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オープンハウス新卒1年目社員が夏休み最終日に自殺しました ③――自宅の鍵を上司に預け、1日16時間拘束、休みは月1~2日出社は朝7時10分だが、打刻は9時。退社は23時ごろでも、打刻は22時。長時間拘束によって平日は「帰って寝る」以外にプライベートな時間がないうえ、休日が月に1~2日だけ――。当時の同僚によると、自殺したタカシさんが勤務していた職場の労働環境は、逃げ出したくなって当然、ともいえる過酷なものだった。しかも、出社拒否や失踪の対策として、新人は上司に自宅の鍵を預けさせられていた。「私も、自宅の鍵を上司に預けていました。それが当り前だ、という雰囲気で言われ、従うしかありませんでした」(元同僚)。まるで、反社が借金のカタに強制労働させるかのような勤務環境のなか、逃げ場をふさがれた末の死だった。2024/10/21
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みずほ銀、社宅全廃で実質年収200万カットもーー不満を奏でる新人事制度『かなで』始動で〝働かないおじさん〟の給料カットへ「福利厚生の大幅カットと、銀行本位すぎる人事異動。この2つがなければ、まだ辞めてないと思います」――。そう話すのは、同期入社のトップ昇進組に残っていながら今年に入って転職を決意し会社を去った、みずほ銀行の元社員(30代半ば)だ。なかでも大きかったのが、13段階の役割給導入を打ち出した新人事処遇制度『かなで』によって、2025年3月で全廃されることが決まった社宅だった。家賃相場20万円は下らない23区内西部の一等地にある家族向け社宅に、月3万円の自己負担で住めていたため、待遇面の満足度は高かったという。2024/10/19
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2.換金性の高い権利を得られる♯【手取り賃金が望む生活水準を満たしている】 ❐報酬水準―対価軸『いい会社はどこにある?』給与に続いて重要なのが、換金性の高い権利で、ようは「株」である。これは確かに、紙クズになるリスクがつきまとうが、初期のスタートアップはともかく、メガベンチャーになり上場した大企業ならば、金銭的価値が、ほぼ見通せる。「後払いの賃金」である。ストックオプション(会社が決めた価格で自社株を購入できる権利)を貰い、株価が上がった段階で売却すれば、その差額がボーナスとなる。2024/10/04
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武蔵大学調査委が〝研究不正ロンダリング〟インタビュー記録なし、研究ノートなし、記憶なしでも「不正ではない」と結論大内裕和武蔵大学教授(前中京大学教授)の著作をめぐる研究不正問題で、調査を行った武蔵大学の調査委員会が、インタビューのメモや録音、研究ノートなど、疑惑を否定し得る重要資料をなにひとつ確認できなかったにもかかわらず「不正ではない」と結論づけていたことが、両大学を相手どった訴訟のなかでわかった。文部科学大臣の定めた研究不正ガイドラインは、研究者に研究資料の保存を実質的に義務付けており、調査にあたっては、疑いをかけられた研究者側が根拠を示して合理的に説明できない場合は不正と認定するよう定めている。ガイドラインを軽視したお手盛りの調査により、意図的に不正を見逃した「研究不正ロンダリング(洗浄)」の疑いが濃厚となってきた。2024/10/03
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元BCGプロマネが語る〝日本企業の空洞化〟でコンサルぼろ儲けの構造――解雇規制、働き方改革、リモートワーク…「ゴールドラッシュです」数少ない日本の成長産業であるコンサル業。なかでも戦略系と言われてきた外資コンサル(マッキンゼー、BCG、ベイン、ATカーニー…)は給与水準が高く、最大手ボストンコンサルティンググループ(BCG)は国内の従業員数1100人超の大企業に膨れ上がってもなお、高水準を維持できている。なぜ、そこまで儲かるのか。30代半ばでコンサル業界に飛び込んだのち、数社を渡り歩いてBCGに移籍、今年やめたばかりの40代元社員(プロジェクトリーダー)に、その儲けの構造と、これからコンサル業界を目指す人が知っておくべきことをじっくり聞いた。2024/10/01
