。不審な場合に金属を外してみるのは、通常の方法ですよ」医者の言うことをまに受けてしまったことを反省した。自分の頭で考えないといけない。「外してみますか」というので、ちょっと考えることにした。この医者が言うこともまに受けるわけにはいかない。気になったのは、3mixについての評価だった。僕はその時点で2本成功していて、何の問題も起きていなかったので、肯定派なのだが、その医師は、いかにも権威サイドの大学病院らしい見解を述べた。「3mixは抗生物質なので、免疫ができてしまって、何か病気になったときに、薬が効かなくなってしまう可能性がある。だから、医師会でも認められていない。」といった話をされた。いろいろと議論があることは知っているが、神経を抜くよりもいいに決まっているから、僕は3mixを選択した。その判断は今のところまだ正しいと思っている。だが、大学病院のような、標準的な、正式なものしか使わない、という堅いところで治療して貰ったら、僕の上の2本の歯は神経を抜かれていた可能性が高い。歯医者選びは本当に重要だ、と痛感した。僕は、多少のリスクをとってでも健康を守りたい派なので、リスクを一切とるつもりがない大学病院は向いていない。次を探すことにした。■入谷治(イリタニオフィス)いろいろ知り合いに聞いたり、ウェブで調べたりしたが、口コミサイトはどれもヤラセコメントばかりのクズサイトしかなく、もうこれ以上、治療を長引かせたくないので、多少高額でもいいから、最良の治療を受けたいと思い、まだ行ったことがない自費診療の医院に照準を定めた。吉田歯科は非常にオープンで、動画を見る限り、かなり参考になったが、当時は新規顧客は受け付けていないとのことだったので、他を探した。「現代歯科学では金属を口の中に入れる理由はない」と金属フリー宣言。これは正しそう。後輩が行ったことがあり悪くなさそうだったので、イリタニオフィスに行ってみることにした。ここは、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使うことをウリにしている。ウェブサイトの第一印象は、プロモーションビデオまで作っていて、それがまた「かなりイタいな」という感じで、あまりよい印象はなかった。まあそれでも、ちょっと変わり者だからこそ、保険ではできない良質な治療を自費診療でやっているわけで、こだわりがあるのは良いことだ。2013年4月下旬。予約して訪れると、受付横には『ブラックジャック』が揃えてあって、わかりやす過ぎて、少し引いた。最初は、症状を説明し、一通り検査が行われ、次の通院時に個室で説明を受け、金額面などの資料を貰う(右傾)。かなり時間を使うので、これは自費診療ならではの丁寧な診療であるが、特によい話が聞けた、という印象はなかった。すべての治療で金属を入れる理由はない、というのはその通りだろうと感じたが、結局、歯学はたいして進歩していないんだな、というのが印象だ。既にはっきりとデータから言えていることは、以下の3点。◎フロスを使うことで虫歯予防効果が高まることは分かっていて、ヨーロッパでは使うのが当然になっているが日本は遅れている。◎3か月や半年に一回、定期的に歯のクリーニングをして歯石除去を行うことで、歯が長持ちする。◎一度むし歯になって治療した歯は、必ず再治療が必要になる。詰め物と歯の境目からむし歯になる。人間の寿命が速いか、歯がなくなるのが速いか、の競争。どれも当然といえば当然であるが、知識として再確認できたメリットは大きかった。これ以来、フロスは1日置きくらいに使うようになった。それ以外については、曖昧な話に終始。3mixについては、「臨床でのみ効果が出ていて、医学的には検証されていない」「自分も3mixとほとんど同じ成分の薬でLSTR療法はやっている」とのこと。これは、ブログで事前確認済みだ。人によってむし歯になりやすい人となりにくい人がいること、唾液の成分によってむし歯になりやすい人がいるらしいこと、むし歯になるメカニズムはよくわかっていないこと。「かみ合わせが重要であること」「詰め物などで、金属は使わない方針であること」については、感覚的にその通りと思ったので、好感を持った。面談のあと、一通りレントゲン検査や、顕微鏡を使った診断を行う。唾液の成分も分析して貰ったが、特に普通で「ヨーグルトを食べましたか、乳酸菌がいます」みたいなほとんど役に立つものではなかった。初期検査が終わり、右上の矢部歯科で治療してもらった深い虫歯で詰めたレジンがかなりいい加減であることを顕微鏡でモニターで見せて貰って、「これはちょっと、どうかな…」と言われたので治して貰おうとしたが、「治療して貰った歯医者さんでやって貰ったほうがいい」とやりたがらないので、特に急ぐ必要もないため、放置することに。問題の、違和感がある右下奥歯は、特に見た目は問題ないが、開けてみないと金属の裏側は分からない、と医科歯科大と同じことを言う。例の3Dレントゲンについては、「うちにも最新の設備があるが、光ってしまうのでむし歯は発見できない。根の治療などで使う」と、医科歯科大と同じ見解。これが本当のところのようだ。むし歯はいくら定期的に検査したところで、どんな機械を使ったところで、現代の医療水準では、再発分(詰め物の裏側)については、たとえむし歯になっていても、発見は不可能――。歯の研究者たちは、いったい何をやっているのだ、と思った。ぜんぜん進歩してないじゃないか。むし歯があるかもしれないが、痛みがあるわけでもないので、とりあえず経過観察することにし、クリーニングを受けることにした。戸田奈緒美という歯科衛生士が、こちらもマイクロスコープを使って丁寧にやってくれる。価格は高めだが、画面を見ながら説明もしてくれ、歯茎の狭い内側にたまった歯石もとってくれるので、1回くらいはやってもいいと感じた。