記事一覧
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現役東大特進スタッフが解説 “デキる生徒のためにデキない生徒がカネを払う”東進の低偏差値生搾取のカラクリ――「塾としてどうなのか?と、正直思います」「東大現役合格者数日本一」を自称する東進だが、他の予備校は東大現役合格者数を公表しておらず「何を根拠にナンバーワンと言っているのか不明」との声は東進スタッフからも出ている。とはいえ、東進が「東大合格」にこだわっているのは確かで、特別対策講座「東大特進コース」では、模試等の成績に応じ授業料無料で受講できる「特待生制度」が充実。現代文の林修氏をはじめ有名講師の貴重なライブ授業も受けられるため、進学校や他塾の在籍者が続々と集まる。しかし、無料受講者が多くを占め、単体事業としては大幅赤字のはずで、サービスの受益者と費用負担者は全くバランスしない。今回、受験生時代に東大特進に通い、現在はそのスタッフとして働く現役東大生Eさんに話を聞いた。見えてきたのは、「デキる生徒のためにデキない生徒がカネを払う」という、本来なら生徒を公平に扱うべき教育機関の建前を無視した、低偏差値生を食い物にするかのようなカラクリだった。2017/04/30
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【内側から見た東芝】半導体メモリー事業のキャリア採用社員が分析する“ドМないい人”カルチャーと不正を生む構造――みんな上司しか見てない、「成功したこと」にしてしまう…2016年半ばに粉飾決算発覚後の混乱やリストラにメドがついたと思ったら、年末になって今度は米国の原発事業で7千億円超の巨額の隠れ損失が表面化、2017年3月期は1兆円超の最終赤字見通しで債務超過転落が決まった東芝。それでも2018年3月期ボーナスは昨年より上積みされ「最低でも年2.5カ月分」で妥結(2017年3月22日)し、来期入社の新卒採用も再開するなど、国策依存の巨大企業らしく、危機感はみられない。4月1日付で分社化した「東芝メモリー」の売却益で復活を見込む。だが不正を生む企業カルチャーは、人が入れ替わらない以上、変わるものではない。他社から中途採用でメモリー部門に入社した“外様”の中堅社員(理系・院卒技術者)は「この会社は感覚がズレており、不正は再発する」と分析する。外部の視点で、「内側から見える東芝」の現状と問題点を聞いた。2017/04/17
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ANA 国際線対応で大量採用&“促成栽培”のCA、世界一のサービス支える「体育会系の女タテ社会」文化と高い同質性新卒と中途で年1千人弱のCA大量採用を続けるANA(全日本空輸)。一方で、『エコノミスト』誌が国際線の顧客サービスでシンガポール航空と並びトップにランクするなど、世界的なサービス水準の評価は高い。大量のルーキーを抱えつつ、なお世界トップを争うサービスレベルを維持する裏には、体育会系の厳しいカルチャーがある。ベテラン指導層と若手との間では日々、高ストレス職場を生き抜くための攻防戦が繰り広げられ、若手は要注意上司の情報「リマリスト」を回覧させて共有している。世界一のサービス評価、日本一の就職人気、続く大量採用、厳しい規律とおもてなしの正体、そして高ストレスでドロドロな日々の現場…CA世界で保たれるハイエンドなバランスの現場を報告する。2017/03/31
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「東進生の9割は他で勉強したほうが受かります」第一志望合格率1割の惨状、費用高いだけで指導力ナシ――担任助手が語る東進ハイスクールの教育実態東大特進コースに授業料タダで在籍させ、東大だけでなく国立早慶全般の合格者数も“無料”分で水増ししている東進グループ運営のナガセ。2017年も東大現役753人などと、前年比増の数字をPRする。だが、たとえば授業料タダで形式的に在籍する灘や開成の生徒は早慶にも4~5個は受かるので、数字上は合格者数が早慶でのべ5千人以上に膨らむものの、実質的な名義貸しで授業料も払わない幽霊在籍者が多く含まれ、取材に対してナガセは一切、内訳を開示しない。そこで独自に東進ハイスクールの現場を取材すると、第一志望合格者はせいぜい1割で、9割がたの生徒は、高い授業料を払って、そのお金が、大半を特待生が占める東大特進コースの運営資金に回される一方、指導力不足から通常校舎ではぜんぜん受からない、という歪んだ構造が見えてきた。受験生時代から4年にわたって東進に通い、現在は有名大の1つに在学中の、東進ハイスクール担任助手Cさんに実態を聞いた。2017/03/30