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オープンハウス新卒1年目社員が夏休み最終日に自殺しました ②――「精神崩壊し笑い出す人もいる」全体会議での吊上げ、暴言&モノが飛ぶ威嚇1日あたり「業者接触20軒、名刺交換20枚、新規土地情報登録3件」の行動指標、そして月に7棟分の用地仕入れ契約という結果指標。これが、自殺した新入社員タカシさんが背負っていた、オープンハウス土地仕入れ営業職のノルマだった。「週でいうと5営業日ですから、土地情報登録15件、用地仕入れ2棟分弱のペースになり、これが1人あたりの週ノルマ。達成できないと毎日、詰められますし、金曜の全体会議で支社長・グループ長・マネージャーの上司3人から罵詈雑言で詰められます。“公開処刑”です」(元同僚、以下同)2024/09/27
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年1千人超採用&見た目重視のベイカレント「採りのポイント」はL・C・M・S――面接官が語る人物評価の実際コンサル需要の上げ潮に乗るベイカレントは、利益の源泉となるコンサルの大量採用を続けている。2023年3月~11月は新卒232人を含む1039人が入社。年1200人ペースの採用で、うち新卒は約2割だ。慶応大によると、2023年9月卒と2024年3月卒を合わせた卒業生全体の就職先ランキングで、ベイカレントがトップの124人となった。つまり、ベイカレ新卒の約半数が慶応という極端な採用戦略をとる。中途採用も年1千人ペースとあって、入社の間口は広い。現役の採用面接官に、採用現場の判断基準や具体的な流れについて、その実情を聞いた。2024/09/20
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トヨタ正社員が告発「パワハラ受け鬱病で1年半休職中です」 内部報告書で改善拒否「パワハラの事実確認できず改善も謝罪も不要」トヨタ自動車田原工場の現役正社員・原沢武氏(仮名40代)は、労災隠し事件に遭った後の2022年1月以降、新たな事件に直面した。〝パワハラ上司〟問題である。2023年3月、大声で上司から叱責された原沢氏は、帰宅後、妻に頼まれ、娘を車に乗せて塾まで送って行くつもりが、同じところをグルグル回って、娘を乗せたまま自宅に戻ってきた。急遽、専門医に見てもらったところ「うつ病」と診断され、2023年3月末から2024年9月現在にいたるまで1年半に及ぶ休業を余儀なくされている。その間、イオンモールでトヨタの同僚と顔を合わせるとパニック状態で過呼吸になり、一人で走って逃げ去る事態に。隣接県のトレーラーハウスを借りて住みトヨタ従業員と顔を合わせない措置もとった。このような病状に至るほどのパワハラとは、どのようなものだったのか。2024/09/19
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ベイカレント、社員が語る「ワンプール制」の嘘――「ガチャではなく点数順で“GMのシマ”に配属が決まります」 ファイザーワクチン100億円PJTを埋めるプロデュース本部の営業力有報でも社名開示されている、ベイカレントのファイザープロジェクト。昨年度104億円(全社939億円)、一昨年91億円(同760億円)と、一社から年間売上高の11~12%を占めるという巨大なものだった。関わるコンサル数は、単純計算で常時425人相当にものぼる(全社3837人)とあって、社内でも有名となっている。内容はもちろん、コロナワクチン特需によるもので、つまりは、日本政府の公金が原資となっている。「ようはPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)なのですが、その内容については、個人のキャリアとしてどうなのか、という話が多いです」(マネージャー、以下同)2024/09/13
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ベイカレント〝コンサルバブル〟で年収相場も上げ潮、シニコンで1100、マネージャー1400万円にITエンジニア派遣会社「PCワークス」(本社・藤沢市)をコンサルに衣替えして急成長を遂げたベイカレント。今年1月には、虎ノ門ヒルズから10年ぶりに麻布台ヒルズに本社移転した。「自分が入社した頃は、社用PCの貸与すらなく、(ハケンさんが派遣先企業のPCを使うように)クライアント企業から借りて使え、と。社員名簿もなくて、いろいろ未整備な組織でした。今では、夜はバーカウンターになってアルコール類も買える、洒落たカフェまである。『なに気取ってんだよ』というのが正直な感想です」――。コロナ禍より以前、まだコンサル数が1千人前後だった頃に入社し、コンサル数4倍、売上が5~6倍に爆増する成長過程を内部から見てきた〝ベテラン〟マネージャー(30代)に、同社の実情を聞いた。2024/09/09