そうこうしているうちに8月になり、どうも疲れているときには、懸案の右下の奥歯が気になるようになった。寝不足になると、ピキピキっと鋭い痛みが走ることもあり、これはついにきたか、とイリタニさんに診て貰うことにした。8月下旬のことだ。症状を伝え、開けてみて、むし歯だったら治療してほしいこと、神経は抜かない旨を伝えた。すると、「この場合、うちの場合は、抜くことになるケースが多い」と言い出した。どうも話が違う。歯の健康を考えたら抜かないほうがよいことは分かっているはずだ。「3mix、LSTRをやっている、と言ってましたよね?」と確認すると、「いや、あれは最近は、やっていないんです。専門のところでやって貰ったほうがいい」と言い出したのには閉口した。つい半年前のカウンセリングで「同じことをやっているんですよ」としゃべっていた同じ口で、逆のことを言うのだ。詐欺にかかったようだった。ようは、大口叩いただけだったのである。素人かよ…まあでも、できないことをできると言って、いい加減な治療をされても困る。正直にできないことは、できないと言うほうがましだ。「専門の人にやって貰ったほうがいい」と繰り返すので、「誰か知りませんか」と尋ねると、PCに向かって検索し、プリントアウトしたものをくれた。単なる、3-Mixを扱っている医院のリストだった(左掲)。「これらの医院が、やってるようです」。謎の誰かが、3mix治療ができる医院を地域別にリストアップしただけの、ネット上の無料サイトだった。素人かよ…どうもこの先生は付加価値がない。矢部歯科の件で懲りていたこともあり、「保険診療は丁寧にやる時間をとれないと思うので、自費診療がいいのですが、どこかわかりますか?」と聞いても、「天野さんのところは自費診療じゃないかなぁ…基本的に港区とかだと、自費じゃないと経営が成り立たないはずなんですけどねぇ」そして、オチがあった。「あっ、私も載ってる…」そりゃ、そうだ。僕だって、神経を抜きたくないから、あなたが3mixをやってることをブログなどで確認した上で、ココに来たのだから。それなのにできないってどういうこと?ジリジリ痛む感じがあったので、事態は急を要する。詳しく調べている時間はない。とにかく、どこか選ばなければならない。その紙を貰い、イリタニを後にした。入谷さんの感想としては、ようは、面倒くさい割に儲からない深めのむし歯治療などは、なるべくやりたくないのだな、と感じた。実際に治療を受ければ、腕はよいのかもしれないし、それは、私が受けてないから分からない。だが、歯科医として、プロとして、患者を積極的に治療する姿勢がない点は間違っているし、むやみに神経を抜く姿勢を見せた点については、完全に看板に偽りアリだ。自分の歯に対しては絶対に抜かないはずだし、なるべく抜かない治療がよいことは議論の余地がない。歯を失ったあとのインプラントなど高額治療しかやりたくないのなら、最初からそこが専門なのだと、率直に書くべきだ。間口を広げ、高額な検査料だけとり、結局、治療しなかったという今回のケースは、金儲け主義に見える。ダメサイン1:広告記事なお、イリタニでは、患者のカルテやレントゲン写真も一切、患者に渡さない方針である。個人情報を囲い込まれるのは気分のよいものではない。訴訟になったときに証拠として出されるのが怖いのだ、と推測できる。こういう方針の医院は、あまり信用しないほうがよい。1つの基準である。高くついたが、よい勉強にはなった。■小瀬木克英(Kデンタルオフィス)もはや調べる手段もないため、貰った紙のなかから選ぶことにして、通うのに便利そうな新橋の「Kデンタルオフィス」に電話した。少し痛みがあると伝えると、その日のうちに診て貰えることになり、訪問。待合室の壁には、なんと『夕刊フジ』と『日刊ゲンダイ』に出した広告記事が切りぬいて貼ってあり、ああこれはヤバそうだな、と思った(右掲)。これがプラスに働くのは、「情報弱者」だけだ。カネさえ払えば、こういう企画広告記事は簡単に載せられる。情弱相手のビジネスモデルで運営していることがわかった。ダメサイン2:修了証書さらに、海外で取得したらしい各種の修了証書のようなものが、これ見よがしに壁に貼りまくられていた(右掲)。これらも、金を払えばとれるものなので、ほとんど価値はない。「張り子の虎」みたいなものだ。不安になってしまう。そういえば、最初に訪れたハセベデンタルクリニックでも、この手の修了証書が壁に貼りまくられてた。これは無能な証明書なのかもしれない。とはいえ、もう選択肢がなく、時間もない。時間がたてば痛みが悪化しそうな状況なのだ。院長の小瀬木克英氏に診て貰うと、おおざっぱな印象で、コミュニケーション能力に難がある。不安に思ったが、なるべく歯は削らない、神経は、3-mixを使って残す、という最低限の点では合意できたので、治療を受けることにした。実際の腕など、治療を受けてみないとわからないし、手先は器用でなくウデに自信がない人に限ってコミュニケーション力でカバーする傾向もありそうだから、もう、日本の歯医者選びは、完全にロシアンルーレットである。8月26日、麻酔を打ち、右下奥歯の被せものを削って見て貰うと、先生いわく「むし歯というか、なりかけで、ちょっと接合面がグチュグチュしてるだけ」とのことで、神経まで行ってるわけでもなく、変色している部分は無理に削らずに残す、という。ほっとした。麻酔を打ち、被せものを削る。ここで外したゴールドインレーこそ、ハセベデンタルで2回目に入れた詰め物である。5年が経過していた。この歯には4回目のインレー、ということになる。患者が口を開けて固定されていてしゃべれないのに「このまま削りますよ、いいですか?」と意思確認を求めてきたり、おいおい、ということが何度かあった。ガサツである。「深いところは3mixを使ったんですか?」