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東電・労災隠し実名告発事件(下)4か月連続100時間以上残業で鬱病に、社員が労災手続き求めるも会社は2年間放置し拒否福島第一原発事故で被災者の賠償業務を担当した社員の一井唯史氏(35歳、実名)は、ミスの許されない高度な賠償業務を担い、「家族にも勤務地を秘密にしろ」「賠償業務だと言うな」「名刺を持つな」「原発推進政党が政権に返り咲くまでSNSでの発信を控えろ」などと理不尽な指示を受けつつも業務を遂行した。4か月連続で実質時間外労働が100時間以上となるなか、鬱病を発症。2013年9月に療養に入ってから、これは労災だと考え会社に手続きを依頼したが、2年間もなしのつぶてだった。ようやく面談で交渉できたものの「労災は労基署が判断するもの」と会社は手続きを拒否。一井氏は個人で資料を作成し、中央労基署に申し立てた。今年2月までに労基署で2度の聴取を受け、順調にいけば夏ごろまでには結論が出されるという。本人に詳しい事情を聴いた。(一井氏が東電に送った「労働災害の適正な扱いのお願い」文書はPDFダウンロード可)2017/03/04
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東進「東大現役合格実績」はやっぱりインチキだった――受かりそうな生徒を授業料タダで在籍させ“横取り”、駿台・河合「何を根拠に日本一と言ってるのかわかりません」著作権法違反や労基法違反などでブラックぶりが明らかになっている『東進ハイスクール』運営のナガセ(永瀬昭幸社長)。「日本一の東大現役合格実績」という広告宣伝も、景品表示法違反(優良誤認)の疑いが強いことがわかった。他塾などで実力を伸ばした受かりそうな生徒を、林修氏など著名講師の授業をエサにおびき寄せ、授業料タダで『東大特進コース』なる広告宣伝用(つまり大赤字事業)の特殊講座に片っ端から在籍させ、東大(と他の有名大)の合格実績を無理やり積み増しているのだ。有名進学校の生徒には、何と学内順位の提示だけで在籍させる。全国学習塾協会が公正取引委員会の勧告等をもとに策定した自主規定では、「3か月または50時間」未満の受講者や無料在籍者を合格実績に数えることを禁じており、駿台・河合等の他塾も現役生向けの授業料無料制度は設けていない。「日本一」表記についても、現役生の東大合格実績を一切外部に開示していない駿台・河合は、「いったい何を根拠に言っているのか」と訝しげだ。2017/03/01
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電通 経営不在、過剰クオリティのチキンレースに疲弊する現場事情――デキる男同士が「仕事やってる感」を見せ合う“我慢大会”の美学山本敏博新社長が就任した当日(2017年1月23日)、社員向けに流された『社長就任にあたって』という文書は、A4で5枚に及んだ。全社員7千人規模に流しているため、当然、捜査機関・取引先・外部メディア等の目に触れる前提だ。内容は、一言でいうと、石井前社長が言っていたことを繰り返し、「改革します」との意気込みを伝えたもの。4400字にも及ぶ長文ながら、方向性くらいは見せるかと思いきや、キャッチ―で印象に残る言葉も、具体策の片鱗もなく、広告会社のトップがこれでよいのか?と思わせる退屈な内容だった。精神論で改革が進むのなら、苦労はない。なかでも興味深いのは、電通の戦略なき“全張り体質”が色濃く出ていたトレードオフについての記述だった。2017/02/28
