記事一覧
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出張中に「宴会で裸踊り」「フィリピンパブ」 隊員連続自死で判明した兵庫県警機動隊の退廃した幼児体質滋賀県警の19歳の巡査が巡査部長を射殺した事件が世間を騒がせているが、警察職場における精神衛生状態の劣悪さは滋賀県警だけの問題ではない。兵庫県警機動隊の独身寮で2015年秋、20歳代の若い隊員2人が相次いで自死した。どちらも鬱病に罹患していたとみられる。先に起きた山本翔巡査の事件に続いて、今回は、山本さんの1週間後に自死をはかった木戸大地巡査(享年24)の事件を報告する。出張中にもかかわらず、小隊長引率のもと小隊全員でフィリピンパブを含む飲み屋で頻繁に酒を飲み、宴会では部下に「裸踊り」をさせる。そんな退廃した隊の空気に大地さんは嫌悪感を持っていた。加えて遺書の記載からは、先輩から嫌がらせを受けていた疑いがあった。しかし警察は「パワハラ」を否定。納得できない遺族は国家賠償請求訴訟を起こし、真相究明に立ち上がった。2018/04/16
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NTT東日本 生産性度外視、若手のやる気そぐ“共産主義企業”な現場「NTT東日本では、社内向けパワポ資料内の、ミリ単位のズレも指摘されます。資料の綺麗さにこだわる姿勢には、引きますね。主査→課長→部門長と承認を得るのですが、『なんで全角なの?』と課長から指摘され、『なんで半角なの?』と部長からは言われる。そこで、若手社員たちが時間外で残業をして会議をして、どう修正するか対応を協議したこともあります」――。生産性概念の欠落ぶりが、民営化33年を経た今も、ありし日を彷彿とさせるNTT。日本の労働生産性が主要先進国最低であることを象徴するような企業が、NTTグループだ。NTTを知ることで、正社員終身雇用第一主義という日本経済の本質的欠陥もみえてくる。なかでも東日本はそのオリジン、総本山だ。新卒入社して数年が経つ“ネイティブNTT社員”に現場で感じる違和感と実情を聞いた。2018/04/02
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一級建築士 アートを求めるか、安定収入を求めるか…トレードオフ満載な“建築士のジレンマ”一級建築士は、国内において、規模の制限なく建造物の設計を行える国家資格だ。いわゆる「建築家」が保有する資格でもある。その多くは、ゼネコンや組織設計事務所で実務を学び、資格を取得する。二級建築士は3階建て戸建住宅程度の規模までに制限されるため、積水ハウス等のハウスメーカー(具体的には積和建設)設計部門なら二級でOKだが、オフィスビルやタワーマンションなど大規模建築物の設計を行うには一級建築士が不可欠となる。大卒で準大手ゼネコンに入社、建築設計部門に配属され、26歳で資格取得した一級建築士(現在30歳前後の現役若手社員)に、仕事・生活・対価の実情についてじっくり聞いた。2018/03/28
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「老後は安心」は嘘だった――絶対的不採算アパートを買わされたオーナーの提訴で判明、大東建託“悪質”商法の手口アパート経営で老後は安心――という営業マンの甘言を信じて大東建託でアパートを建てたものの、最初から採算が合わず返済に行き詰まった大阪府内のオーナー夫妻が、不十分な説明によって大損害を被ったとして、同社を相手取り、約1億円の損害賠償請求訴訟を起こし、大阪地裁で係争中だ。「1年後に条件のいいところで借り換えができる」と虚偽の説明をする、「社員の手で融資申込書に虚偽を記載する」――。審理を通じて浮き彫りになったのは、不採算になることを知りながら無理に事業を進め、巨額の借金をさせてカネを払わせたら、あとは知らんぷり、という悪質きわまりない「大東建託商法」の実態だった。訴訟記録とオーナーへのインタビューをもとに詳細を報告する。2018/03/20