と尋ねても、「う…ん、同じ成分を少しね」などと、ハッキリ説明しない。説明責任を果たす意志が感じられない人物であった。型取りして、翌週、セラミックスとレジンのハイブリッドインレーを詰めた。4万円也。ところが、どうも後ろの方の一番深いところの歯との接合面に、穴が空いている。これを指摘すると、「もともと、そういう形状なんです」と言い出した。そんなはずはない。以前はなかったのだから。それは舌で触った感触で分かる。だが、何度言っても聞かず。こちらに証拠があるわけでもない。こういうグレーゾーンは、如何ともしがたい。結局、小瀬木氏のウデが悪かった、ということだ。一応、痛みのようなものは出なくなり、症状は改善したが、違和感は残り、穴も開いている状態であった。■赤沼大輔(あおい歯科)次にどうすべきか、セカンドオピニオンを求めようと、再度、調べることに。もうこれで7つめになる。しかし、まともな口コミサイトもないし、載っていても、歯医者の広告費が口コミに化けたような、ヤラセのおススメコメントしかない。世にPR系の口コミサイトしかないことで、どれだけの患者が困っていることか。まともな口コミサイトがあれば、どれだけ役に立ち、無駄に歯を傷めず、保険財政が無駄遣いされずに済むか――ということを、再再度、実感した。ネット検索で調べて、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を備えていて都内、ということで、あおい歯科(旧ほりまい歯科)を選んだ。赤沼大輔先生である。いろいろ医療関係者に話を聞くなかで、歯医者というのは、医者に比べるとかなりバカでも歯学部に入れて、下位のほうはどうしようもないらしいということだったので、卒業大学もチェック。長崎大学歯学部卒で、これは歯学系偏差値では、国公立で3番目だというから、よしとした。実際のところ、歯医者のウデと卒業大学の偏差値とで、どの程度の相関があるのかはわからないが、何らかの傾向はありそうだ。患者による口コミがないなかでの歯医者選びは、このようにワラをもつかむ思いになってしまう。どうして食べログのようなものがないのだ!と頭に来てしかたがなかった。予約して、このあおい歯科に訪れると、まず驚いたのが待合室の狭さと設備のなさ。トイレや洗面所がないのだ。この時点で、ここに通うことはないな、と思った。赤沼氏に診て貰う。自身が2本、深い虫歯を治療していて、うち1本は有名な先生にやってもらったが、それでも痛みがなくなるのに半年かかった、とのこと。その医師は顕微鏡は使っていないが、その経験が、歯科用顕微鏡を自分で使い始めるきっかけになった、と。優秀な歯科医は拡大鏡だけで十分な治療をできるから、顕微鏡設備の有無は、それほど関係がない、とのこと。ようは歯の神経を残して深いところを治療するのは、いろいろ難しいのだ、ということだ。これには説得力があった。ウデのよい歯科医は顕微鏡などなくても完璧に仕上げる。ウデのない歯科医のミスを減らし、底上げすることにはなる。そう理解することにした。■現在の自費診療医院ちょうどそのころ、たまたま取材で知り合った薬剤師のかたと雑談していたら、ご自身も歯の矯正で歯を割られて、ひどい目にあった、という話を聞き、アドバイスをいただいた。そんななかから、おススメの歯医者を推薦いただき、そこに通うことにした。それが冒頭の、至極まっ当なことを言う歯医者である。自費診療で、4~5回通った限りでは、イリタニのようなバカ高い設定にはなっておらず、高いとも安いとも感じない妥当な設定だ。最初に訪れ、診断を受けた際、ケイデンタルでやられた歯の穴について、これは医療ミスではないかと聞いたが、「私からはそう言い切れない」という。僕は、この業界がダメなのは、同業者を庇う傾向がある点だと思っているが、ここも同じだ。その歯の穴については、必要箇所を削って、レジンで埋めるのがよいとのことで、治療を受けた。2万円だ。「むし歯になってますね」という。つい数か月前に詰め直したばかりの歯がむし歯なのだから、どうみても医療ミスじゃないか。そう聞いても、「2週間でむし歯になりますから…」と口を濁す。同業者を庇うことが、この業界で生き延びるルールなのか?穴は歯の外側にあって、そこは埋まったが、逆の内側のほうがどうも危うさが残っていたので、そちらも治すことに。こちらは麻酔を打って、側面だけ一部削って、レジンで埋めた。「こちらも、むし歯になっていました」という。また2万円也。1つの歯で、数か月前に治療した同じ場所で、2か所も新たにむし場が見つかったわけだ。Kデンタルオフィスの小瀬木は、完全にヤブ医者認定としたい。度重なる治療で多少は安定したものの、現在も、この懸案の右下の奥歯は危うい状態が続いており、どうしたものか、経過観察中である。この歯は5年前に治療してからおかしくなったもので、ハセベデンタルでちゃんと治療してくれていれば、この6つの転院は不要だった。医療被害も甚だしい。この現在通院中の医師については、まだ評価できる段階ではないため、匿名としておくが、いずれ世間にフィードバックしたい。■患者によるフィードバックサイトが必要このような経緯もあり、歯の治療の件では、表面化していないだけで、潜在的な被害者、それも泣き寝入りのケースが多いはずだということを自身の経験から、確信している。これは集合知で解決するしかない。現状は、ヤラセっぽい具体性のないPR系の口コミしかないというお寒い状態だ。なんとしても、問題ある医師が淘汰され、ウデのいい良心的な医師が生き残れるようなCGMの口コミサイトを作りたい、と思った次第である。それは、保険財政に貢献し、国民の無駄な時間をカットし、この国の生産性を高め、国民を健康にする。このプロジェクトは、絶対にやり遂げないといけない、と胸に誓ったのである。2014/05/16