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「旅ホーダイ」を喧伝する日産リーフ、「購入5年で70km走れなくなり旅など行けない」と憤るユーザー…米国では補償に応じたのに!世界初の量産型EVとしてデビューした日産『リーフ』の被害者が後をたたない。急激なバッテリー能力低下と走行距離減少が相次ぎ、米国では集団訴訟に発展。日産は原告への補償を条件に和解、米国内ユーザー向けバッテリー保証も開始した。同時発売(2010年12月)の日本市場でも当然、同様の被害が量産されているが、カルロスゴーンCEOは、おとなしい日本の消費者をナメている模様で、日本では一切の補償に応じていない。それどころか、初期型バッテリーの欠陥問題を放置したまま、昨秋から「月額2000円の充電で旅ホーダイ」のキャッチコピーでキャンペーンを開始した。山梨県在住の自営業Aさん(40代)のリーフも、満タン走行距離が購入時の140キロから5年で70キロに半減、旅どころか通勤で使うのも不安だが、日産は「異常なし」と強弁を続ける。「米国では補償に応じたのに日本の消費者には補償しないのが許せない。リーフ購入検討者に、自分と同じ思いをさせたくない」と語るAさんに、リーフの惨状と日産の無責任ぶりを聞いた。2017/02/16
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文科省天下り先の設計会社・教育施設研究所が、杉並区小中一貫校建設の地質調査報告書を改ざん――甘い基準でボーリングを手抜き、高層なのに中低層と偽る文部科学省文教施設企画部の役人が天下っている設計会社「教育施設研究所」が、杉並区から競争入札なしの随意契約で受注した小中一貫校建設工事における実施設計で、地質調査報告書を改ざんしていたことがわかった。文科省指針で6階建ては「高層」にもかかわらず、「中低層」と偽ることで、高層物件に必要な深い地層までのボーリングを行わない手抜き調査とし、利益を上げていたとみられる。地質調査の虚偽が発覚したことから、それに基づき同社が行った校舎の詳細設計にも手抜きや虚偽が疑われるが、住民の請求に対して杉並区は、設計図の公開を拒否。設計見直しも行わないという。計画では最上階にプールを設置するため、専門家は「水は基礎にかかる重さが均等とならず、杭の下にある柔らかい粘土層の影響で建物が傾く危険がある」と指摘、子どもの安全が犠牲になりかねない。政治家・役人・業者の「利権ファースト」で国民の安全と税金が犠牲になる構図は、1千億円単位でドブに捨てられた豊洲への市場移転と同じだ。2017/02/07
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東京ガス ノルマなし、仕事しなくても大丈夫!待遇がよいので辞められない…「定時で帰るおじさん」が沢山いる“どんぶり勘定”な会社首都圏で1,100万の顧客に、都市ガスを独占供給する東京ガス。潜在的ライバルの東電が原発事故を起こし日本の国土と経済にダメージを与え続ける超「敵失」状態のなか、陰で目立たずインカ帝国のごとく繁栄を謳歌してきた。「東電からの転職者は多く、知っているだけでも5人いる」(社員)と、逃げ足の速い東電人材も取り込みつつ、「熱変」時代に大量採用した社員が続々と定年を迎え、身軽になりつつある。本格自由化を2022年に控えるが、4年前にやっと年功序列処遇に修正を入れたばかりで、社内はまだまだ「定時で帰る年収1千万円超の働かないオジサンたち」の逃げ切り天国。米国の4倍、英仏の1.6倍にもなるガス料金にすべてを転嫁することが許されてしまう、(民間・消費者からみたら)理不尽な総括原価方式に守られ、社員の人生を丸抱えする“殿様商売体制”には、一寸の揺るぎも見えない。2017/02/06
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行政書士 定年なく稼げる独立志向者向けの“資格の登竜門”――「社会に馴染めない人たち」の受け皿、人生のセーフティーネットにも内容が地方公務員試験の出題範囲に最も近く、司法書士や弁護士になる勉強の入口としても最適なことから、宅建と並んで「資格の登竜門」とも言われる行政書士。自治体窓口での許認可取得を代行する“半行政”的な仕事で、その幅広さは、お客さんによって、建設系(お客さんは建設業者)、風営法系(パチンコ・風俗店)、入国管理系(外国人)、運輸系(バス・タクシー会社)に大きく分かれる。他にも会社設立、古物商許可、著作権申請など多岐にわたり、ほとんどの行政書士は任意の分野に特化して専門性を高め、業務効率を上げる。29歳で脱サラして資格取得、30歳で独立開業、アラフォーの現在は「手一杯でこなせないくらい仕事がきている」状態となって安定的に稼げるようになった中堅行政書士、および3年前に資格取得したばかりの若手行政書士に、試験勉強から実際の集客手段、収入と内訳、向き不向き等、匿名でなければ話しにくい実情について聞いた。2017/02/01