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オリエンタルカレー3代目社長・星野益八郎氏を、従業員がセクハラで提訴 「女性蔑視、何も制裁を受けないことが許せない」社長と従業員という圧倒的な力関係の違いがあり抵抗が困難ななかで、セクハラの線引きはどこにあるのか――。インスタントカレー元祖として有名な『オリエンタルカレー』(星野益一郎氏が創業)。その孫で3代目社長の星野益八郎氏(2016年の発生当時、その後2018年1月24日付で全役職から離任)に対し、在職中にセクハラ被害に遭ったとして、元社員の既婚女性(現30代前半)が2018年2月23日、東京地裁に提訴した。原告女性は、セクハラとその解決施策をめぐるストレスから出社できなくなり、不安障害・自律神経失調症などと診断、退職に追い込まれたとしている。職を失い、精神・健康・生活面の損害を被ったことから、計150万円の賠償を求めている。星野社長は、原告女性の頭・顎・尻を複数回さわった事実関係は認めつつも、「自分は合意があったと思っているので、これはセクハラにはあたらない。そこは譲れない」と取材に対して答えた。2018/03/09
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SMBC日興証券「これは仕事させないパワハラだ」――ノルマ変わらず残業時間だけ厳しく規制ブラック労働の代表職種だった証券のリテール営業も、電通過労死事件で明らかになったコンプライアンス上のリスク面と、空前の売り手市場による採用難対策という両面から、急激に労働環境のホワイト化を進めざるを得なくなっている。今年1月のフレンド証券との合併で業界2位となったSMBC日興証券では、仕事をしたいのに帰らなくてはならず、新しいパワハラだ、という声も上がっているという。ターゲット顧客層の高齢化にともなうトラブルから増えるコンプラ対策業務、さらには、金融庁長官から「高い手数料と回転売買で、顧客不在の稼ぎ方だ」との批判も飛び出し、現場は、短い労働時間のなかでノルマに追われ、コンプラとの狭間で悩みながら売っている。IT化・グローバル化が進むなか、リテール営業に未来はあるのか。2018/03/06
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東進ハイスクールのナガセが裁量労働制を悪用し“定額働かせ放題” 現役社員「残業100時間超でも一律35時間分だけ支給、深夜残業代・休日出勤手当はいっさい支払われていません」違法行為が続々と明らかになっている東進ハイスクール運営のナガセ(永瀬昭幸社長、東京・吉祥寺)で、またブラック労働の実態が明らかになった。同社では、本部に勤務する百数十人に裁量労働制が適用され、月35時間分の一律手当が「みなし」で支給されるが、実際には35時間で収まることはほとんどなく、平日は22時でも、本部ビルの全階で明かりが点灯。情報システム部では徹夜作業もあるという。出社時刻に社員の裁量はなく、残業100時間を超える月もあり、必然的に22時以降の残業や休日出勤も発生するが、深夜残業代や休日出勤手当はいっさい支払われていない。折しも国会では、裁量労働制の適用範囲を、一部の営業職や契約社員、最賃労働者にまで拡大できるよう、法改正の議論が進められている。裁量労働制が適用されると、どれだけ長時間・無賃労働が増えるのか――「自分も100時間の残業をする月が実際にある」と証言する現役社員が、“定額働かせ放題”の実態について、告発手記を寄せた。2018/02/28
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大東建託赤羽支店で大卒新入社員が自殺、過酷なノルマと連日の叱責でうつ病発症か「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは」――電通直伝「鬼十則」を実践し、社員の使い捨てぶりの激しさで有名な大東建託株式会社(熊切直美社長)で、昨年(2017年)11月、赤羽支店建築営業課(東京都北区)に所属する20代の大卒新入社員が、社宅で自殺していたことがわかった。同僚らによれば“業績不良”を理由に上司から連日、叱責を受けていたことから、長時間労働による過労とパワハラで精神にダメージを負ったことが原因である可能性が高い。同社では、2007年に藤枝支店の40代営業社員が自殺。昨年6月にも八千代支店の50代営業社員が自殺しており、1年で2名の自殺が発覚した。一方、不採算に陥ったオーナーが大東建託を裁判に訴え、「修繕費見積もりが低すぎる」として約5千万円の賠償を勝ち取ったことが判明。利益至上主義の大東建託商法に、司法も厳しい目を向けはじめた。2018/02/17