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第10期決算確定第1期の損益計算書(2004年)。設立は2月27日なので10か月決算。2014/03/04
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持続可能なプロのジャーナリズムとは――弊社を支える会員像正月も普通に仕事しています。12月は過去最高の21本も更新して、苦しみつつ2千人規模に到達しました。会員収入で売上を立てるサイトは、以下グラフの通り、一気に増やすことは難しいのです(逆に一気に減るようなこともありません)。→MyNewsJapan、会員2千人に一般的な広告収入に依存するニュースサイトは、お客さんが広告主(スポンサー企業)だから、ちょっと景気が悪くなったりすると簡単に「広告宣伝費一律3割カットね」みたいにトップダウンで決まって、切り捨てられる運命にあるわけですが、ウチのお客さんは広告主ではなくて有料定期購読者100%なので、非常に安定しています。もともと会員が5百人もいればそこそこ続けられるビジネスモデルなわけですが(記事は減りますけど)、2006年に1千人を超えてから一度も1千人を割ったことはありません。読者のコミットメントは強く、会員の皆さんに感謝するばかりであります。そもそも、ニュースサイトのお客さんが読者じゃないって、おかしなことです。これは、ファッション誌なんかだとそんなにおかしくないのですが、ニュースの場合、読者と広告主の利害は、絶対に一致しないからです。広告主(トヨタ、ユニクロ、政府機関…)にとって都合の悪い情報は、読者にとっては、もっとも有用な情報です。トヨタに入社して命を落とす、ユニクロに入社して精神を病んで職場復帰できなくなる、自衛隊に入隊して自殺する…そういった事実と背景を知っていれば、人生において貴重な武器になります。武器どころか、知らなかったがために人生を棒に振ることが起きますから、その情報の価値たるや、人の命にも等しい場合もある。人の命はお金で買えませんが、裁判的に言うと、7~8千万円が相場です(20代過労死の賠償金)。そう考えると、1800円なんて安いものだと思いませんか?プロフェッショナルというのは元々、神の前でProfess(告白)する、顧客のため、クライアントのために忠誠を誓います、と宣言する、というのが語源です。だから、顧客が2人も3人もいたらプロは成立しない。プロ=顧客志向です。読者と広告主のような利害が相反する顧客を同時に持つ行為は、プロとして失格なわけです。■プロのジャーナリズム僕は、プロのジャーナリストが活躍できる場を創りたかった。日本にそういう場がないからです。僕が昔いた日経新聞は、広告主と読者という2つの顧客を持ってしまったアマチュア集団で、プロの仕事ができる場では全くなかったので、とてもプライドを保てなかった。もう、自分で創るしかなかったのです。有料メルマガも悪くないのですが、僕はもともと政治に興味があって総合政策学部を卒業して新聞社に行った経緯があり、コントロール動機というか、支配動機、影響欲が強い。だから、自分以外のジャーナリストも含めてプロの仕事を実践できる「場」を創り、プロ集団を育て、社会により大きな影響を与えたかった。だからネット新聞なのです。ジャーナリズムという機能は民主主義国に不可欠だ。プロのジャーナリストにとっての「場」を創りたい。ジャーナリズムを実践する場がないといけない。それを、地に足が着いた形で、持続可能なものとして運営しなければならない。そう思いながら10年、やってきました。2千人というのはまだ大した数字ではありませんが、有料メルマガの3倍の単価と考えると、有料メルマガで会員6千人というのは、まだホリエモンの半分に届かないくらいかもしれないけど、けっこうな規模です。■ジャーナリズムとコマーシャリズムの両立ジャーナリズムにはカネがかかります。評論やキュレーションとはワケが違う。6千字の記事を書くには、膨大な準備と取材と後整理と執筆、裏取り、推敲の時間がかかります。だから、ビジネスモデルと購読者数は重要なのです。日本版オーマイニュースにしてもJANJANにしても、理念は悪くないのですが、続かなかった。商業的にビジネスモデルが優れていなかったからです。理念だけでは飯は食えない。ジャーナリズムとコマーシャリズムは、両立させてはじめて意味がある。言い換えれば、ロマンとソロバンの両立。優しさと強さの両立。もともと儲かりにくいビジネスであるジャーナリズムだけに、この両立問題は決定的に重要です。持続可能なジャーナリズム。その一定のメドは、つけられたと思っています。■個人が生活できる「職業」に持続可能と言う場合には、個々のジャーナリストが、ちゃんと飯を食えないといけません。ボランティアでは続かない。人はパンのみにて生くる者に非ず、ですが、パンがなければ生きていけません。会員の年齢分布(2013年12月時点、以下同じ)そのためには、記事1本につき10万円が1つのメドで、15~20万円は必要だと思っています。現在の謝礼は、6~10万円前後で、これは継続的な貢献度と個別記事の成果(アクセス数、続報望むポイント、facebookおススメ数、tweet数…)に応じて自動的に決まる合理的なものですが、このベースを、まずは早期に1.5倍に引き上げたいと思っています。現在でも、うちに週1本書いて月30万円強を稼いでいるジャーナリストは実績ベースでいますし、フリーだから他で自由に書けるし、単行本を出して印税収入を得てもいいので、ちゃんと市場を見て精力的に活動し、自己ブランディングとキャリアを磨くことを怠らなければ、月50万円くらいの収入は確保できるわけです。