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東進ハイスクールが組織ぐるみで著作権侵害 バイト潜入させ河合・駿台・代ゼミの模試を入手、違法に無許諾スキャンして利用――3社「ナガセから使用申請受けてない」大手予備校「東進ハイスクール」(株式会社ナガセが運営)が、同業他社に対して、組織的な著作権侵害の違法行為を行っていることがわかった。同社で働いていた元従業員らの証言によれば、ナガセは大手3社(河合塾、駿台予備校、代々木ゼミナール)の模擬試験にアルバイト従業員を潜入させ、入手した問題用紙、解答・解説などを、毎年、無断でスキャンして保存。内部資料からも、同社が少なくとも2010年度から16年度までの間、上記3社で実施された模試全体の7割程度を入手して複製し、社内で回覧していたことが裏付けられた。内部資料では、複製の目的を「バッティングを防ぐため」などとしているが、たとえ建前通りの目的でも、著作権者に許可なく複製すれば著作権法に抵触し、刑事罰の適用対象となる。模試を複製された3社はいずれも「ナガセから使用申請は受けていない」と述べており、ナガセの無許可複製という違法行為は明白。筆者の取材に対し、同社は一切の対応を拒否し説明できずにいる。2017/01/21
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石井社長辞任の電通 首を洗って待つ「5人+α」の責任者たち、現場社員が語る「デジタル広告事業で過労死&不正請求が起きた背景」年末に急展開を見せ、石井社長が過労死事件の引責辞任を決めた電通。厚労省は第一弾として12月28日、まず個別の過労死事件について、容疑が固まった「法人としての電通」と「被害者の直属上司(佐々弘弥部長)」の2者を書類送検し、現在は全社的な違法労務管理の疑いも含め、追加の立件に向けた全容解明の捜査を続けている。社員数が約7千人と大規模で、その1日単位での労働時間が証拠となるため、相応の時間はかかりそうだ。一方で、昨年9月に発覚したデジタル広告部門の不正請求問題については、1月17日、不適切取引は計1億1,482万円だったとの調査結果を発表。当初発表された約2億3千万円を大きく下回ったほか、悪質度の高い架空請求も338万円(10社40件)にとどまり、上層部がいかにデジタル広告の現場を理解していないかも浮き彫りとなった。渦中の現場社員らに、不正発生の背景について聞いた。2017/01/18
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ANA 総合職社員が教える「企業イメージと違うところ」――若手の給料が上がらない新人事制度、“昭和な社風にどっぷり染まれる人”向きのカルチャー…人気就職先で常に総合トップを争う全日空(ANA)。羽生結弦や福原愛といった爽やかスポーツ選手を所属させるなどで、企業イメージは抜群によい。訪日客数の急増を追い風に、ここ数年の増便で国際線収入でもJALを逆転し、国内線・国際線とも国内首位に。原油安や円安など、ことごとく事業環境は好転し、リーマンショック後の航空需要の落ち込みは嘘のように回復、社員のボーナスも2010年度の2ヵ月分→2016年度の6ヵ月分と3倍に増え、給与のベースアップも2年連続だ。そんななか着手されたのが、これまで放置されてきた「超年功序列型」人事処遇の見直しと、総人件費の抑制。総合職は今後15年間で4割も削減する上、若手から昇格が難しくなった。2017/01/12
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「東進」ナガセが組織的な労基法違反で学生バイト搾取――労働条件記した書面交付せず、1年間ずっと研修扱いで最低賃金割れも「初期研修のあとは時給1000円、という説明を受けていましたが、2014年の1年間を通して、890円(最低賃金水準)のまま。上がる、上がる、とずっと言われ続けて、結局、研修扱いのまま、うやむやにされたんです。そのうえ、徹夜の無賃残業まで、やらされました」――。都内の東進ハイスクール校舎に勤務する大学生バイトのCさんは、そう憤る。取り返そうにも書面がない。時給は口約束で、労働者側の義務(損害賠償など)だけが記された「誓約書」のような書類にだけサインさせられ、それすら、その場で回収された。これは典型的なブラック企業の手口で、もちろん労基法違反。永瀬昭幸という男は、なぜ学生を違法に騙してまでカネ儲けに走るのか。大学生の知識不足と弱い立場につけ込んで搾取するナガセのブラックぶりについて、複数の現役アルバイト社員が告発した。2017/01/11