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サムスン電子ジャパン「グローバル企業ではなく、日本的な古い体質を持つ韓国企業です」新卒入社組が語る“イメージと実態のギャップ”グローバルではシェアトップの20%前後をアップルと争うものの、日本国内では5%未満に低迷するサムスンのスマホ『GALAXY』。「置くだけ充電」をiPhoneに先駆けて実装するなど、技術力では最先端を走りながら、日本ではあまり売れず、2年前(2015年末)には事実上の指名解雇で100人を削減しコストカット。だが、その際に解雇リストの対象外だった新卒入社の社員たちまで続々と辞めている。元サムスン社員の転職先はファーウェーが鉄板ルートで、社内では「リトルサムスン」と呼ばれるほどだという。高い離職率の原因とは、どのようなものなのか。新卒入社組の若手に、現場の実情を聞いた。2018/02/04
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自殺相次ぐ兵庫県警機動隊の陰険体質――「精神ボロボロ」の新人隊員を怒涛の「指導」攻撃で追い詰める2015年9月から10月にかけて、兵庫県警機動隊の寮で20代の新人隊員が相次いで2人自殺する事件がおきた。どちらも、生前の証言や遺書の記載などから、いじめやパワハラが疑われた。しかし県警監察室は、あくまで「指導」の範疇だとして、「いじめ」を否定、警察側に責任はなく本人の問題だ、と結論づけた。納得できない遺族は、公務災害の申請や提訴という形で真相究明に動きはじめた。それぞれの事件を遺族の証言を中心に報告する。まずは、「先輩の嫌がらせや、上司からの嘘つき呼ばわりには精神的に限界です」と書き残し、2015年9月28日夜に自殺をはかり、23歳の若さで亡くなった山本翔さんの事件から。自殺に追い詰められた背景には何があるのか、どうすれば防ぐことができたのか――。2018/02/03
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動物実験で立証済みの危険な遺伝子組み換え食品、表示ラベルは抜け道だらけ――食用油、豆腐、発泡酒などに要注意仏カーン大学が遺伝子組み換えトウモロコシの安全性を検証するラットを使った動物実験を実施したところ、腫瘍の発症・肝臓や腎臓の障害などが高い割合で確認され、メスの約70%、オスの約50%が「普通のトウモロコシ」を食したラットの平均寿命よりも早く死んだ。その遺伝子組み換え作物は大量に日本へ輸入されているが、食品ラベルの表示方法に抜け道があるため、用途は不明だ。たとえば食用油の場合、原産地表示も、遺伝子組み換え作物を原料に使っているか否かも、表示する義務がない(EUは遺伝子組み換えモノ混入率が0.9%超で表示義務がある)。豆腐は表示が義務づけられているが、全体の5%までの混入は許容範囲とされ、「国産」と表示できてしまう。だが、実験では極めて微量でも、疾病を引き起こしていた。この3月で、日本の種子法が撤廃され、モンサント社など遺伝子組み換え技術を戦略とする企業が日本に乗り込んでくる可能性もある。消費者は、なぜ選べないのか。「食の安全」を商品表示の観点から検証した。2018/01/16
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「電通は、モラハラの温床『密室の局長室』を廃止すべきだ」元部長がハリボテ対策室の実態と対策を進言覚えなければならない仕事が多い新入社員が、休日の局長ゴルフに付き合わされるのが当り前とされる電通。絶対的な権力者である局長の意向に対し、新入社員に拒否権はない。「自己愛性人格障害」の特徴を持つという電通の局長や局長補は、それをパワハラと認識できず、会社もそのモラルハラスメント(セクハラ・パワハラ)が横行するカルチャーを容認しており、ハリボテのモラハラ対策室を作って、やったふりだけしているのが現状だ。実効性のあるモラハラ対策はどうあるべきなのか――。前回に続き、自身のパワハラ被害体験や局内で発生したモラハラ事例を踏まえ、電通の元部長が手記を寄せた。2018/01/08