会員の入会からの年数分布もちろん、ウチから払われる原資は、お金を払って支えてくれている会員によるものです。1.5倍に引き上げるためにも、会員増が必要です。まさに会員の存在こそが、すべてのカギを握るわけです。以下、統計処理した会員データをもとに、どのようなかたが会員になっているのか、感謝の気持ちを込めて、この機会にまとめてみました。会員ログインのうえ、ご覧ください。■会員像12月の2千人データをみると、平均会員日数は598日。平均年齢は37.8歳。うちわけは左記の通りで、10代0.1%、20代25.3%、30代36.4%、40代23.1%、50代以上15.1%。男性87.1%、女性12.9%でした。会員の都道府県別比率会員登録からの日数では、5年以上が154人。3~5年が165人、1~3年が701人、半年~1年が404人、半年未満が581人。1年超のロイヤルカスタマーが51%(1020人)を占めています。なお、開設以来これまでに会員登録をしていただいたかた全員(現会員+退会者=15,563人)に母数を拡げると、平均滞在日数は275日、平均年齢は35.8歳。10代0.1%、20代24.5%、30代47.9%、40代20.1%、50代以上7.4%。男性88.2%、女性11.8%。滞在日数が半分以下になるのは、現会員にコアなファンが多いため当然ではあります。会員の就労形態別分布両者を比べると、現会員には、資金力に余裕があるためか、はたまた長文の活字を読む習慣がある世代であるためか、50代以上が顕著に多くなっています。①30代、②20代、③40代の順に多い点は変わりませんが、徐々に高齢化が進んでいるのは確かです。30代後半の東京に住む男性会社員で入会して1年半くらい――読者像は、そんな感じでしょうか。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。2014/01/02
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『永遠のゼロ』(百田尚樹)が描く人命軽視なブラック企業の起源『永遠のゼロ』2013/08/15
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今回はみんなの党だ(2013年参院選)左上のエリアにいる党の政策だと財政破綻一直線確定。2013/07/16
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ユニクロ企画のバナーとアイコン募集ニュースサイト告知キャンペーンの一環として、バナーとアイコンを募集します。ウェブデザイン関係のお仕事をされているかた、ぜひご応募くださいませ。また、興味もちそうなかたがいらっしゃいましたら、ご友人等にお知らせください。■以下2つを作成下さい①ユニクロ企画トップページのバナー(赤線で囲ったところ)②トップ画面企画欄のユニクロ企画のアイコン(グレー枠の正方形のやつ)■採用分謝礼現金1万円+無料会員ID3年分(34020円相当)■次点謝礼現金5千円+無料会員ID1年分(15876円相当)■期間7月14日まで(応募が少なすぎたら延長します)■応募先MyNewsJapan本部:headquarter@mynewsjapan.comまで画像添付してください。企画趣旨に、より適合したものを、私が独断で選定します。よろしくお願いいたします。2013/07/01
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SFCはなぜ期待外れだったのか――「リーダー不要論」の結末なんと中高大と10年間SFCに通ったという加藤さんに写真を拝借。2013/01/28
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藤原和博氏の描く未来仕事図「プロと考える仕事の未来」という対談の連載が始まった。これは『10年後に食える仕事とは何か』をさらに徹底的に突き詰めて考えていくという目的があり、ミッションは明確。また、私がやるということは、すなわち「ぶっちゃけ本音対談シリーズ」にしかならないわけで、編集長インタビューにありがちな、うだうだしゃべくったものを文字にしてみました、というなぁなぁの対談モノとは全く違ったものにするので、ご期待いただきたい。1回目は、藤原和博さん。65冊も本を書いているので全てではないが、主要な本の大半を読んだうえで臨んだ。それでも、今回出てきた話は本に書いていないことばかりで、情報編集アップデート力の高さを実感した。藤原和博(ふじはら・かずひろ)杉並区立和田中学校・前校長東京学芸大学客員教授1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08~11年、橋下大阪府知事ならびに府教委の教育政策特別顧問。今後、グローバル化が進んでいくと、グローバルエリート:コミュニティ貢献者が1:99になる――という藤原さんの見通しは、方向として、その通りだと思う。去年、「Weare99%」デモが日本以外の先進各国では盛んだったが、日本にも当然、やってくる。藤原さんの言うグローバルエリートとは、すなわち無国籍ジャングルで戦う人たちだ。僕は『35歳までに読むキャリアの教科書』では、それでも親世代の生活水準を維持するために個人としてどうすべきか、という往生際の悪い話を展開したのだが、国民の大半にとって重要なのは、むしろどうやって普通の99%の人たちが仕事を得て食べていくのか、という話であろう。いま、急速にグローバル化を進めるユニクロは、「1:99の世界」の象徴といえる。トップの柳井社長はもちろんグローバルエリートであるが、106億ドル(8400億円)の資産家で、被災地にポンと10億円寄付できる余裕がある。