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1.天引き後の「手取り賃金」に納得できる ♯【手取り賃金が望む生活水準を満たしている】 ❐報酬水準 ―対価軸『いい会社はどこにある?』日本では太平洋戦争中の1940年、効率的な戦費調達を目的として、勤労所得に「天引き」制度が導入され、これが現在も続いている※。我々は生活に必要な額を、額面ではなく手取り(口座に振り込まれた金額)から支払うため、重要なのは手取りだけである。この「手取り」から、さらにサービスやモノを消費すると、消費税を10%とられる。つまり実質的には、手取りの90%だけが最終手取である。既に天引きで税金はとられているため、不当な「二重課税」である、という議論がある。2024/09/03
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オープンハウス新卒1年目社員が夏休み最終日に自殺しました ①――元同僚「上司たちに精神的に追い詰められていました」「おまえ生きてる意味ないから」「義務を果たさない奴には権利もないぞ」「できなかったら休みないから」「死ね」「くたばれ」――。そんなパワハラ暴言が当り前なノルマ至上主義の職場に入ってしまった若者が、入社して4か月目の夏休みに、自ら命を絶っていたことがわかった。明日から出勤しなきゃいけない、という2022年8月17日、高架下の河川敷で、首つり自殺した状態で発見された。大学時代は体育会アメフト部で鍛えたガッチリした体形だったが、入社後は憔悴し15キロも瘦せていたという。オープンハウスは、3年2か月という短期間に少なくとも3人の新卒若手社員が亡くなる異常事態となっている。2024/09/02
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日本の給与水準が上がらない7つの理由 ❐報酬水準―対価軸『いい会社はどこにある?』結論からいうと、四半世紀の間、ずっと横ばいに塩漬けされた日本の給与所得者の報酬水準は、今後も上がらない。それだけに、会社選びは重要である。筆者が取材した現場感覚としては、賃金が上がらない最大の問題は、社員に高い給料を払える成長産業がなさすぎる、少なすぎること。これが、第一にして最大の理由で、第二が、セーフティーネットと職業訓練(リスキル)の仕組みが弱すぎて、給料の安い仕事を辞めにくいこと、である。第三~第七は右記のとおりだが、主要な理由は上の2つである、というのが筆者の体感だ。2024/08/04
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東京エレクトン、半導体バブル&〝黒船〟TSMCで脱JTC 「平均年収1536万円」「駐車場は外車ばかり」… それでも「外資に給料で追いつくのが精一杯」な実情直近5年間、国内で計1560人も中途採用している半導体製造装置大手の東京エレクトロン。生成AIやEVで需要の伸びが期待される半導体バブルを追い風に、新卒(5年で計1173人採用)の1.3倍にあたる人数となり、もはや採用の入り口は中途中心になった。「たとえば日系ITベンダーや物流会社から転職するとだいたい年収2倍になるそうです。自分も、この会社に転職して年収が約300万円あがり、その点で不満はないのですが、報酬水準以外の面が、まだまだこれから、な会社だと感じています」――。中途入社した現役社員に、内側から見た同社の実情と課題を聞いた。2024/08/03
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セールスフォース ダイバーシティ&インクルージョンの嘘 12年も未達の障害者雇用率、「合理的配慮」訴訟起こされかん口令…少子化で労働者が減り続ける日本では、D&I(ダイバーシティー&インクルージョン)を進め、多様な人たちがフェアに働ける環境を整えた企業が生き残る。ユニクロや資生堂は障がい者雇用率4%台後半を誇り、国も罰則つきの法定雇用率を2.5%(2024年)、2.7%(2026年)と徐々に引き上げている。今後は、マネージャーの重要スキルとして「障害者を適切に管理して成果につなげられること」が必須になっていくはずだ。そんななか、積極的にD&Iをアピールしてきたセールスフォースが、障害者手帳3級を持つY氏(40代)を雇用しながら活用できず「合理的配慮」違反の民事訴訟を起こされ、昨年10月に数百万円の解決金で和解に追い込まれていたことがわかった。同社は法定雇用率すら過去15年のうち12年も未達で、ブランディングと職場実態がかけ離れている。2024/07/28