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2016年も、記事1本あたり売上高が55万円で過去最高を更新(MyNewsJapan)2016年は70本と記事の数を1割縮減した一方、会員収入は5%減にとどまったため、記事1本あたり売上高は約55万円となり、結果的にROA(ReturnOnArticle=記事1本が生み出す収入)が過去最大になった。これは、ナガセの嫌がらせ訴訟に対処するため(弁護士費用、訴訟費用などの捻出)、一時的に保守的な予算を組んで表面的な利益率を上げる必要があったことによる。売上縮小は必ずしも望んでいない。よって2017年は、より価値の高い調査報道記事に対して多額の取材経費をかけ、本数も増やすことで、質量ともに、会員に高い付加価値を提供していく。「会員に読まれる記事」に対し、ますます経費をフォーカスしていく。2017/01/01
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「予備校選びで、東進はやめたほうがいいです」東進ハイスクール元担任が語る7つの理由――第一志望に受からなすぎる、東大合格者は水増し、大学生に持論を展開される指導、3者面談までバイト…時給1千円程度の大学生バイトに対し、営業から生徒の指導、親との3者面談まで正社員と同様の仕事をやらせ、年70~100万円もの高額受講料をとる「東進ハイスクール」運営のナガセ。その成果は惨憺たるもので、映像授業にそれだけ払っても、第一志望校に合格する生徒が1割に満たない校舎が普通にあるという。今春には、売りにしていた看板講師陣とのトラブルなどで8名の講師が競合他社に一斉流出し、映像授業の質も低下。ますます東進を選ぶ理由はなくなった。担任助手、そして担任として、今春まで3年間にわたり勤務した元スタッフが、「自分に子供がいても、東進には入れません」と断言する理由を、自身の現場経験をもとに詳しく語った。2016/12/29
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東電・労災隠し実名告発事件(上)――心身壊れる過酷な被災者賠償業務で鬱病発症も、「私病」扱いで解職を通告東京電力で被災者への賠償業務を担っていた社員の一井唯史氏(35歳)は鬱病を発症、産業医も加担して「私病」扱いとされ、傷病休職期間切れで16年11月5日付で解職となり、退職を余儀なくされた。原発事故後、東電社員=犯罪集団と白眼視されるなか、一井氏は、約600人から成る法人部門の賠償審査の実質トップとして睡眠時間3~4時間で複雑な賠償案件にあたり、適正な賠償額を支払えるよう努め、最高時の実質時間外労働は月160時間にのぼったという。心身喪失の果てに鬱病と診断され、13年9月から休職。労災扱いを求め続けたが、東電は応じなかった。そこで16年10月31日、中央労基署に労災認定を申立て、現在、審査中だ。被災者のために激務にあたった社員の労を認めず冷たく捨て去った東電の「都合の悪いことを封じ込めて隠す」企業体質について、一井氏がその経緯と現場の実態を語った。(労災認定申立書はPDFダウンロード可)2016/12/28
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「別れ話」で逃げ切るつもりだった電通の甘すぎる認識――新入社員パワハラ過労自殺事件の真相「人生も仕事もすべてがつらいです。お母さん自分を責めないでね。最高のお母さんだから」。そんな遺書メールを母親に送り、1年前の12月25日朝、電通の新入社員・高橋まつりさん(当時24才)は東京・門前仲町にある女性寮から飛び降り、亡くなった。三田労基署は9か月後の2016年9月30日付で、1カ月(10月9日~11月7日)の残業時間が急激に増え約105時間に達した結果、精神障害を発症し過労自殺に至った、と労災認定。だが、事件から1年を経てもなお、事実関係や責任の所在は曖昧なままで、会社と遺族側で交渉中だ。「会社側は当初、自殺の原因を、恋人との別れ話にして、個人の問題で片付けるつもりだったようにみえます。甘く見ていたんです」――内情を知る社員は、会社の誤った認識に呆れる。複数の社員や友人らの証言から、事件の原因と電通の職場実態に迫った。2016/12/23
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