その一方、ナンバー2以下の雇われ役員たちはその1千分の1の資産もなく、明日クビにされるかもわからない。末端の店長や社員たちは年収400~500万円で入社2年後には半分が激務から辞めざるをえないほど働きづくめ。その下の年収200~300万円のパート社員も含め、人間の使い捨て状態にある。そしてトップだけがますます潤っていく。1:99どころか、1:9999の世界が、ユニクロの現実である。似たようなことが楽天でもグリーでも進んでいる。10年後は、そういう労働社会が加速する。問題は、「死ぬほど働かされて500万円」くらいの人たちが精神を病んでドロップアウトしても、日本国内には「次の仕事」がなくなっていくことだ。現在7割を占める左下の「重力の世界」の仕事群は、中国・インド・ミャンマーといった国外に出て行かざるを得ないからだ。今後、失業率は徐々に上がっていく。ではどうするか、ということだが、藤原さんはコミュニティー(地域社会)で吸収する仕組みを作るしかない、という。それは何かというと、たとえば藤原さんが実践してきた学校を中心とする地域本部(学校支援本部)での仕事。ドテラ(土曜寺子屋)は、地域の大学生や社会人がナナメの関係で中学生を教えるかわりに、1回数千円のフィーを得る。また、その事務局業務を行う。年収300万円くらいの準教員、準公務員を増やしていくのだ。民間でも、ネットインフラを活用して、ある専門領域(たとえばネット上の花屋)で200万くらい稼ぎつつ、あとは有償ボランティアで被災地コミュニティーに貢献する、といったコントリビューターを増やす。そのために、有償ボランティアを根付かせる。これら地域貢献に寄する仕事は年収200万円くらいで、ワークシェアのようなものだ。今後、住居費が、ある段階でガクっと下がり、200万×夫婦でも生活が成り立つ社会の前提条件が揃ってくる。あとは、それでも必要となるであろう、国が出す原資だ。僕は柳井社長などの資産家に資産課税をかけるべきだと考えているが、藤原さんも、1500兆円の個人金融資産の1%でもとること、さらに宗教法人の活動と課税を変えること、など様々なアイデアを持っている。それらは、連載の次回以降で、議論される。これから顕在化してくる現象は、1:99の社会になっていくスピードに比して、既存の制度の変革が追い付かないことから来る社会の様々な軋みであろう。既得権者(既存の公務員など)の抵抗は計り知れず、変革は進まない。競争と分配のポジショニングマップ(これは古いバージョンなのでマップの軸だけみてほしい)。残念なことに、右上を志向する政治団体が存在していない(現在では維新の会が近いと思われる)政治に必要なのは、懐古趣味で「3丁目の夕日よ、もう一度」と、東京スカイツリーを作るのではなく、ファンタジーから抜け出し、まずは現状を認識し、確度の高い未来予想図に合ったヴィジョンと制度を提供することだ。野田首相が「分厚い中間層の復活」を掲げてきたのは、無知な国民を相手にする選挙戦術としてはわかるのだが、実際にはそんなものは既になく、一部の勝ち組を除いて、全体が下がりつつある。そういう身も蓋もない現実を認識し、我々はどこを目指すのかを明確に国民に提示する時期にきている。藤原さんは、私と同様、左記図の右上を目指すべきだ、という考え(競争はさせる、資産家からはとる)である。2012/11/13
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最近読んだおススメの11冊忘備録代わりに最近読んで良かったと思う本を紹介しておこう。僕は、異常に忙しいなかでも食事中はだいたい本を読んでいるので、自動消化されていく。特に、自分と経歴や年代が近い人や、目標とすべき人が書いてる本は、だいたい買って読んでいる。■『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(東野圭吾)「黙祷はビートルズで」の章では、ビートルズの曲(今回はLetitbe)をモチーフにして、手紙のやりとりを通して、「同じ光景でも、人の心の状態如何で違って感じられる」といった答えのない問題(カ・ド・コンシャス=あれも正しい、こちらも正しい…)を描き、考えさせる。東野作品のなかの超名作『手紙(文春文庫)』と、ウリ2つの手法だ。この“三題話”(①モチーフとなる何か、②訴えたいテーマ、③手紙を通した心情表現)は、空手の「型」みたいなもので、僕が理想とする小説の教科書として認定させて貰った。こういう得意な型をいくつ持っているか、が小説家の実力なんだと思う。ほかの作品も、きっとパターン化された型が頭の中に無数にあって、そのワザの組合せなんだと思うが、素人の僕には気づけない。型を知れば、複数のワザを組合せ、仕事をショートカットできる。東野氏が作品を量産できる秘訣はそこにあるに違いない。■『「一生食べていける力」がつく大前家の子育て』(大前研一)これは編集者の企画力の勝利。読みどころは、大前研一氏が書いた前半の「きれいごと」ではなく、後ろのほうの、長男・次男へのインタビューだ。寝ている長男を夜遅く帰ってきて叩き起こし殴り倒すというDV親父ぶりや、休日なのに家族旅行にも猛烈に細かいスケジュールをこなすことに巻き込むため疲れてしまい、「(大前研一抜きで)家族だけでもう一度旅行しようか」と言わしめる異常なエネルギー親父ぶり。ミスをするレストランのスタッフやCAを所かまわず大声で叱りだしたりするロジカルなカイゼン親父ぶり。友人に海外旅行に行くなどと言えばイジメられるから本音はあまり行きたくないし、子供にも用事があるのに、「俺は世界で一番忙しいんだから俺に合わせろ」と無理やり夏休みの家族全員の予定を決めてしまうリーダーシップ親父ぶり。