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アマゾン社員が語る「ベゾス退任後、顧客第一主義→コスト重視に変わってしまった」現場 配送・コールセンター・UI…すべて法人向けのみ改善、リテール放置「Amazonは、地球上で最もお客様を大切にする企業、そして地球上で最高の雇用主となり、地球上で最も安全な職場を提供することを目指しています」――。アマゾンが今でもミッション・ステートメントの筆頭に掲げるのは、創業以来変わらぬ「地球上で最もお客様を大切にする企業」、カスタマーオブセッション=顧客への執着、顧客第一主義である。ところが、ベゾスが退任した2021年以降、「コスト重視になったと感じることが増えた」と、コロナ禍以前から在籍する社員は、変化を感じている。2024/07/21
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アマゾン採用面接官100回超の社員が語る「STARメソッドで見極めるポイント」お客様を大切にするという創業の理念に加え、「地球上で最高の雇用主となり、地球上で最も安全な職場を提供することを目指しています」と、雇用主としてのミッションを追加して4年が経つアマゾン。ベストセラー『GAFA』(スコット・ギャロウェイ、2019年著)では、「小売りのサタン」「地球上から雇用を奪いつくす悪魔」として描かれ、ブラックな印象は依然として強い。採用面接官として100人超を面接し評価してきた中堅社員に、アマゾンが採用しようとしている人材の資質や、社員に求められる役割の変化について聞いた。2024/07/19
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アマゾン『PIP』リストラは『Focus』に 「大企業化で成果主義はぬるくなった」――キーエンス・リクルート出身者「楽勝だ」AmazonのRSUは、少なくとも4年以上の勤続年数がないと、ボーナスとしての価値は少ない。最初に設定されるRSUの付与条件として、「3~4年目まで在籍」が株数全体の60%を占めるからだ。丸3年もたずに辞めたら、株の6割を放棄することになる。では実際のところ、平均勤続年数は、どの程度なのか。アマゾンジャパンは日本で上場していないので、有報で平均勤続年数を開示する義務を課されていない。秘密主義なので、自ら開示することもない。2024/07/17
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アマゾン 黄金の手錠〝Golden Handcuffs〟の威力 「辞められなくなります」――株価上昇&超円安でRSUが暴騰「我々はGoldenHandcuffs(黄金の手錠)をかけられている――とアメリカ人社員が言っていましたが、その通りです。RSU(RestrictedStockUnit=譲渡制限付株式報酬)のことですが、毎年、新規で2年先までのグラント(付与)があり、その時点まで在籍していないと満額貰えませんから、辞めにくくなります」(30代社員、以下同)。この〝在籍条件つきの株式報酬〟が、なかなかの巨額なのだ。この黄金手錠の価値はどのくらいなのか。2024/07/15
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「このままでは大学院入試が崩壊する」と神戸大元准教授が警鐘〝出題者が特定の受験生相手に直前課外授業事件〟――を不問に付した大学のコンプライアンスを問う入試の出題者が、試験直前に、自分がよく知る特定の受験生に対してのみ講義を行う――。そんな、誰が聞いても驚くことが平然と行われていた。2015年、神戸大学大学院入試の出題者だった准教授が、試験直前にもかかわらず、受験を予定していた特定の学生を相手に、繰り返し「課外講義」を行ったのである。背景には、教員側からみて使い易い内部進学生を院に受からせたい事情があったとみられ、フェアな入試とは言い難い。この課外講義をなんども目撃した証人は多数いるが、そのなかの1人が、元神戸大学大学院工学研究科准教授(応用化学専攻)の神鳥安啓さんだ。神鳥さんは、37年間に及ぶ神戸大の教員生活で、自身が出題を含む入試業務を何度も担当した経験を踏まえ、「この課外講義はきわめて異常で、特定の受験生に便宜をはかったと疑われても止むを得ない」と指摘する。実名で陳述書を裁判所に提出する決心をした神鳥さんに、入試の流れと事件の詳細を聞いた。2024/07/10
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