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2017年はブラック企業「東進ハイスクール」運営ナガセ(永瀬昭幸社長)の言いがかり訴訟に完勝、記事1本あたり売上高も過去最高に2017年は57本を掲載(前年比13本減)した。1本あたり売上高は概算で61万円と過去最高を更新したが、思うように本数を増やせなかった反省のほうが大きかった。ナガセの嫌がらせ訴訟が最高裁において完勝で終結し、今年からは余計な時間とカネを奪われることもないため、掲載本数を増やしたい。とはいえ、訴訟にかかった費用は裁判所と弁護士事務所に支払った費用だけで計120万円を超え、東進関連取材や記事にかかるコストを含めればゆうに200万を超えるが、1円も戻ってこない。嫌がらせ目的は訴訟を起こした時点で果たせてしまっている。日本の裁判制度が、合法的な嫌がらせ増長機能を持つことによって社会に害悪をもたらす欠陥装置であることが、実感としてよくわかった。再発させないためにも、「ナガセの闇」については徹底的に追及して全てを暴いていきたいので、内部告発をはじめ情報提供をお待ちしている。2018/01/08
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「電通は“自己愛性人格障害者”養成所なんです」 パワハラ被害者が語る“クラッシャー上司”量産型の病的企業体質岸勇希氏によるセクハラ事件は、発生時の責任者(ライン長)が現在の社長である山本敏博CDC長だった点からも深刻だ。山本社長の足下で起きた事件につき現実を直視できない電通に、長年染み着いているセクハラ・パワハラ体質の改善は見込めそうにない。パワハラ被害体験手記を寄せた電通元部長は、局長補以上の人たちの半数以上が『自己愛性人格障害』を発症している、と分析。「どの部署に行っても体質が同じだから辞めるしかなかった」と、絶望的な心境を語る。クラッシャー上司のもとで部下のモチベーション破壊が進みつつあるという電通は、どういう体質を持った組織なのか。電通のみならず他社の取材経験も豊富な編集長・渡邉が、詳細を聞いた。2017/12/30
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私が電通を辞める原因になったパワハラ被害体験――「体育会系ハラスメント体質が今後も治らないなら、訴訟も考えています」「はあちゅうさんが告発した深刻なセクハラも、高橋まつりさんの過労死も、電通のハラスメント体質が治らない限り、再発します。これは労働時間の長短の問題ではないんです」――。新卒入社から、最後7年間の部長職を含め、およそ四半世紀にわたって電通に在籍して昨年、会社を去った元社員(50歳前後)が、辞める原因ともなった自身のパワハラ被害について、「今後の電通と若手社員のためにも」と手記を寄せた。新人や若手にとどまらず部長でも被害に遭う、電通のパワハラ体質。それは、答えのない課題を部下に与え、延々とやり直しを命じることで鬱病を患うまで追い込み、自身の権力を誇示する、という病的なものだった。2017/12/29
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「東進」はワタミのような職場――「MNJの記事・見出しは虚偽」と言い続けたナガセの哀れな結末 最高裁上告”即行”棄却で完全敗訴確定「東進衛星予備校」での過酷な労働体験を報告した記事の見出しに「東進」の表現を使ったのは虚偽だ――にわかに理解しがたい主張によって、株式会社ナガセ(永瀬昭幸社長)が当サイト(MyNewsJapan)を相手に約3千万円の損害賠償請求を求めた裁判で、最高裁第二小法廷は11月17日、ナガセの上告を棄却した。見出しにも記事にも違法性はないとした二審東京高裁判決が確定した。2015年1月の提訴から2年、記事の削除を求める内容証明郵便が送りつけられてからだと2年4ヶ月にわたる争いは、「ナガセによる言い掛かりに過ぎず、違法性はない」と削除にも修正にも和解にもいっさい応じなかったMNJ側の完全勝訴=ナガセの完全敗訴=で決着した。2017/12/20