そして、長男も次男も学校をドロップアウトして紆余曲折のキャリアへ…。当然、親父の本なので子供らも編集者もすごく気を使ってセーブしてるはずなのに、それでもこれだから、実際はスゴかったんだろうな、と。この兄弟と同世代の私としては、かなり楽しめた。「子供たちのことを本気で考えてくれていたのは確かだと思う」という最後のほうのコメントは本音だろうし、ホントだと思う。まあ羨ましいものである。■一連の『武器』本×3冊(瀧本哲史)僕は君たちに武器を配りたい武器としての決断思考武器としての交渉思考いずれも主張に一貫性、論理性があって、典型的なコンサル系著者の本だな、と思った。「武器」というインパクトのあるブランディングとマーケティング力も含め、読後に、なるほど感が異様に強く残る。外資系コンサルの上位層はこういうタイプであるべきだし、また、そうでないとやっていけない世界だと思う。『僕は君たちに武器を配りたい』では、投資家的な考え方と、そのために必要となる一般教養(リベラル・アーツ)の重要性を説いている。リベラル・アーツが人間を自由にするための学問であるならば、その逆に、本書で述べた「英語・IT・会計知識」の勉強というのは、あくまで「人に使われるための知識」であり、きつい言葉でいえば、「奴隷の学問」なのである。これは全くその通りだ。英語という手段を使って何を成し遂げたいのか(目的)、その目的は、投資家的にみて、リターンを見込める正しいリスクといえるのか。安定などありえない時代になったからこそ、本書の主張はますます正しいと思うのである。■『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』(田中裕輔)ベールに包まれていたプロジェクトの内容や、入社試験からの一連の流れがリアルに分かる。これはマッキンゼー的にはまずい。「見えないもの」をいかにも高いかのように装って売っている会社だけに、隠しておくことによって、ミステリアスな幻想によって付加価値(すごい訓練を受けた天才ぞろいに違いない、みたいな)をつけて、高いフィーを吹っかけているところが多分にあるからだ。BCGでは快く協力してくれる人もいるのに、マッキンゼーの人たちには、もう4~5人取材を断られていて、その理由として「社外に給料の話をするとマズい、(仕事内容に比して?)高すぎることがクライアントにバレてしまう」という輩もいて、その後ろめたい気持ちはよくわかるとはいえ、もっと正々堂々と開示したらどうか、人に言えない汚いカネなのか?と思うわけである。実際、本書を読むと、業界内では噂でよく聞くとおりだった。コンサル業界では、同じクライアントから過去のMckの成果物を見せて貰うことがよくあるが、フィーがバカ高い割に全然たいしたことないよね、というのが定説で、さすがだ、バリュー出てる、とても真似できない、などという話は一度たりとも聞いたことがない。それだけに、その点において、著者の意図とは異なるであろうが、期せずして、この本はなかなかのバリューが出ている。クライアント企業担当者というより、コンサル志望者の若者は、特に読んだほうがいい。■『ライフ・イズ・ベジタブル―オイシックス創業で学んだ仕事に夢中になる8つのヒント』(高島宏平)モノ売りの商売って資金繰りが大変なんだな、と改めて思った。それでもやり遂げようとする動機は、いったいどこから湧いてくるのか?この種のタイプの起業家は、僕にとっては非常に不思議な存在である。特段、野菜をやらなければならない経歴はなく(たとえば僕は既存の新聞社を批判して辞めて自分が考えるジャーナリズムを貫いている)、とにかく独立したい、何かを成し遂げたい、という達成動機のようなものを持つタイプ。実際、そういう人が成功を収めるパターンが多い。楽天の三木谷氏も、サイバーの藤田晋氏、ライフネット岩瀬大輔氏も、事業を始める5年前から沸々とした芽があったわけではさらさらなく、「さて、事業内容は何でもいいが、何をやってやろうか、なんでもいいから自分のリーダーシップで何かを成し遂げて成功してやる、ビックになるのだ」という、“ビック動機”からスタートしている。この場合、「こだわり」がない分、柔軟に事業運営できるため成功しやすい。だから、やりたいことがない人は、こういう人を参考にすればよい。高島氏のオイシックスは、そこそこ成功を収めた今でも、五反田駅前の築40年のオンボロビルでやってるあたりが、好感を持てる。また、競合他社の社名を一文字として出さず、批判も賛意も示さないあたり、狭い業界内で気を遣って大変そうだな、と思った。■『社長のテスト』(山崎将志)残念な人シリーズで大ヒットを飛ばした山崎氏の企業小説。内容はかなり面白くて読ませる。それぞれの立場で章立てし主語も変わる構成は、物語を重層的に見せる手法として、参考になる。だが、版元(日経)が新聞社の盲腸的存在である出版部門が独立した組織なので、プロの編集ではまったくないのが致命的だ。この内容で380ページは無駄に長い。3~4割カットできる。おそらく新聞記者出身で「一丁あがり」の編集者が担当しているのだと思う。本来、本の編集者と新聞記者は全く異なるスキルセットが必要なのであって、雇用対策で編集局に飛ばされたような元記者集団に良い本が作れるはずがない、と言っておこう。中身が十分イケてるし、もっと読まれるはずだっただけに、もったいない。他社から出す次回作に大いに期待したい。■『坂の上の坂』(藤原和博)これまでは坂を上れば、50代以降、下るしかなかった。だが、「坂の上の雲」の時代に比べ、日本人の寿命は劇的に伸びた。だから、30代には3つ、40代には4つ、50代には5つの、プチ専門領域を持ち、次の坂を登ることで人生を充実させよ、ということ。このコンセプトは、成熟社会&人生80年時代に、重要度がどんどん増していくと思う。著者は、元橋下氏の顧問だが、5年後には民間から文部科学大臣として入閣し、辣腕を振るってほしい。■『さびない生き方』(藤原和博)藤原さんと『10年後に食える仕事、食えない仕事』をテーマに対談することになったので、これまで読んでなかった本を片端から読んだのであるが、これは一番、藤原流のキャリア論が凝縮されていておススメである。ようは、20代のうちに5年間は腰を落ち着け、1万時間を費やし、勝負スキルを身につけよ。それは競争が激しくない特定のニッチ分野が望ましく、そのなかで一番といえるレベルにまで磨き、マーケットバリューを上げよ、ということ。20代、30代では、どんな練習を1万時間積むのか、これをはっきりさせたほうがいいでしょう。…わたしの場合で言えば、それは「営業」と「プレゼン」でした。…一流の人々の中ではもちろんですが、二流の一番を目指す場合でも、現在そうしたポジションでユニークな仕事をしているビジネスパーソンに、20代、30代でポンポン転職を繰り返した人は見当たりません。…20代の後半までに、「ここで勝負!」と見切りをつけて、5年間やってみること。■『私、社長ではなくなりました。―ワイキューブとの7435日』(安田佳生)一時はメディアでもてはやされた、ワイキューブの創業社長にして自己破産した安田氏。この人の魅力は、すがすがしいまでの正直さだろう。リスクをとって、自分の人生を生きるとは、こういうことなのではないか。創業の動機のくだりが面白い。「これこそが『できるビジネスマン』の象徴だと思った。シャンパンを飲むときにはイチゴをかじる。私もよく真似したものだ。…とにかく私はリチャード・ギアのようになりたくて、将来は社長になると決めたのだ。…のちに東京・市谷のワイキューブ本社の5階に、福利厚生のためにバーをつくったときには、そのバーで『プリティーウーマン』をみんなで観る会というのもした。私と小川さんにとっては起業の原点でもあり、思い入れのある映画だ。」仕事をする、会社を作る、その動機なんて、このくらい単純でいいんだと思う。若い人には、もっと気楽に「サラリーマン道」からそれてほしい。2012/10/11
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TACセミナー 「薄型テレビみたいな人材」にならないために来週(6/16土)、資格の学校「TAC」で講演をすることになった。対象は大学1,2年生と、その保護者(親)である。日本では子が職に就かないからといって家から放り出すことが社会的に容認されていないため、子がニート化すると、親のスネをかじられ続け、破産しかねない。つまり、子の就職は親自身の問題でもある。→実社会で通用する「強み」の見つけ方育て方世界の中で考える日本の若者のキャリアキャリア(仕事人生)の成功ルールが変わる!右肩上がりの経済成長が止まった日本。企業には『成果主義』が導入され、昇格・昇給が絞られる。さらにグローバル化・IT化の波は、雇用の場を襲う。今、親御さんの時代の就活とは、事情が全く違っています。お子さんを『就活』難民にしないために必要な事、それは親子で『キャリア』を考えることから始まります。ジャーナリストであり、キャリア・雇用・労働問題をテーマに執筆を行っている渡邉正裕氏が、日本の若者のこれからのキャリア形成について講演を行います。資格だけでは食えない時代となり、その結果として、その支援を生業とするTAC自身も生き残りをかけて構造改革(リストラ)に着手している。すべての資格がコモディティー化するなか、資格取得のための勉強は相対的に効率の悪い投資先になった。これは国の政策としては正しいが、個人にとってはしんどい時代になった。コモディティー化とは、近年の薄型テレビや半導体を思い浮かべていただければわかりやすい。ソニーもシャープも、みんな現場は懸命に努力はしているわけだが、韓国勢に圧倒的に負けて赤字続き、リストラを余儀なくされている。デジタル製品は差別化が難しく価格の叩き合いになる運命にある。資格の取得も同様で、すべての資格には色がついておらず、同じ資格を持つ者同士での叩き合いになる。みんな懸命に努力をして資格を目指してきたわけだが、報われない。ロースクールに通って弁護士になってもスクール代すら回収できない。借金だけ抱えたワーキングプア歯科医も多い。■確かに、「学歴」と同様、シグナリングの機能は残る。採用活動において、山ほどいる候補者のなかから、限られた時間のなかで選別しなければならない際に、「わかりやすさ」は重要だ。「コミュニケーション能力がある」ことを伝えるのは難しいが、「英語を聞く能力がある」ことはTOEICの点数でそれなりに伝えることができる。また、「ある基準に向かって努力し、習得し、ラインをクリアする」という目標達成能力の証明にはなる。ただ、それ以上のものにはならない。自分は何をしたいのか、という「コア動機」という根幹がまずあって、その動機を満たす仕事を見つけて、その仕事に就くために必要な能力がたとえば3つあって、そのうちの1つが資格の取得であったりする。しかもその仕事は、コモディティー(たとえばコンビニのレジ打ち)であってはならず、他者ができる仕事とは差別化されていなければならない。そのためには、「コア能力」、すなわち才能にひもづいていない限り勝ち目はない。「薄型テレビ」みたいな<努力しても報われない>人材にならないために、学生時代から何をしなければならないのか?親には何ができるのか?申し込みはこちらから。2012/06/09
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「ぜんぶ社会が悪い」思考のススメ『週刊朝日』1997年5月2日号より2012/05/11