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『不当逮捕 築地警察交通取締りの罠』刊行――「暴行を受けた」と虚偽通報された夫の妻が語る「事件をでっち上げた警察に勝つまでの9年間」寿司店経営の二本松進氏が築地市場で仕入れを終え、車で店に向かおうとすると、警官が「法定禁止エリアだ」と一言発した。「運転手不在の放置駐車を見逃し、運転者が発車しようとする車を取り締まるなんておかしくない?」と抗議すると、警官は「暴行を受けている」と虚偽通報のうえ、公務執行妨害の現行犯として逮捕、二本松氏は築地署に19日間勾留された。妻の月恵さんは、夫が暴行したという虚偽調書への署名を迫られたが必死に抵抗し、翌朝から目撃者探しに奔走。夫婦は東京都と国を相手に国賠訴訟を起こし、事件から9年1か月後の2016年11月1日に高裁で勝訴。都は上告を断念し、東京都に240万円の賠償支払いを命じた判決が確定した。この事件をまとめた『不当逮捕ー築地警察交通取締りの罠』(同時代社刊)が12月6日に刊行されたのを機に、勝訴の最大の功労者ともいえる妻に、取調べの対応、目撃者捜し、独自現場検証、裁判所資料作成など、いざ「我が身」に災難が降りかかった際に役立つ経験についてじっくり聞いた。2017/12/15
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大東建託社員がハンマーで顧客を殴打、瀕死の重傷を負わす――「優秀な」営業マンはなぜ破滅したのか④ 顧客から“シロアリ”と罵倒され逆上「業績を上げる目的の身勝手な犯行」――松本市で2015年12月25日に起きた大東建託社員による顧客ハンマー殴打事件の判決公判で、野澤晃一裁判長は判決理由をそう述べた(主文は懲役19年)。大東建託の劣悪な職場環境を考慮すべきだとして情状酌量を求めた弁護側の主張を一蹴、G元社員にすべての責任を負わせる内容だ。「それでよいのか」と公判を傍聴してきた筆者は違和感を禁じえない。2ヶ月に一本、数千万円規模の契約を挙げ、完工させるという異常なノルマのなかで、G社員は次々に契約をとって会社の期待に応えた。しかし、じつは無理のある契約ばかりで、資金不足を借金や顧客から盗んだ金で補填していた。そして業績のために架空契約に手を染め、得意客との間で深刻なトラブルに。不正発覚を免れようと放火騒ぎを起こし、遂には「(お前たちは)シロアリだ」と顧客から罵倒されて逆上、ハンマーで殴るという破滅的な結末を迎えたのだった。2017/12/08
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JTB巨額詐欺事件③ 1千万円持ち逃げされた被害者とJTB関東社員とのメール全容「専務、逃げているのではなく○○にいます」JTBの社用車に乗り、JTBの名刺と社員証、公式パンフを持つJTB関東の社員T(40代男性)は、顧客に「元本に手数料4~5%を乗せて返す」という奇妙なドル両替取引を持ち掛け、約4年間は約束通り手数料を支払っていた。だが昨年5月、自殺予告メールを送り、預かった金を返さぬまま失踪の後、6月に栃木県警足利署に出頭。7月8日に懲戒解雇となった。逮捕はされず、現在も捜査中だ。被害者は50名超、被害総額10億円近くと見られる。そのうち6名が今年3月、Tに支払った元金の返還を求め、JTB関東、JTB、Tの三者を相手どって東京地裁に提訴した。JTB側は「Tの行動は、原告らとの間で行われた個人取引にすぎず、被告らの業務とは無関係」との一点張りだ。1千万円を持ち逃げされた原告のひとり小林正孝氏(仮名、50代会社役員)に、どのように騙されたのか聞き、Tが失踪する直前1か月半にわたるメール送受信内容を公開してもらった。(A4で8ページ分、記事末尾でダウンロード可)2017/12/03
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大東建託社員がハンマーで顧客を殴打、瀕死の重傷を負わす――「優秀な」営業マンはなぜ破滅したのか③ アリ地獄のような苦境に資産家の独居老人Aさん(85歳)を顧客に獲得したのがきっかけで、大東建託松本支店のG社員(懲戒免職)は、「売れない営業マン」から一躍、「松本支店のエース」に浮上する。しかし、その栄光とはまるで張子の虎のように空虚なものだった。最初のいくつかの契約こそは順調にいったものの、やがて融資困難で無理な契約に直面。それでも強引にすすめようと、必要な資金を身銭を切って補填するうちに借金まみれとなり、ついには顧客であるAさんをだまして金を盗むにいたる。それがうまくいったのをいいことに、Aさんに対してさらに詐欺や窃盗を重ね、問題ぶくみの契約や架空契約の資金に流用していく。「支店長の期待にこたえるため」、また、「不正が発覚しないよう」に、あらたな犯罪を重ね、G社員は蟻地獄のような苦境に追い詰められていった。2017/12/03
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